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聴き合う教室づくりのために②

対話的に学び合う授業を増やす


 Noteに投稿されている授業づくりにかかわる様々な記事をみても、全国各地で未だに「一斉指導」が授業の中心に位置付けられている教室が多いということを感じ取ることができる。
 私が学び合いを考えていく際の手本としてきた石井順治先生(東海国語教育を学ぶ会顧問)は、


 「先生が“教えていく”授業ばかりしていたのでは、どれだけ『聴きなさい』といっても聴きたいとは思わない。聴かなければならないという気持ちにもならない。」


と語られている。

 教師が一方的に語っている(しゃべっている)以上、子どもは常に”受け身“である。子どもが聴きたい、聴かなければならないと思うこと、つまり能動的に聴くという姿勢を高めていくには、できる限り教師が「しゃべらい」ということを意識し、そういう時間を減らすようにしていかなければならないということだろう。

どの授業にもペア・グループを入れる


 それは、授業者としては、対話的に学ぶ授業を増やすということであり、より具体的には「どの授業にもペアやグループで学ぶ時間を設けていく」ということだ。子ども同士がかかわり合う時間が多くなればなるほど、教師が話す時間は少なくなるということになる。
 
 それは単に子ども同士がかかわり合う時間が増えるということだけではない。子ども一人一人の深い学びは、子ども同士のかかわり合い(聴き合い)からしか生まれない、そう考える教師は、できるだけ子ども一人一人が考え、悩み、納得する過程を大切にしようとする指導観をもつのではないだろうか。いわゆる教師の指導観にも通じる重要な問題であると考える。
 
 もちろん、ペアやグループの活動を取り入れているだけで、深い学びが実現するというほど簡単なことではない。
 それでも、教師がしゃべることを慎み、そのかわりに子ども同士のかかわり合いが生まれるように、ペアやグループの形で学習をすすめていくという設定なしには、互いの言葉を「聴く」(「聴きたい」「聴かなければ」)という主体的な思いは生まれないし、結果として対話的で深い学びには繋がっていかないということではないだろうか。
 
 教師としてはどの授業でも、子ども一人一人の考えが深まることを期待している。だからそういう機会をセットする、その具体的な形が互いの考えを「聴き合える」「ペアやグループでの学び」であり、どの授業にも心がけて取り入れていくということになるのではないかと思う。

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