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【ドラマ一人観想戦】作りたい女と食べたい女(第2回)
第2回はもう結論から言っちゃいます!ずばり…
春日さんに惚れちゃう回です。
この私がな笑 わはは!!!
いやいやいやいや、お前のことなんか知らねーし!とか言わないで、ね♡
じゃあ、今回もいってみよ〜!!!
〈勝敗〉圧勝の春日さん(三勝一引き分け)
【先鋒】 誠実すぎ?な春日さん
初回のルーローハンに続き、カレーライス、ミートボールパスタ、オムライスと「作りたい女」こと野本さんは念願の映える料理を次々に作り、「食べたい女」こと春日さんはそれを美味しくいただく、というお互いにWin-Winな関係性を順調に築いていっているように見えます。
ひとつ疑問に思うのは、その食事シーンです。毎度、春日さんだけが食べているのですが、
なぜ野本さんは一緒に食べないのでしょうか。
「一緒にお鍋を空っぽにしてくれる人を探してた」と言っていたから尚更不思議です。
考えられるのは、野本さんの癖にありそうです。野本さんは春日さんが食べているところを見ていたいのです。春日さんの気持ちの良いその食べっぷりを一瞬たりとも見逃してなるものかって感じで、ニヤニヤ…いやニコニコと至近距離で見つめるのです。
いやいや、私なら視線が気になって落ち着かないよ。つ〜か、こっち見んなし!っつって。
ジェンダー問題を描く
その一 経済(雇用形態、給与)
山盛りのオムライスを見事に平らげ、「ごちそうさまでした」と丁寧に合掌、一礼する礼儀正しい春日さん。
それをなんともウットリとろけるような眼差しで見つめ「いえいえ、こちらこそごちそうさまでした(悦)」と野本さん。
野本さんの変態性がちょっぴり垣間見れます。そう、野本さんは変態です。
そして、シーンは続きます。
シーン∶野本の部屋
野本「あ、お茶入れますね」
と準備をしにキッチンへ向かう。
春日「野本さん」
とポケットから取り出した封筒を見せ
「これ、今までの食費です」
と机に置く。
それを聞いた野本さんは同人誌の例え話をして、あくまでも自分の趣味なのでお金はいらないと断ります。
この話を聞いて「確かに、なるほど」と私はけっこうすんなりと納得しちゃいました。私が春日さんの立場だったら「では、お言葉に甘えて」と出した封筒を速攻で引っ込めてしまうような気がします笑
ですが、春日さんは「はぁ」と全然腑に落ちていないご様子。封筒もまだ、机の上に置いてあります。
一旦、封筒の件は保留になります。
そして会話は食費の話から節約の話、物価高の話へと展開し、最終的には「女の給料は上がりにくい」という非正規雇用やジェンダーギャップを感じさせる話題に変わっていきます。
野本さんは派遣社員で、春日さんは契約社員。同年代で同じ女性、似たような雇用形態ということもあり、普段の生活で感じていることを共有します。
その会話を経て、春日さんは「いろいろ踏まえると、やはりこれでは足りないですね」と、野本さんに改めてかかった費用を請求して欲しいと言うのです。本当に律儀な方です。すぐに封筒をポケットにしまった私とは大違いです(恥)
それでも野本さんはその誠意を素直に受け取ろうとしません。「でも、やっぱりお金を出してもらうほどのものでは…」と、謙虚さってやつですかね。
そんな野本さんに対して、春日さんは次のように力説します。
春日「野本さん、労力に対してお金を払うのは、価値を明確にする上でも一番てっとり早い手段だと思うんです。それに、このままご馳走してもらい続けるだけだと、お互いがフェアじゃない気がして、私が嫌です。」
かっけ〜!!!マジかっけ〜!!!
誠実すぎるよぉ〜!!!!
野本「そう?」
春日「だから、お金受け取ってください」
と封筒を野本の方へ押し出す。
えっえっえっ???
野本「では、ありがたく頂戴します」と封筒を手に取り
「これでまた、たくさん作りますね」
春日「楽しみです。たくさん食べます。」
ちょちょちょいのちょーーーーい!!!
なんかおかしくないすか?
こんなの落語でありましたよね。時そばですよ。似てるわ。えっ、春日さん、確信犯???すごっ!
このシーンのおかしさは、今回初めて気が付きました。私もすっかり春日さんに騙されちゃっていました。一本取られたな〜ってやつです!いや〜参った参った笑
【次鋒】 お見事!名探偵で救世主な春日さん
土曜日。食事の約束をしていたのに、生理になってしまった野本さん。
「辛くてなんもやる気がしない」の言葉の通り、取り込んだだけの洗濯物は机に置きっぱなし、食器もそのままだ。
一方その頃、春日さんはというと。
「メニュー考えたら連絡しますね」というメッセージを最後に連絡が来ないことを不思議に思います。
そして、こんなメッセージを送ります。
「具合わるいですか」
「もしかして」
倒置法きたぁ〜〜〜〜〜!!!!!
いや、そこではない。
察知力っすね♡
はたまたシャーロック・ホームズ顔負けの推理力かもしれまへん。
とにかく野本さんの状況を見事に当てちゃうんですもん、スゴイの一言っす!!
それに対し、野本さんは生理中で動けないこと、さらにナプキンや鎮痛剤も切らしてしまったことを伝えます。もちろん、ごはんの準備ができていないことも謝ります。
つーか、ナプキンがないなんて大大大ピンチじゃないですか!そーゆー時って、トイレットペーパーとかで凌ぐしかないっすよね!焦る焦るぅ〜(汗)
すると春日さん、ナプキンと鎮痛剤を買っていきますって、救世主って案外近くにいるもんなんすね。いや、ホントこーゆー時の他人の親切ほどありがたいもんはねぇ!!!
「食べたいものありますか」との問いかけにだけ返信をして、眠りに落ちる野本さん。生理は体力を消耗するのです。
【中堅】 やさと気遣い♡の春日さん
インターフォンの音に目を覚ます野本さん。
ドアを開け、買い出しをしてきた春日さんを招き入れます。
ナプキンと鎮痛剤以外にも鉄分補給できるヨーグルト飲料やプリン、栄養ドリンクの類、エナジーチャージ系ゼリーなどなど大量の差し入れを持ってきてくれた春日さん。やっさ〜♡
「はぁ〜ありがとう…すごい至れり尽くせりで」とその心遣いに痛み入る野本さん。
あと、ドラマとは全然関係ないんですけど「イタレリツクセリ」の使い方のお手本のようなシーンだと思いました。なかなか「イタレリツクセリ」って使う機会ないですよね。使いたいな〜イタレリツクセリデスって。カタカナにするとカタコト感出るね。
朝ドラ「あまちゃん」のGMT47のベロニカの「イナメナイね」のカタコト感。ナツカシーネ。デモカンケーナイネ!
ジェンダー問題を描く
その二 身体(生理)
2人は生理の話をします。
というか、今まで色んなドラマを見てきた中で、こんなシーンはみたことがありません。とっても大切な会話なので、ノーカットで、どうぞ!
シーン∶野本の部屋
食卓に向かい合って座る2人。
野本「春日さんも生理、辛いほうですか?」
春日「私は一日二日ドバっと血が出て終わりですね。生理痛も全く無いです」
野本「い〜な〜。私PMSはそこまで重くはないんですけど、お腹と腰と、あと頭も痛くなって」
春日「あんまり辛いなら、婦人科に行ってみるのはどうですか」
野本「ん〜、私くらいの辛さで行くものじゃないのかなって思って」
春日「その考え、危険だと思います。今は低用量ピルで生理痛やPMSを軽減することができるようですし。一度相談してみると楽になるかもしれません」
野本「確かに…そうですね」
春日「すみません。具合悪いときに考えさせることじゃなかったですね」
やさ炸裂ぅ!!!!
野本さんのことを本気で心配している春日さんの心の温かさと相手を気遣う冷静さが感じられます。すごいなぁ〜。
思い出の味
野本さんがリクエストした食べたいものは、地元である仙台の味なのでしょうか、みそ焼きおにぎりでした。
なぜ、みそ焼きおにぎりなのか。
子供の頃、体調を崩した時にお母さんが作ってくれた、食欲がなくても不思議と食べることができた、思い出の一品だったのです。
「寝てなくていいんですか?」と気遣う春日さんに「なんだか見ていたくて」と、ここでも春日さんを見ようとする野本さん笑
どんだけ見たいねん!!!
春日さんのおにぎり作りを微笑ましく見守ります。
今回は「作りたい女」じゃなく「食べたい女」が自分が食べるためじゃなく「作りたい女」のために作るってのが結構ミソだと思うんですよ。みそ焼きおにぎりだけにね!!
だからこそ、2人で始めて向かい合って同じものを食べるこのシーンはものすご〜く重要な意味を持っていると思うのです。春日さんが一口食べ、続いて野本さんも一口。
野本「美味しい」
春日「美味しいですね」
野本「はい」
尊い!!!
第2回のクライマックス、ここに極まれり!!!
このドラマの一本貫く筋のようなものを描いています。
一緒においしいごはんを食べて、「おいしいね」って言い合う。
ただそれだけのことなのに、なんで見ているこっちまでもが多幸感で満たされるのだろうか!!!
とてもシンプルで簡単そうに思えますが、なかなか自然にはできないからですね。少なくとも私はそうです。
こんな時間が積み重なっていくことが、幸せなのかなぁ〜なんて。
人間にとっての根源的なテーマと言いますか、生きることは食べること、食べることは生きること。それを誰かと共にすること。そんなメッセージが込められているのではないでしょうか。
短いシーンに深い深いものを感じました。
【大将】 他者を尊重できる春日さん
帰り際のちょっとした会話ですが、春日さんの人柄が滲むセリフです。
シーン∶玄関の中
野本「今日は来てくれてありがとうございました。私もしんどいばっか言ってないで春日さんみたいにもっと強くならなきゃですね」
春日「無理な時はどうやっても無理だと思いますよ」
野本「あぁ、そっか。そうですね」
春日「そのままでいいと思います。同じ女性でも違いますから。じゃあ、ゆっくり休んでください」
野本「はい、ありがとう」
一礼して出ていく春日。
はぁ…もう完全にノックアウトですわ…
そして、静かな部屋で机の上のみそ焼きおにぎりを見ながら、こう言います。
「作ってもらえるのも良いなあ」と。
第2回は本当に春日さんの魅力が爆発する回でした。
そして、野本さんだけでなく私(視聴者側)にも気づきを与えるという点において春日さんの存在感はパネェです。
第2回はこころが満たされました〜♡
しあわせだぁ〜♡
お粗末様でした。