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自分が漫画家だったら『東京ヒゴロ』は読みたくなかった
2023年12月27日(水)朝の6:00になりました。
この星の一等賞になりたいの、俺はっ!!
どうも、高倉大希です。
松本大洋先生の『東京ヒゴロ』を読みました。
案の定、見事にぶん殴られました。
読む前からわかっていたことです。
自ら顔を前に出し、自らぶん殴られにいきました。
自分が漫画家だったら、この作品は読みたくなかっただろうなと思います。
こんなものを見せられたら、何も描けなくなってしまいます。
大手出版社を早期退職した漫画編集者の塩澤。
会社員を辞めた男は、今、漫画に何を思うのか。
仕事か、表現か、それとも友情か。
人生五十年を越えても、憂い、惑い、彷徨う男たちにおくる鎮魂歌。
東京の空の下、時代の風に吹かれて、漫画が芽吹く。
彼の作品にはじめて出会ったのは『鉄コン筋クリート』というアニメ映画でした。
自分が知っているアニメ映画とは、あまりにも違っていて衝撃を受けました。
つづいて『ピンポン』の実写映画を観て、妙に腑に落ちたことを覚えています。
「たしかにこれは、おなじ作者じゃなきゃおかしい」
そこから、さまざまな作品を手に取るようになりました。
いずれにせよどこかでは、出会っていたのだろうなと思います。
『東京ヒゴロ』に限らず漫画を描くときはいつも、登場する人物みんなをとても格好いいと思って描いているので、塩澤さんやいろんな漫画家さんたちとさよならするのはさみしいですが、最終回までたどり着けてほっとしました!
「BUMPはこれからもずっと聴くけれど、RADはいずれ聴かなくなるだろうな」
邦ロックにどハマりしていた中学生のころに、こんなことを思っていました。
幾年もの時間が経過したいま、実際にそうなっています。
理由はうまく説明できませんが、当時からわかっていたのです。
「松本大洋先生の作品は、これからもずっと読むだろうな」
ほとんどすべての作品を読み終えたいま、そう確信しています。
もともとずっとファンで、作品を読んできたんです。なんかこう、松本大洋先生の絵は「人間の体温」を感じさせてくれるんです。「この人物は口内炎できたりするやろな」とか、「転んで怪我してかさぶたを早めに剥がして失敗しそうやな」とか。血が通っているんですよね。
ただ、そう思えているのも自分が漫画家ではないからです。
前述のとおり、自分が漫画家だったとしたらたまったものではありません。
いつまで現役で最前線にいるんだよ。
きっと、そう思っていたはずです。
『東京ヒゴロ』は、3巻で完結です。
あなたが漫画家ではないのなら、ぜひ手に取ってみてください。
毎朝6時に更新します。読みましょう。 https://t.co/rAu7K1rUO8
— 高倉大希|インク (@firesign_ink) January 1, 2023
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