心ころころよく笑う
散々散歩 ミシン
ある方から
娘にと
洋服をいただく
あちらには
うちより
少し大きい娘さんが
いらっしゃるようで
袖を通したとも思えないのや
本当に新品のが
忘れた頃に届く
カッコいいの着とるな
そう言うと娘は
○○さんからまた貰った、、と
屈託ない顔
ありがたい
またそんなことがあって
モコモコのブルゾンを
夕食中でも着ている
ありがたい
自室に戻り
私はふと思った
いつの頃からか
"お揃い"
見なくなったな、、と
私が撮った娘は
昔になればなるほど
色違いのお揃いであった
確かに以前妻は
お揃いを2人に
買い与えていた
娘の服を
好んで選んでいた妻の顔が
容易に想像出来た
・
私が入浴中
勢いよく扉が開いて
娘が仁王立ち
そんなことがよくあった
娘は決まって
父親の股間を
まじまじ凝視
あからさま
別に減るもんじゃないから
好きにさせてたが
時折
内股に挟んで隠したり
泡を立てて覆ったりと
モザイク同様の効果
狙ったりもした
娘はニヤニヤ
悪態つきつつ
下から覗き込んだり
シャワー掴もうとしたり
そんなことがあって
少し前のある夜
私は一計を案じた
逆襲
足音を立てず
ドバーン!と扉を開けた
怒号が反響する風呂場
、、を期待していた
しかし娘は
百均の洗面器に湯を満たし
百均の椅子に腰掛け
両腕で胸をひた隠し
半身折って
膝に顔を埋めながら
無言
たまには
父さんだって
いいだろ?
シャワーが
タイルを濡らしてく
目がしみるから
娘は
ようやくそれだけ言った
首から上に
泡はない
長い髪を団子にしてるので
父そっくりの
側頭部が見えた
あぁ、ごめん
私は扉を閉めた
こんな淋しい手が
扉閉めさせた
自室に戻る途中
いつから娘と
風呂に入らなくなったかな?
私は
思い出そうとして
やめた
・
父さんは
6Bの臭いがする
夕食まで
まだ時間があった
なんだい6Bって?
えんぴつ
鉛筆?
HBと何が違うん?
6Bの方が濃い
いや
濃淡じゃなくてさ
父を尻目に
6Bの方が濃い
娘は
もう一度言って
小さくなったランドセルを
手繰り寄せた
・
妻が
今の娘の頃に使った
裁縫箱がある
うちのタマ知りませんか?
私のは
兄のお古であった
なにか模様だけの
味気ない裁縫箱で
同級生の新しいのが
心底羨ましかった
兄が履いてた緑のズボン
そいつを母が
ミシンで裁縫箱用の
手提げカバンに仕立てた
アディダスには
1本足りない2本線の
手提げカバン
そのことを
何十年振りかの同窓会で
旧友に言われた時の
私の心中
・
『鬼平犯科帳』
芦屋雁之助が
坊主頭の按摩役で出てて
私と全く同じ
頭の形であった
両耳から上が
長い台形
娘よ
娘よ
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