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幸せなときほど現状維持を望む


2024年8月23日(金)朝の6:00になりました。

すべての出会いにおいて、ただひたすら最良の別れに向けた不断の努力を傾けましょう。

どうも、高倉大希です。




このまま、時が止まればいいのに。

そう思ったことが、何度かあります。


それは決まって、幸せな瞬間です。

この幸せが、ずっと続けばいいのにと思うわけです。


ところが現実は、なかなかそうもいきません。

時は流れ、ものごとは移ろいます。


30歳、40歳になったら20歳のころと考えが違うのは当然だし、50歳、60歳になってもまた変わってくる。同じ自分を維持しながら、昔の過ちを少しずつ正していく。それが老いるということです。老いるとは変化することであり、訂正することなのです。

東浩紀(2013)「訂正する力」朝日新聞出版


先日、松岡正剛さんの訃報を耳にしました。

ものすごく不謹慎な言い方ですが、正剛さんは死なないと思っていました。


千夜千冊は、終わらないものだと思っていました。

もう更新されることはないのかと思うと、とても寂しい気持ちになります。


だいせんじがけだらなよさ。

編集のすばらしさを、教えてくれてありがとう。


編集は遊びから生まれる。編集は対話から生まれる。編集は不足から生まれる。編集は照合である。編集は連想である。編集は冒険である。

松岡正剛(2000)「知の編集術」講談社


死を前提とする限り、いまの状態がずっと続くなんてことはありえません。

現状維持を望むということは、川の真ん中に木の枝を突き立てるようなものです。


この幸せが、ずっと続けばいいのに。

これほどまでに、苦しいことはありません。


だからきっと、こう考えなければならないのだろうなと思います。

この幸せを、これから更新し続けよう。


集中してたら勉強の才能も開かないよね。それをどんどん突き詰めて考えていくと、死ぬまでにいっさいのこだわりを全部削っておけば、すごくラクだということになります。

横尾忠則(2021)「YOKOO LIFE」ほぼ日


あらゆるものは、暫定的です。

わたしたちにできることは、変わりやすさを保つことくらいです。


自分なりの暫定解はもっているが、同時に変わりやすさも保っている。

変な言い方にはなりますが、柔軟な頑固者であれたらよいのだろうなと思います。


だいせんじがけだらなよさ。

寂しいときの、おまじないです。






サポートしたあなたには幸せが訪れます。