鶴屋南骨

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仕組みで覚える世界史(実質日本史)④実は大事な法的正当性

前近代の社会は、全国に領主がいっぱい散らばっていて、この人たちから支持を得ることが、中央政府の政権運営には重要でした。 こうした社会で重視されたのは法的正当性や大義名分です。 ★力こそすべて、という先入観 私が歴史に詳しくない時は、法的正当性が大事と言われてもピンと来ませんでした。 武士の時代などは力で解決しているイメージがあるからです。 実際にそういう側面は否定出来ません。しかし、歴史を調べていくと、思ったよりもずっと、法的正当性や大義名分が重視されているのです。

    • 仕組みで覚える世界史④家来と領主

      前回のおさらいをしましょう。 前回は王様には領地があり、それを支配するために、手足となって働く、直接の家来がいることを書きました。 また、全国には領主がたくさんいて、領主が独立した組織を維持したまま、王様に従属していることも書きました。 つまり、王様に従っているといっても、直接の家来と、従属している領主の2種類があることになります。 政権は家来と領主が参加して構成されていることを、豊臣秀吉の政権を例にして、見ました。 では、家来と領主はどのような力関係にあったのでし

      • 【メモ】プロ野球・今オフに導入して欲しいこと【暫定】

        ★リリーフ枠の拡大 リリーフ投手は選手寿命が短い。リリーフ投手の登板過多を減らすために、リリーフ投手の登録枠を拡大すべきではないか。 ★反発係数の公開 毎年のように「今年のボールは飛ばない」みたいな疑惑が出る。 打者にとって、ボールがどれくらい飛ぶか飛ばないかは死活問題である。 反発係数が分かれば対処のしようがある。 反発係数が公開されていないと、その打者が打てない原因が、その選手個人に起因するものなのか、ボールに起因するものなのかが分からない。 打者本人はそれでバ

        • 仕組みで覚える世界史③家来って、どこまでが家来?

          王様と領主の関係をもう少し見ていきましょう。 ★土地と領民 まず領主は土地を持っています。 と同時に、そこに住む人たちを、財産として持っています。 民衆は、その土地の支配者の所有物ということになります。 しかし、この所有物は、時に領主の意思に反し、自らの意思に基づき行動しようとします。 領主としては、これくらい農作物が欲しいから、領民たちにはここに住んでもらい、ここで農作物を作らせたい。 勝手に移動されたり、勝手に職業を変えられたりしては困る。 そこで、移動の自

        仕組みで覚える世界史(実質日本史)④実は大事な法的正当性

          仕組みで覚える世界史②権力を奪われる王様たち

          第1回では、王様が領主の顔色をうかがって、政権運営をしなければならなかったことを書きました。 ★中央集権という言葉の謎 私が歴史を勉強し始めた時に、戸惑ったことがもう1つあります。「中央集権」という言葉です。 「中央に権力が集中します」 えーと……、それは……。当たり前では? なぜ当たり前すぎることに、こんな仰々しい(?)専門用語が付くのか。 そこに戸惑ったのです。 しかし、私はそもそも子供だったので、中央の意味を正確に理解していなかったということもあります。

          仕組みで覚える世界史②権力を奪われる王様たち

          仕組みで覚える世界史①王様は言うほど強くない??

          歴史に詳しい人は当然知っているのに、歴史が苦手な人ほど知らないことがあります。 歴史が好きな人は、歴史が好きなので自分でいっぱい調べます。そうすると、パターンみたいなものに気付きます。 しかし、そのパターンというのは教科書には書いてないので、授業でしか歴史に触れない人には分かりません。 今回のシリーズは歴史好きが当然のように知っている、歴史のパターンやコツを取り扱います。 ★絵本の王様のイメージ 歴史を勉強していると、イメージとのギャップがあって、頭に上手く入ってこな

          仕組みで覚える世界史①王様は言うほど強くない??

          世界史の流れ・ざっくり④陸と海のチャンピオンの戦い

          ★海を目指すロシア 陸のチャンピオンになったロシアは、イギリスのように貿易でバンバン儲けようとします。 ロシアの持っている港は北にありすぎて、氷に閉ざされてしまうため、ロシアは1年中使える港を手に入れようとします。 ★イギリスの妨害 これを徹底して阻止したのがイギリスです。 陸のチャンピオンが海のチャンピオンにまでなってしまったら、無敵過ぎて、手が付けられなくなるからです。 ロシアは西・南・東の海のどこかで突破口を開こうとしますが、イギリスとその仲間たちが協力をして、

          世界史の流れ・ざっくり④陸と海のチャンピオンの戦い

          世界史の流れ・ざっくり③陸のチャンピオン

          ★これまでの振り返り 第1回はアジア勢が陸でも海でもブイブイ言わせていた話をしました。 第2回は前編と後編で、西ヨーロッパ勢が、海でもブイブイ言わせ始めたことを書きました。 第3回はヨーロッパ勢が陸でもブイブイ言わせ始める時代になります。 ★押し込まれるヨーロッパ アジア勢がブイブイ言わせていた時代は、ヨーロッパ勢がアジア勢に押し込まれることが多かった時代でした。 イベリア半島(ポルトガルやスペインなどがある地域ですね)や、イタリア半島の先っぽは、長期的にせよ、短期的

          世界史の流れ・ざっくり③陸のチャンピオン

          世界史の流れ・ざっくり②-2 海の歴代チャンピオン

          ★イベリア征服 第1回で、西アジア勢がブイブイ言わせていたと書きましたが、どれくらいブイブイ言わせていたかというと、西アジアに出現したイスラム帝国が、いまのポルトガルとスペインがあるエリアに攻めてきて、ほぼ全土を征服してしまいます。それくらいブイブイ言わせてます。 ★北の王国 征服されなかったエリアもありました。今のスペインの北にある、メッチャ狭いゾーンです。征服されなかった人たちは、ここに王国を築き、数百年かけて、じわじわ南へと領土を広げていきます。 そして、この途中で

          世界史の流れ・ざっくり②-2 海の歴代チャンピオン

          世界史の流れ・ざっくり②-1ルネサンスと大航海時代

          第1回は陸でも海でもアジア勢がブイブイ言わせていた話をしました。 第2ラウンドは西ヨーロッパの国々が、海でブイブイ言わせる時代になります。 ★北イタリアの商人 前回も書きましたが、世界の大ヒット商品は、中華世界が作り出す高級アパレルや高級食器でした。 西ヨーロッパのセレブたちもこれを欲しがりました。 この時、西アジアにアクセスして、大ヒット商品を西ヨーロッパにもたらしたのが、北イタリアの商人たちです。 ★ルネサンス 北イタリアの商人たちは高級品を西ヨーロッパのセレブ

          世界史の流れ・ざっくり②-1ルネサンスと大航海時代

          世界史の流れ・ざっくり①アジアつよつよ時代

          世界史に興味はあるけど、なかなか手が伸びないそこのあなた! そんなあなたのために、簡単に世界史をまとめました。 ★世界史4つの流れ 世界史は長くて複雑なので、ざっくりと4つの時代に分けます。 先に時代を書いておくと ①陸も海もアジアがブイブイ言わせていた時代 ②海にヨーロッパ諸国が進出した時代 ③陸にもヨーロッパ諸国が進出した時代 ④海のチャンピオンと陸のチャンピオンが大バトルしてさぁ大変、時代 各時代を駆け足で見ていきましょう。今回は①のみです! ★アジアが

          世界史の流れ・ざっくり①アジアつよつよ時代