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旅立ちと言えば聞こえはいいが


2025年2月11日(火)朝の6:00になりました。

極端に前を向いているときは、決まってあんまりよくないものです。

どうも、高倉大希です。




将来は、こんなことがしたい。

将来は、こんなふうになりたい。


そんな将来のイメージは、いまの自分が描きます。

いまの自分が想像できる範囲の中からしか、選ぶことができません。


じゃあ、いまの自分が想像できることって一体どんなもんなんじゃい。

そう考えると、それはもうびっくりするくらいに大したことがないわけです。


「強い/弱い」「善い/悪い」「有る/無い」、すべて、縁しだいで、どんどんかわっていく。自分の「かわらない本質」は成立しない。つまり、不変の「個性」、不変の「性格」、不変の「アイデンティティ」は、ありえないのだ。

しんめいP(2024)「自分とか、ないから。」サンクチュアリ出版


たったの数十年しか、生きていません。

人生100年だなんて、言われるような時代です。


数十年しか生きていない人間が、想像できることなんてたかが知れています。

雀の涙をかき集めながら、うんうんと頭を悩ませているわけです。


これは決して馬鹿にしているわけでも、軽んじているわけでもありません。

事実として、そうなのです。


30歳、40歳になったら20歳のころと考えが違うのは当然だし、50歳、60歳になってもまた変わってくる。同じ自分を維持しながら、昔の過ちを少しずつ正していく。それが老いるということです。

東浩紀(2023)「訂正する力」朝日新聞出版


いまの自分が、想像もしなかった出会いの先に。

いまの自分が、考えもしなかった進路の先に。


まだ見ぬ価値が、眠っている可能性が非常に高い。

言い換えるなら、そういうことです。


そんな変化のきっかけが、旅立ちなのだろうなと思います。

何も想像どおりの未来に進むことが、是だとも限らないわけです。


現代の小説では、ものすごい偶然でこんなにおもしろいことがあった、というようなことは書けないのですね。なんとなくちゃんとみんなが納得できるように書く。しかし、実際はおもしろい偶然というのが多いんですよ。

河合隼雄、村上春樹(1999)「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」新潮社


将来も、こんなにしんどいままなのか。

将来も、こんなにつまらないままなのか。


そんな将来のイメージは、いまの自分が描きます。

いまの自分が想像できる範囲の中からしか、選ぶことができません。


じゃあ、いまの自分が想像できることって一体どんなもんなんじゃい。

そう考えると、それはもうびっくりするくらいに大したことがないわけです。






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高倉大希
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