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【ニヒリズム】(詩)

僕が屋根から落っこちると
地球がパカっと真っ二つ
だけど本当は地球はタマゴだった。
宇宙に浮かぶタマゴだった。

暗い宇宙で青い地球は
白いタマゴに姿を変えて
殻からブォーっとマグマの海が
冷たい宇宙に噴き出した。

宇宙に煌めく地球の出湯
さらさら流れる温泉地。
紙飛行機や湯船に浸かれ
遠い異国への旅の途中。

紙飛行機はたくましく
ざぶーん!ざぶーん!!と水面を跳ねる。
大きく温水に潜りこみ、勢いよく顔を突き出した
彼は黄金のピラルクとなり、光る星々を遊泳する。

金色の鱗粉を漂わせながら
輝くピラルクは天の川をすいすいと泳ぎ
星々は飴玉の香りを放ちながら
笑顔で無邪気にはしゃぎまわる。

夕暮れに染まる深海の底では
翼を閉じた鯨の中で、指を咥えて眠っている。

大きな
大きな揺籠の中で。

また祝福されるんだ。

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