美しくて恐ろしい女優 ロザムンド・パイク主演『ゴーン・ガール』の感想
今日も私のnoteを読んでくれてありがとうございます。
映画大好きcandy@です。
私の好きな女優ロザムンド・パイク 知的で気品があって端正な顔立ち、少し低音の声も魅力的
この2014年の『ゴーン・ガール』に出演するまではどちらかというとクラッシックな美人の役が多かった。
2005年「プライドと偏見」では貴族の美しい長女役を演じた
可憐で清楚な女性のイメージのロザムンド・パイク
このイメージを払拭した『ゴーン・ガール』の”エイミー”に抜擢された時 監督のデビッド・フィンチャーは『この役を演じる覚悟はあるか?』と彼女に言ったそうです。
サスペンスやミステリーの物語を音楽や映像を効果的に演出して作品を完成させている。
ミステリアスな秘密がどこかに隠されているようなシーンに観ている方も心理的に不安感に追い込まれていく気がする。
『ゴーン・ガール』
あらすじ
ニックとエイミーは結婚して5年目
ニックの熱烈なアプローチで結婚した二人だったが二人とも失業(ライターの仕事)してしまいエイミーの愛するニューヨーク市からニックの故郷の田舎に引っ越している。
ニックの母親がガンになり、病気の看病のための引越しだったが、ニックの母が亡くなった後もそのまま彼の地元で暮らし続けている。
エイミーが出資した地元のBarはニックと彼の双子の妹マーゴに仕切られており、エイミーは不満を募らせ、知り合いもいない彼女はますます孤立していく。(義妹とも仲が悪い)
ニックは地元の大学で講師も掛け持ちしていて、彼の教え子(キュートで若い女の子)と不倫をしている。
実はエイミーの母親は児童文学のベストセラー作家で自分の娘のエイミーをヒロインにして数々の本を出版している華やかなキャリアの成功者
エイミーはそんな偉大な母を超えられない自分に苛立ちとコンプレックスを表には出さないが持っている。
彼女自身はハーバード大卒なのに失業中で夫の寂れた田舎でくすぶる生活。その上若い女の子に夢中な夫は彼女を邪魔者扱い。
そんな彼女が結婚5周年記念の日に失踪してしまうのだ。
しかもニックが妻殺しをしたのではないかと疑われる数々の証拠を残して・・・(血痕だったり、テーブルのガラスが粉々だったり)
ニックは警察からもメディアからも疑いの目で見られ追いかけ回される。
最初は妻が行方不明の同情される夫で捜索活動にも協力的だった街の人たち
ところが、ニックの不倫がばれたり、エイミーが夫にDVされていたと書かれた日記が(これは事実ではなく彼女の創作)発見されたりと彼の立場はどんどん悪くなる。
才女で美しくて魅力的な彼女だが一つ足りないものがあったのではないかと思う。
それは「自己肯定感」
彼女は自分を認めることも自分を愛することもできない。(母の娘に対する期待の大きさもあったのだろうが)
彼女の母は「アメージング・エイミー」という小説をシリーズで書いていたがその主人公のエイミーは完璧な女の子に描かれていたために、いつも彼女自身がそのヒロインのイメージで世間から見られることにプレッシャーを感じていた。
そんな時に自分を救ってくれる王子様のニックが現れて結婚した。
そして永遠に幸せに暮らしました・・・終わり
とは現実には行かなくて彼だけが不倫相手と幸せになるのが我慢できなかったエイミー。
複雑な人間関係が絡んで悲惨な事件が起こりそのあと
彼女はニックの元に無事?戻るのだが
初めから自分への復讐で全てエイミーの計画だとわかっていた彼は彼女を2度と愛することはできない。
一方、ドラマティックな事件(これにはエイミーの偽証や偽装工作のせいで彼女は殺人を犯したにもかかわらず正当防衛が認められた)の後で世間の注目を集めることには成功した彼女。
想定外だったが違う意味で注目されて作家の母を超えられた事に満足感を覚える彼女の生き生きとした表情は逆に充実していて輝いている。
取材やインタビューなどメディアにも引っ張りだこのエイミーとニック夫妻
困難を乗り越えて再び幸せな夫婦に戻ったふりをしながら二人はこれから先も共に暮らして生きていくのだろうか?
愛がなくてもそのまま仮面夫婦を演じ切るのかそんな疑問を感じながら
ラストシーンはこの美しくも恐ろしい妻の笑顔にゾクっとする。
もし彼女がニックよりも誠実で仕事もできて素晴らしい男性と結ばれていたら、その人に幸せしてもらえたのだろうか?
私にはそうは思えない。
誰かに幸せにしてもらうことはできない。
幸せは自分で見つけるものだから。
そしてそれを感じるものだから。
彼女がそれに気づかなければ今の満足感もやがて失っていくだろう。
予告編
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