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きみに青信号一回分の幸運を

出掛けるときにこんなことを想ってくれる人が傍にいてくれたら、それだけで一日頑張ろうって思えそう。 今回のnoteでは来月からはじまる社会人生活でも聴き続けたい音楽について書きました。大学生活を支えてもらった、渡會将士(わたらいまさし)さんのの魅力を語ってます。来月から社会人なので、推しは推せるときに推しておけというやつです。 最初に、こんな音楽リスナーは渡會さん向けだよって人のタイプを挙げときます。 ・通勤・通学に音楽を聴く ・風景や都市、電車の窓から外を見るのが好き

    • Oxford旅行記 ―イギリス最古の図書館、ハリポタロケ地巡り―

      観光はロンドンのみの予定だったけど、せっかくなので足を延ばしてひとり電車に揺られオックスフォードまで行ってきた。 権威ある大学、自然、図書館、美しい教会、かつてオスカー ワイルド、C.S. ルイス、J.R.R. トールキンが学んだ風景が今も続く街。ハリーポッターシリーズにおいてはロケ地にも選ばれた場所である。 ボドリアン図書館はヨーロッパ最古の図書館の一つであり、大英図書館に次いでイギリスで2番目に大きな図書館。大英図書館では見たかったもの(ジェイン・オースティンの物書机

      • 徒然EUでの一週間(スウェーデン→デンマーク→ドイツ)

        去年の頭にヨーロッパ(スウェーデン→デンマーク→ドイツ)へ単身出張に行ってきたので今更だけどインスタに投稿していた日記をここにまとめておこうと思う。 大学卒業旅行で海外行こうとしてたけど結局コロナで行けなかったため、これが正真正銘の初海外だった。空港も行ったことなかったし、そもそもわたし英語全然しゃべれないんですがね…。 DAY0〜1Heathrow 空港ってこんな広いのね〜と若干感動しながら羽田でチェックイン。ラウンジでご飯出るって知らなかったからしっかり家で食べてき

        • 月光、幻想、死、狂気――ドイツでロマン派博物館を巡った

          単身欧州出張の帰国日、朝から夕方までの時間フランクフルトの街を駆け抜けて観光してきた。 かねてから行きたいと思っていたDeutsches Romantik Museum(ロマン主義をコンセプトにした博物館は世界でここだけ)での体験を旅情と共に書き残しておこうと思う。 ゲーテ『若きヴェルテルの悩み』(1774年)における「愛」、フィヒテの「哲学」、ホフマンの『牡猫ムルの人生観』『砂男』における「自由」、グリム兄弟の「ナショナリズム」。 夢、霧の谷、暗い森、廃墟、自然、神話、そ

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          20本

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          https://twitter.com/fire_n_hemlock/status/1495014043148423177?t=0GeGTHhK4eD1cQUZX4B4pQ&s=19

          https://twitter.com/fire_n_hemlock/status/1495014043148423177?t=0GeGTHhK4eD1cQUZX4B4pQ&s=19

          【フーコーから】アーカイヴとは何か【ベンヤミンまで】

          アーカイヴとは何か。留意しておかねばならないのは、一般的にイメージされる図書館や資料館と、フーコーが論じたアルシーヴは別物であるということだ。どう別物なのか、あるいはどう近似しているのかという説明は塩川氏の文章が個人的に最もしっくりきているので引用させていただく。

          ¥1,500

          【フーコーから】アーカイヴとは何か【ベンヤミンまで】

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          落ちるピーター・パン『キャッチャーインザライ』

          今回のnoteでは、Catcher in the Rye (1951)『ライ麦畑でつかまえて』J・D・サリンジャーの作品を取り上げる。 個人的この作品は原文で読むのがベストだと思っている。なぜなら主人公ホールデンの特徴的な語りのリズムーーわざと乱暴な言葉を使いたがる未熟さ、聴衆あるいは世界に語りかけるような独特な「you」の使い方ーーは日本語に翻訳しきれないニュアンスを含んでいるからだ。ネット上ではこのひねくれものホールデンに対して嫌悪感を示したり、共感できないといった感想

          落ちるピーター・パン『キャッチャーインザライ』

          niteの映画・ドラマラック

          メモ代わりに好きな映画をメモしていきます。随時更新 心に響いた作品アトランティスのこころ グッドウィルハンティング ギルバート・グレイプ What's Eating Gilbert Grape (1993) ショコラ Chocolat (2000) ホールズ─穴 『P.S. アイラヴユー』(PS, I Love You) アイルランド出身の女性作家セシリア・アハーンのデビュー作となる2004年出版の小説、及びそれを原作とした2007年公開のアメリカ合衆国の恋愛映画 コープ

          niteの映画・ドラマラック

          『乳と卵』感想

          *ふざけてます。 日本文学、しかも現代小説となるとさっぱり疎いのですが、最近社会人になってどんどん文学が遠のいてきたこの離岸流でちょっと文体やらトレンドやらを勉強する旅に出たいなという思いがあって、溢れかえる棚や崩れ落ちそうな積読の砦から目を逸らし逸らし新しい本を物色したわけで、英米で翻訳されるくらい話題になってるしヨーロッパかぶれのわたしにとってもとっつきやすいかしらんと買ってみたのがこの川上未映子の『乳と卵』。なぜこの小説が評価されているかというのはレビューを読まずとも

          『乳と卵』感想

          『ハウルの動く城』原作―荒地の魔女の呪い

          ※いかなる場合も文章の無断転載・剽窃を固く禁じます(プロバイダー開示手続きをとります)。引用元を明らかにした上でのさらなる考察等は大丈夫です。大した文章でもないのにコピペする人が多いので… 金曜ローでハウルやるのか~じゃあ愛読書『魔法使いハウルと火の悪魔』Howl's Moving Castle(1986)再読しよう ღ と思ったついでに書きました。原作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(最近映画化された『アーヤと魔女』の作者でもあります)は既に鬼籍ですが、ファンタジーの女王と

          『ハウルの動く城』原作―荒地の魔女の呪い

          ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『九年目の魔法』 タム・リン伝説

          私の聖書でありアカウント名の由来でもある、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説『九年目の魔法』 ため息をつき、本をベッドに伏せる。前に読んだはずだけど、こんな題名だったろうか? 壁にかかった写真の額を見上げる。これもこんな写真じゃなかったはず。この九年間で本当にあったことと、今おぼえていることが喰い違っている。まるで過去が変えられてしまったかのよう。大学生のポーリィは、十歳のころの思い出をたぐり寄せた。そうだ、近くの屋敷でお葬式が! そこで、あの人、リンさんと出会って、ず

          ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『九年目の魔法』 タム・リン伝説

          雪のふる街 ポール・オースター『ニューヨーク三部作』

          京都も今週は雪になるそうで。最近結構暖かかったからいよいよやってきちゃうのかあ……底冷えの厳冬。とぼやきながらこのnoteを書いている(追記:このnote書くのをいったん中断していたので今はもう春が目覚めている。梅が綺麗だ)。 今回の記事表紙に使用させていただいたのは(嬉しいことにご本人様からご了承頂きまして)絵本作家たなか鮎子(Tanaka Ayuko)さんが2014年ギャラリーハウスマヤTwo Window展に出品されたもので、ポール・オースターのCity of Gla

          雪のふる街 ポール・オースター『ニューヨーク三部作』

          愛は死に打ち克てるか─カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』【解説 後編】

          ¥10,000

          愛は死に打ち克てるか─カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』【解説 後編】

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          対談ニール・ゲイマン×カズオ・イシグロ【翻訳】

          ファンタジーと文芸小説の境界について、英国作家カズオ・イシグロとニール・ゲイマンが対談しているお気に入りの記事があり、その一部を自分用に訳してみました。二人の読書遍歴や執筆活動への姿勢が垣間見えてめちゃくちゃ面白いです。本を読むことの意義とは何なのか。彼らは何を思って創作するのか。   これは拙訳なので元の記事読んでもらった方がいいと思いますが(Referenceにリンク貼ってます)よろしければどうぞ~。[  ]内はniteが中略したり注釈いれたりしてるところです。誤字など

          対談ニール・ゲイマン×カズオ・イシグロ【翻訳】

          これは、「今」を救うための物語―カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』【考察前編】

          2021年3月に『クララとお日さま』 早川書房から、カズオ・イシグロの最新長篇『クララとお日さま』 (KLARA AND THE SUN, 翻訳:土屋政雄)が英Faber & Faber社、米Knopf社との世界同時発売される。 一応Faber & Faber社で予約してるんだけど、ちゃんと日本に届くのかな……はやく読みたい。 今回の記事は、来たる新作を読む前に今一度妖精、鬼、アーサー王、騎士、呪い…様々なファンタジーのモチーフが登場するカズオ・イシグロの 『忘れられた巨

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          これは、「今」を救うための物語―カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』【考察前編】

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          残酷でしあわせなおとぎ話『パンズ・ラビリンス』【考察】

          「─だから少女は幻想の国で永遠の幸せを探した─第79回アカデミー賞3部門を受賞作」 …というキャッチコピーにつられて『パンズ・ラビリンス』を初めてみたのは中学生のとき。ひとりでBSの深夜放送をザッピングしていたとき偶然見つけたのだ。おとぎ話の世界かなあなんてわくわくしながら観ることを決め、そして、『パンズ・ラビリンス』はわたしがそれまで観た映画史上”最高の”トラウマになったのだった。 でも大学生になった今では、『パンズ・ラビリンス』はギレルモ・デル・トロ監督作品のなかで一

          残酷でしあわせなおとぎ話『パンズ・ラビリンス』【考察】