詩〜more〜もっと
魂はこの身体を与えられて
人間としていのちが始まった
魂はこの身体を選び
いのちは始まった
いつか終わりが来る事はわかっている
あと何十年か先かも知れないし
何年後か来月か、明日かも知れない
始まりがあれば終わりがある事はわかっている
終わりを考えて生きてはいない
心残りが無くなる時は来ない
やり残した事が無くなる時は来ない
思い残す心配が無くなる時は来ない
これで充分
これ以上を望まない
いつ終わりが来ても別に構わない
そう思って生きてきたけれど
カウントが始まれば
これで終わってしまうのは惜しいと思う
欲が出る
もっと手に入れたい幸福
もっと楽しい事
モラルに縛られず制御せずに
本能のままに何かをした事が今までにあったか
このまま綺麗に何も残こさず
跡形もなく消え去るのもいい
べたべたに汚く存在した証を残すのもいい
ただ今でも明日でもないと思って生きている
終わりを考えて生きてはいない
魂はこの身体を与えられて
魂はこの身体を選んで
いのちは始まった
いつか終わりは来る
いつ終わるかはわからない
満足していない
もっと、もっとと望む心は溢れ
悔いが残らない時は来ない
流れ星のように
静かな余韻を残したい
もっと、もっとと望む心を抱えながら
終わりを考えて生きてゆく
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