P.G.ハマトン著(2022)『ハマトンの知的生活のすすめ エッセンシャル版』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン
短いセンテンスに共感できる本
kindle unlimitedに入ってから、このエッセンシャル版のシリーズが無料でレンタルできることもあり、昼休憩の時間を利用して読んでいる。
わたしはハマトンについて読むのは今回が始めてであり、このエッセンシャル版のもととなった本は、自己啓発本としてはかなり分厚い分量のあるものらしい…
今から150年前の明治維新直後に書かれたものらしい…
その知的生活というのは、定義としては、常に気高い思考ができるようになることで、そうした思考態度、心的態度を知的思考と呼ぶ。よって、頭が良くなるとか、表現がうまくなるなどの現世的なことでなく、低俗な思考に陥らないことが肝とのこと。そして人を知的にするのは、知識や学問ではなく徳であると断言する。
そのためには労を惜しんではならず、地道な努力を続けよと解いている。
さらに知的な仕事はその過程を楽しむものだと記されている。まさにごもっともな見解である。
その知的生活において、研究対象を掘り下げることが知的な喜びであるという。確かに知らないことをだんだんと知っていく過程というのは、夢中になり苦労をくろうと思わないフローな状態にあることを言っているのだろう。
その他、時間や読書、習慣などのアドバイスにも似た短い言葉が、今の自分には、ことごとく刺さった次第。
わたしは既に50歳を過ぎているが、だんだん年を重ねると、説教してくれるような人もおらず、それらの自分を律することにつながる機会も、先人たちの知恵を吸収し、その言葉を丹念に自分への語りかけと受けとめ、説教の代替として自分の軸を補強し続けなければならない…
ここで何もしない偉そうな老人になって悪態つくような変な人になるのか、ただ真っ当な人生を送るのかの差になっていくのだろう。できれば後者になるように、自分を律するためには、本書程度の軽いボリュームで、そのエッセンスを感じ取れれば、それはそれで十分ハマトンの言葉を自分の知的生活として活用できたことになるのだろう…
その意味では、適度な頻度で、このような本に出くわしたほうが良いかもしれない。このディスカヴァー・トゥエンティワンのエッセンシャルのシリーズは、わたしの今の心境にはピッタリの短時間で自分を律するためのツールになりそうである。今回も考えながら興味深く読み進めさせていただきました。感謝です。
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