ホールとの事前打ち合わせ
ホールとの事前打ち合わせは演奏会の1か月前から2週間前に行われる。高校生以下の未成年の場合は顧問や教員と打ち合わせに行くことになるはずであるが、大学生の場合は団員のみで行くはずである。団員のみで行く場合、可能な限り初めての人だけで行かないようにするべきである。例えば毎年3年生と2年生がペアで行くようにしてうまく引き継ぎをしていけば、次の年に初めての人だけで行くようなことはなくなるはずである。
事前打ち合わせ時までに提出する資料はホールから指示される。通常は、次のような資料を事前打ち合わせに持っていく。
・事前打ち合わせ用チェックシート(ホールによりないこともある)
・タイムスケジュール
・舞台設営図
・運営スタッフ表
事前打ち合わせ用のチェックシートはホールにより用意されている場合とない場合がある。事前打ち合わせ用チェックシートがある場合、それを埋めていけばたいていのことは網羅されている。
事前打ち合わせで確認する項目には次のようなことがある。
・タイムスケジュール
来場する業者の種類と出入り時刻
演奏者、裏方、お客さんの出入り時刻
舞台設営時間、リハーサル時間、本番の時間
本番中の詳細な進行予定
・舞台設営の図面の確認
・予定しているホール備品の使用について
平台や箱馬などひな壇設営に必要な部材の使用個数
椅子、譜面台、指揮台、指揮者用譜面台、ピアノ椅子、バス椅子の使用数
ピアノ(調律の必要の有無を含む)
照明、録音、音響機器、マイク、看板立て、受付用テーブルetc
・楽屋の使用予定
使用予定の楽屋の場所
楽屋内シャワーの使用予定
・ロビーの使用予定
ロビーコンサート、物品販売、配布物、物品掲示、賛助会等への勧誘etc
・持ち込み予定の主催者側備品について
楽器以外の大きな物、電源を使用する物etc
・ホール側スタッフと主催者側スタッフの役割分担
ステージマネージャーの氏名、各役割ごとの裏方の人数
・車両の出入り時刻と台数
楽器運搬トラック、業者の車、主催者側が必要とする車
・チケットの種類
価格、事前販売、当日販売、主賓招待の有無
・物品販売
・ロビーのバーカウンターの使用の有無
・災害時の避難誘導、災害時公演中止の条件
・お客さんについて
予定入場者数
特別対応(介助)を要するお客さんの予定
遅れてきたお客さんの対応方法
・特別な警備の必要性
有名人が出演するかどうか
お客さんに有名人が来場する予定があるかどうか
・出演者とお客さんの面会の有無
・使用にあたり不明な点
・ホールからのお願い事項、禁止事項の説明
・ホール内の下見(打合せ日にホールが使用されてなく、希望すればできることが多い)
このように多岐にわたる項目について確認が行われる。オーケストラでしかホールを使用しない人にとっては、なぜこんなことまで聞かれるのかと疑問に思うかもしれない。ホールというものはオーケストラ以外にも、吹奏楽、発表会、リサイタル、合唱、オペラ、演劇、講演会、学会、集会など多岐にわたる公演に対応できるよう作られているものである。ホール側担当者としてもオーケストラの公演ならたいていは不問にしてもいいと思っていることでも、様々な使用方法があるので細かく確認せざるをえないのである。
演奏会への準備をしていて不明な点があれば、この事前打ち合わせの時に聞くのが一番である。事前打ち合わせまでに質問事項をまとめておくといい。
ホール内下見は是非した方がいい。事前打ち合わせの日でなくても、ホールが使用されていなければ対応してくれることが多い。ただし、何回も下見することはできないので、1回限りと思っておかなければならない。下見をすれば、図面だけではわからないことも見えてくるようになりイメージがつきやすくなる。特に受付のセッティング方法、搬入口から舞台までの経路、楽屋からステージまでの移動などについて下見をしてイメージを固めておくべきである。事前打ち合わせも下見も、一人で行くのではなく複数人で行くことをお勧めする。