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演奏会の舞台裏

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演奏会の舞台裏は非常に大切です。舞台裏には奏者としての心構えや準備もありますし、演奏会に向けた準備もありますし、裏方の役割をするための様々なノウハウもあります。
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#オーケストラ

舞台設営図の作成

 舞台設営図を初めて描く人は非常に苦労をすると思われる。普段の音楽室のセッティングをそのまま図面に落とし込めばある程度は完成するはずなのであるが、普段何も考えずに感覚だけでセッティングしていると舞台設営図は全く描けない。普段のセッティングのサイズを計ってそれを図面に落とし込むという方法もできるが、なかなかそういうことを思いつかないものである。また、ホールの舞台平面図は尺貫法で書かれており、図面のマス目の方眼が180cmになっているのも苦労の原因である。尺貫法というのは人体のサ

ホールとの事前打ち合わせ 

 ホールとの事前打ち合わせは演奏会の1か月前から2週間前に行われる。高校生以下の未成年の場合は顧問や教員と打ち合わせに行くことになるはずであるが、大学生の場合は団員のみで行くはずである。団員のみで行く場合、可能な限り初めての人だけで行かないようにするべきである。例えば毎年3年生と2年生がペアで行くようにしてうまく引き継ぎをしていけば、次の年に初めての人だけで行くようなことはなくなるはずである。  事前打ち合わせ時までに提出する資料はホールから指示される。通常は、次のような資

タイムテーブルの作成

 演奏会当日朝からのタイムスケジュール表を本番の1か月前までには作成しなければならない。舞台設営図と同様に、ホールとの事前打ち合わせに必要な資料である。タイムスケジュール表は場合によってはステージマネージャー等裏方用と、そこから必要事項を抜粋した演奏者用とに分けて作成したり、各役割ごとに個別に作成したりする。  タイムステーブルを構成する基本的な要素は「いつ、どこで、だれが、何をする」である。「いつ」と「何をする」が記載されていないということはないが、「どこで」や「だれが」

ステージマネージャーの一日の流れ②(ステリハ後から退館まで)

朝からステリハまでは下の記事をご覧ください。  諸連絡が終わったら奏者は休憩になるが、ステマネはこの時間から本番モードとなる。そのため、お昼を食べる時間は、ステージリハーサルが終わる前か、本番が始まってからとなる。ステージリハーサルが終わったら、舞台上のセッティングが1曲目のセッティングとなっているか確認する。影アナの練習や舞台上でのスピーチの練習などもステージリハーサル終了直後に行われることが多い。それら全てのことにステージマネージャーは立ち会わなければならない。またこの

ステージマネージャーの一日の流れ①(朝からステリハ終了まで)

 ステージマネージャー(ステマネ)の演奏会当日は、朝の入館前から始まる。楽器運搬トラックは朝学校を出発してホールに到着することが多いので、そのトラックの到着の確認から始まる。到着予定時刻にトラックが来なかったら連絡をとり状況を確認しなければならない。入館時刻になったら、団の代表者と一緒にホールの鍵開けのためにホール管理事務室に行く。楽屋の鍵をステマネが開ける場合もあるし団員の方で開けることもあるし、ホール側で開けておいてくれることもある。楽屋の鍵開けと前後して、団の代表者(部

ステージマネージャーの役割

 ステージマネージャー(ステマネ)の仕事内容は多岐にわたり、どれも専門性が要求されるものである。しかしながら、ステージマネージャーの重要性があまり認知されていない。そして、優秀なステージマネージャーは非常に少ない。この悪循環をどうにかしないと演奏会の会としてのレベルは低下していくことになるのではないかと私は危惧している。  プロの音楽家の世界ではステマネを職業としている人もいるが、アマチュアオーケストラやスクールオーケストラでは、演奏会当日だけのお手伝い的なステマネでしかな

受付等担当者の当日の流れ

 受付等の担当者は開演時刻の3~4時間くらい前に集合することが多い。集合後は打ち合わせとセッティングをしてチラシの挟み込みを行って開場時刻に備えるという流れである。午後公演でも夜公演でも食事休憩を挟むことが多い。受付等担当者がスタンバイ状態となるのは開場時刻ではないことに注意しなければならない。全員が早めの時間にスタンバイとする必要はなく、例えばドアマンなどは会場時刻直前でも問題ないが、少なくても外から見える部分に関しては早めに準備を終わらしておくべきである。受付スペースは開

裏方担当者の役割と必要人数

 演奏会時に表回りの裏方として、受付(もぎり、花束贈答品受付、チケット販売、置きチケット)、クローク、誘導係、ドアマン、連絡係、などがある。舞台袖に待機する人員としてステージマネージャーと舞台へのドアの開閉担当者、花束贈呈係、影アナウンス係が必要である。団によっては楽屋担当者を置くこともある。受付等に必要な人数はホールや集客の規模によって異なる。ホール側から必要人数を指示される場合もある。事前に入念な計画をたてて必要人数を確保しなければならない。演奏会の2か月前くらいから人集

受付等担当者への指示と教育

 事前打ち合わせ、あるいは受付用事前配布資料(受付マニュアル)では、集合時刻および解散予定時刻、集合場所、服装、各担当者の紹介、タイムスケジュール、各仕事内容、お客さんから聞かれる想定問答などについて詳細に説明するべきである。社会人のアマチュアオーケストラでは事前説明会なんて行わないことが通常であるしマニュアルも作成されないことが多い。それは、複数の慣れている人が担当するからである。スクールオーケストラの場合は慣れていない人が圧倒的に多いので事前に詳細な説明をした方が、結局は

裏方担当者の心構え

 「受付担当者はコンサートの顔である。受付の笑顔と挨拶で演奏会の評価が変わる。」私が受付担当者に説明をする時はいつもこの話から説明をする。正直なところ、演奏の音楽的評価を客観的に公平にできるお客さんは少ない。何となくの雰囲気で良し悪しを判断している。そのため、受付などの外回りの評価が演奏の音楽的評価に置き換わってしまいがちである。そうでなくても、受付等担当者の立ち振る舞いが演奏会の印象を決めてしまうものである。もちろん、演奏の音楽的評価だけでなく演奏会としての評価も重要である

演奏会時の楽屋口からの入場者と業者

 防犯のため、事前にホール側へ楽屋口から入場する人と業者のリストを提出する必要があることが多い。残念ながら今でも、「楽屋泥棒」がいる。演奏中は楽屋のセキュリティーが低くなることを狙った窃盗犯罪である。お金が盗まれるなら一人当たり数万円で済むのかもしれないが、楽器を盗まれることもある。そうなると桁違いに被害額が大きくなる。そのため警備員が、楽屋口を通してもいい人物かどうかを判断するために楽屋口から入る人の氏名リストを事前にホール側に知らせておく。そのようなシステムがないホールで

客席設営

 コンサートホールで演奏するのに客席を設営する必要はないが、学校内の体育館や地域の公民館で演奏会を行う時は客席を自分達で並べることになる。客席の設営を知識無しに適当に行うとグチャグチャな椅子並べとなりがちであり、見た目も快適性も悪くなる。少しでもお客さんに喜んでもらえるようにするなら、たかが客席の椅子並べといえども知識と経験が必要である。  幕張メッセや国際フォーラム等でイベントスタッフのアルバイトをすると客席のセッティングについて学ぶことができる。このような場所ではロープ

アンケートの集計

 演奏会のアンケートは重要な情報源である。スクールオーケストラでもほとんどの演奏会でアンケートが行われている。アンケートは何を目的に収集するのかを考えながら行わないと、せっかくのデータが無駄になってしまう。また、アンケートは経年的に連続してとることをお勧めする。1回だけのアンケートではその評価をしにくいが、前年、さらにその前のアンケートと比較することで有意義な情報を得られることが多い。スクールオーケストラの場合、一年ごとに団員が変わるので経年的にデータを蓄積していくのは難しい

ステージリハーサル

 ステージリハーサルはホールのステージ上で行う練習である。スクールオーケストラの1年生は、初めてコンサートホールのステージに上がる瞬間である。緊張と不安が続いている中で行われるものである。ステージリハーサル開始前には緊張と不安でいっぱいであったとしても、ステージリハーサルが終わる頃には本番が楽しみになっているような雰囲気づくりをすることが重要である。ステージリハーサルは普段の練習とは多少意味づけの違う練習であり、下のような事項についての確認を行う練習である。  ・ホールの音