便所飯の覚悟あり?出願先決定タイムリミット迫る
娘トラの志望校(時期的に出願先?)決定のタイムリミットが迫る中、職場では異動に関する不穏な噂(昇格したことを口実に女性社員のトンデモ人事をやるクソ会社。肩たたきの手法)がチラホラ出ており、浮かない日々を過ごしている。
おかげで「年末のあの嫌な出来事は伏線だったのか?」などとネガティブなことばかり考え推敲が進まず、じっくり書きたかった内容ではあるが思いつくまま書き連ねてみる。(読みづらい点はお許しを)
記事内の高校について
県立A高校
県都文教地区にある由緒正しいナンバースクール。
某大学の横にあり、附属中および近隣の名門公立中出身者らがひしめく。近年は周辺に分譲マンションが林立、価格が高騰しているらしい。(東京で言うと文京区?)
上記2中学出身者が高得点を叩き出すため上位は青天井。
セレブ率が高く(慶應高校野球部みたいな)エンジョイ勢多数。ゆえに自由な校風。下位層にとっては面倒見が悪いとも。
通学にかかる時間はAB高校とほぼ同じだが、電車の乗り換えがある。
県立AB高校
県都中心部にある進学校。文武両道で女子バスケ部が伝統的に強い。
アクセスの良さから例年高倍率だが、高校統廃合の影響で近年はAにトップの座を奪われつつある。
富裕層の多いAを敬遠し敢えてのAB志望も多い。(棲み分けなのか?)
面倒見が良いと評判。勉強ガチ勢が多く出口はAとあまり変わらない。
我が家からは電車1本で通いやすい。トータル通学時間はAとほぼ同じ。
これまでの経緯
子の心変わり
元々近隣B高校を志望していたトラは、模試の成績が好調なことからBを候補から外し、オープンスクール(以下OS)で好印象だったAに一気に傾く。
トラの意向と成績から、私ももう1つ上を考えるべきかと思い始める。学歴研究家じゅそうけんさんの「就職内定に最も相関する変数は大学名より高校名」のつぶやきにも影響された。
Bを外すとはいえ、夫と私はAには反対。庶民的かつ電車1本で通えるABまたは高専を勧める。
ちょうどその頃、高校説明会に参加した私はますますAB推しに。だがトラは聞き入れずABも高専も却下。
思わぬ決定打
話し合いを重ねるも、トラの意志は変わらず。
もう折れるしかないかと思っていたある日、トラの口から思わぬ決定打が出た。
「AB高校のOSで部活見学をした時、女バスの同級生3人が部の先輩を見つけて駆け寄り何やら盛り上がっていた。
彼女らは女バス強豪校のABが本命。多分3人とも受かるだろう。
一人一人は良い子なんだけど、固まられるとどうも苦手。ABに行く女子はそう多くないし、自分があのグループに混ざるのはちょっと無理と思った。」
トラらしくもなく、まるで私みたいなことを言うので驚いた。(やっぱり話し合い大事!)
私も苦手な人がいる所には(たとえあまり関わらない相手だとしても)足が向かないタイプ。
そういった感覚は本能から発する警告だと思うからだ。
「それを早くお母さんに言ってよ」というわけでABも候補から外し、気が進まないながらもA志望で合意となった。
理数科!?
ところがよくよく調べるうちに、A高校のOSでトラが感銘を受けた講座は理数科のカリキュラムであることが判明。
ならば理数科を目指すとトラが言い出した。
これには夫も私も猛反対。
巷の噂では、Aの理数科は事実上の特進クラスであり別名医学部予備校と囁かれるからだ。
医者の子が多いらしいという情報も反対する理由の一つだった。
だがトラは、塾の面談で「トラの点数なら理数科でも充分狙える」と言われたのだと言い張り譲らない。
成績を上げて貰った塾には感謝しているが、どうか煽らないで欲しい!
親子バトルは続く
以来、何度もバトルを交えトラの説得を試みた。
塾は見栄えの良い合格実績が欲しいだけで入学後の心配はしてくれない。
近ければ反対しないが、トラには通学時間のハンデがある。特に理数科は高校周辺の2中学の子が集中する。遠方の中学生は、そういった環境や通学のハンデを考慮し普通科を選ぶ子が多いのでは。習い事や部活も続けるのであれば尚更。
うちは普通のサラリーマン家庭であり、医学部や東大などは行かせられない。トラも医療系の仕事は嫌だといつも言っている。だとしたらAの理数科は畑違いになるのでは?
そもそも進学校の理数科の数学や物理は次元が違う。チンプンカンプンになる可能性が高い。(夫談)
トラは自分が理系かどうかまだ分からないから高専は嫌だと言った。同様に理数科に進むと後で軌道修正ができない。Aは普通科も充分ハイレベルであり、普通科に入ってから理系か文系かを見極めた方が良い。
理数科は例年女子の比率が低い上、2中学出身者で6〜7割を占めると聞く。そんな所に田舎者のトラが飛び込んで果たして馴染めるのか?(トラは友達になったつもりでも相手は友達と思っていないケースが過去に多々有)女子は従来のグループから外れてまで新たな友達は作らないもの。もし理数科を目指すなら、1学期はボッチとなりトイレ弁当(便所飯)をする覚悟を。
理数科に限らずだが、最近はAやABでも数人がドロップアウトすると聞く。自分もそうなるかもしれない覚悟が必要。(親も)
これも理数科に限らずだが、登下校時は保護者らの高級車が校門付近に連なるらしい。その光景を横目に電車を乗り継ぎ、この田舎に寝るためだけに帰ってこなくちゃならない。それ以外にも色んな格差を受け入れる覚悟が必要。
三者面談(12月)
トラの担任は、学年じゅうの生徒から慕われているというベテラン女性教師。
12月の三者面談では、先生の経験に基づいた話を伺うべく面談に臨んだ。
相談内容
本人の強い要望でAは渋々許したが、我が家は難関大に行かせたいわけではない。勉強も大事だが、トラには高校生活を楽しんで欲しいと思っている。習い事や部活も続けて欲しい。理数科に進むとそれが叶わないのではと心配している。
Aに入る力があってもABを選ぶ人、Aの理数科ではなく敢えて普通科に進む人もいると思っていたが、そういった事例は稀なのか?
少人数の理数科と大所帯の普通科ではストレスが違う。理数科を選んだばかりに自分は落ちこぼれと感じ学校が辛くなるのでは。
理数科は難関大や医学部の二次試験のような難問ばかりをやると聞き心配している。もし自分が文系寄りだと気づいた時に軌道修正もできない。
遠方の公立中出身で身も心もアウェイであることが心配。理数科は特に。
担任の意見
点数ではなく自分の行きたい高校や科で選ぶ子は多い。ただ進学校となると大学進学が前提となるため、そういった選択をする子は少なくなる。だがAとAB、理数科と普通科ならほとんど差は無く、好みで選んで良いレベルでは?
とはいえ実は自分もABの校風が好き。
女の子の場合、もし自分が普通科に入り、自分より成績の低い友達が理数科にいたら複雑な気持ちになるかもしれない。しかしそれもまた良い経験。
トラさんなら馴染めるかどうかの心配はまず要らないと思う。進学校はおしなべて民度が高い。
理数科の勉強について行けるかどうかはともかく、普通科以外を選ぶということは将来の進路をある程度絞ることになるからくれぐれも慎重に。脅すつもりは全く無いが、過去にAの理数科に進んだ教え子から相談を受けたことがある。勉強についていけず選択を後悔していると聞き、自分も多少の責任を感じてしまった。その時にドロップアウトする子が複数いるとも聞いた。
理数科は、方程式と違う解き方は無いかと自分で考えたり、大学でやるような難しい物理の計算にワクワクするような子が多い。「大学への数学」という雑誌を愛読書にしているような子が多いと聞いたこともある。
トラさんが親の反対を押し切り自分の希望を貫くなら、入学後に辛くなっても弱音は吐けない。親にそれ見たことかと言われないよう覚悟を。
親御さんの心配はとてもよく分かる。トラさんはこんなに心配してくれる両親に感謝を。この時期は学力不足に悩む子が多いので贅沢な悩みとも言える。考えれば考えるほど迷うだろうが、冬休みは家族で話し合い沢山悩んで結論を。
先生は慎重に言葉を選びつつも、どちらかと言えば私寄りのスタンスで、安易に理数科を選ばないでと伝えたかったように思えた。
それはもしかすると子供に考えさせるためわざとかも知れないが。
ともあれ人の気持ちを汲むのがとても上手な人で、慕われる理由がよく分かった。
二転三転?
やっぱり普通科
先生の言葉が響いたのか、トラは冬休み明けの個人面談ではAの普通科を第一志望にすると告げたらしい。
先生は、
「一旦普通科と決めて見えてくる自分の気持ちもあると思うから、気持ちに耳を傾けながら、どの科でも行けるように勉強を頑張って。」
とアドバイス。
それを伝え聞いた私は、自分の婚活と同じだなと思った。
かつて婚活に励んでいた頃、複数の相手とお見合いの後、交際に進む1人を選ぶ段となり、条件の良さでAさんに決めたとたん、実はBさんに好印象を抱く自分の本心に気づくことがあった。
トラはどうだか知らないが、私は肝心な選択ほど理屈では選べないタイプだった。
それはさておき。
私達夫婦は、最終ではないにせよトラの決定にホッとひと安心。
時々トラの口から「どうせ普通科だし」といった言葉がポロッと出て、吹っ切れていないのはわかったが、親としてはこのまま穏便に日が過ぎて欲しかった。
あとは塾に焚き付けられなければ良いがという心配だけだった。
母の心変わり
そんな中、note仲間のまるさんかくさんからいただいたアドバイスをきっかけに、私の気持ちに変化が起きた。
このコメントを読み、「これだけ親や先生がリスク説明をして、本人が考え抜いた末の決断なら、もうどちらでもいいや」と思えてきたのだ。
ファイナルアンサーは自分で
そしてラスト2回となった模試の前夜。
「模試の第一志望欄には普通科を書けばいいよね?」と聞くトラに私は言った。
「お父さんとお母さんは、トラが思いつかないようなメリットやデメリットを散々説明してきた。トラは反発しながらもそれを参考にした上で普通科志望に変更したのだと思う。だけど最後の最後にもう一回考えて、願書を出す時は自分が本当に行きたい科を選んでいいよ。それについてはもう一切口出ししないから。」
とたんにトラの表情が明るくなった。
そして
「えー!?
今さら好きにしろって言われたら悩むぅ〜!
考える時間無さすぎ。
まじでどうしよう…」
頭を抱えながらも喜びがダダ漏れ。
やはり人は与えられた答えよりも、自分で見つけた答えを選びたい生き物なのだと思った。
夫は、
「ただしこの後の模試があまりにも酷かったらこの話は無しだぞ。」
と付け加えていた。
ネガティブ・ケイパビリティ?
そんなわけで、トラは残り2回の模試の結果を見てから最終決定をするらしい。
これが私だったら勉強が手につかなくなるほど悩むだろうに、その後のトラは母の断腸の決意にかしこまるどころか悩む様子もなく、拍子抜けさせられる。
それは良い意味ではネガティブ・ケイパビリティというやつなのかも知れないが、愛読している受験系ブログによると
だそうで。
トラはまるさんかくさんの分類における「介入しないとダメなタイプ」であり自由裁量は無用だったのでは…?と早くも後悔が勝る母なのだった。
◆中高生のお子さんをお持ちの方に是非読んでいただきたい記事。
進路選びにおける「子への関わり方4タイプ」(拙記事のご紹介ありがとうございます)
かなり長文になってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。
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