私が困った社交不安症の症状(大学院編)
1. 学校での発表の時(受診前)
発表前から息苦しくなり,唸る時間が続いたり,発表のことを考えてしまい,心ここにあらず状態が続いて,そのことが頭から離れず今のこと考えることができなくなってしまう。
発表前はそのような苦しいながらも耐えている。いや,耐えるしか方法はなかった。嫌な気持ちより,叫びたくなるような,ここにはもう居たくない,もう全てをやめてやりたいくらいの気持ちだった。
発表中では,発表内容のことを考えつつ,周りの視線・周りからどう思われるか,自分の意見は批判されないかなどの恐怖におびえ頭が真っ白になり,発表内容に意識を向けることに集中できない時間が過ぎる。頭が真っ白になっているため,教授の質問に対してちゃらんぽらんな回答しかできず,相手が呆れた顔をしているのが分かる。
しかし,これ以上応えることができず,無言になってしまい,何で答えられないのか,ほかの意見はないのかなど,相手からより否定的な意見を言われるという状況が続く。言いたいことがあるのに言えない,考えることができない私。
「あぁ,自分のことが大嫌いだ。自分で自分の思ったことすら相手に伝えることができないのか・・・!」
発表が終わったら,泣き止み表情はけろっとはしているが,疲労感は半端ではない。かなり心理的にダメージを食らっていた。後で失敗したことを思い出してその状況がフラッシュバックして泣きわめいたり,頭を叩いてしまったり,ふて寝をしてしまったりなど一日を無駄にする日々。課題はどんどんたまっていくのに何もできない自分。
自分の話したことに対して否定的な意見を言われると,その意見そのものが悪いのではなく,「私自身がいけないんだ」と自分を否定されたと感じてしまう。
嫌なことを自分に言われると,相手に自分を否定されると,相手が否定してきた意見が自分の頭の中で5倍10倍100倍…倍なんてもんじゃないn乗になってしまう。その不安があふれかえって爆発してしまうのだ。(これは自分の一番の課題で今も課題である。)それで泣きわめいて自分のことを傷つけてしまう。
相手の否定していることは自分の意見であって自分ではないのになぜそう考えてしまうのか今でもわかっていない。少しずつ考えていくしかないのだろう。
2. 学校での発表のとき(受診後)
薬(レクサプロ)を飲み始めてから全体の不安感が下がったのか,人前での意見は言えるようになってきた。少し変わった。周りからも「変わったね」と言われることが多くなった。少し自分の表情自体も明るくなったような気がする。質問くらいなら頓服がなくてもできるようになった。
不安についていっぱい論文を読んだし,たくさん論文も読んだ。たくさん読んだことで自分の考え方が悪いのではなく,不安が悪さをしていると感じた。不安って何だろう,不安は生きるうえで大切なのに何で私に攻撃してくるんだろう?自問自答する日々が続いた。
少しずつ,不安について考えていると,不安は抱えすぎてもダメ!抱えなさ過ぎてもダメ!不安を見ないようにすると,不安がより大きくなって襲い掛かってくる。というような論文が多くみられた。
いろいろな心理学における不安の論文を読んで気づいた。「私は不安をなくそうとしていたんだ。だから,だから苦しんだ」と思った。少しずつ自分の今までの辛さのぼやぼやの輪郭が現れてきたんだ。
そこから少しずつ自分のことが分かりだし,自分のことを受け入れることができるようになった気がした。不安をなくそうとしていた。それが一番の間違いだったと反省した。
しかし頓服(アルプラゾラム)を飲まないで不安と戦おうとすると,不安を抱える以前の問題なのだ。頭が真っ白になってしまい私の心をむしばんでいく。
頓服を飲んだら不安と共に生きることができた。不安は不安なのだけれど,少しずつできる体験が続いていった。前より変わったねと言われることが続いた。でも苦手なものは苦手だ。発表なんかやりたくないし先生と二人で話すのもしたくない。しかし,やらなくては卒業できない。
私は卒業したかった。将来心理学の知識を生かして子どもの発達支援に関わりたかったから。中途半端でやめてしまうのは嫌だったから。
普通の質問は頓服なしでできるようになったけれど,人前で発表することは違った。やはり周りの人たちが私のことを見てくる。ちゃんと頓服を飲んで正解だ。
頓服を飲んだら周りの視線ではなく,自分の発表内容自体に集中できるようになった。周りの(視線や否定されるかもしれないという考え)は考えなくて済んだ。うまく発表できていたよと褒められることもあった。「やっと,やっとちゃんと自分のことについて言うことができたんだ!やっと,やっと」
大学院で自分のことで気づいたことがある。それは,「自分がどう思っているか?」という意見を言う際に泣けてしまうということだ。
自分がどう思うかに対して何でそう思うかについて聞かれると,固まってしまい泣けてきてしまうということが分かった。なぜ気づいたか?それは,修士論文で何を書きたいかについて聞かれたときに,○○と思うと言った時に,教授に「何でそう思うの?」と言われたとき,「わたしはそう思ってはいけないのか??」と思った時に気づいた。
もちろん教授は「思っちゃいけない」とは言っていない。純粋に私がなぜそう思ったかが疑問だったのだ。でも自分に対して否定的・被害的にとらえてしまい私が泣き始めてしまった。
教授はそんな私に対して向き合ってくれた。それをとても嬉しかった。私の意見をちゃんと聞いてくれる。「ちゃんと自分の意見を言ってもいい」とそこから思えるようになったのかも知れない。
結局,大学院の研究は,社交不安についての研究をした。自分が一番それに悩んでいるから。不安とは何かについて知りたかったから。不安に対する研究は1月で完成し,口頭試問(修士論文の最後に教授から質問があること)があった。その際担当教授に「○○さんは,社交不安だもんね❣」と言われ,その場が和み,落ち着いて口頭試問に取り組むことができた。
2月,口頭試問が終わった後はもう何も発表することはなかった。友人に支えられ何とか大学院を卒業することができた。
今回はここまで。次は社会人編を書こうかなと思います。
頑張って読んでくれてありがとう。また読んでね。
ではまた・・・