見出し画像

目標を達成できる人・できない人-ADHDでもできる目標の立て方と進め方-


まずは、記事を開いてくれて、ありがとうございます!

お正月に「今年こそ○○を達成するぞ」「ダイエットを続けるぞ」「仕事で昇進する!」
などと意気込んだ方も多いかと思いますが、もう1ヶ月以上が経ってしまいましたね。

私自身も、年明けにいくつか目標を立てたのに、気づいたら仕事や日々の雑事に追われてあまり進んでいないことも…。

日が経つにつれていつの間にか忘れてしまう…

ADHDを持っていると、新しいことやワクワクすることにハイパーフォーカスがかかるため、年始の勢いはものすごい。

だけど飽きやすく長続きしにくいので、2月、3月と月日が経つにつれ意欲がしぼんでしまうことが多いです。

今回は、「目標が叶う・叶わないの違いは何なのか」「ADHDの人が特にやってしまいがちな落とし穴」「自分に合った目標の見つけ方・進め方」などをを、お話しします!

じっくり読みながら、「本当に自分にフィットする目標や夢って何だろう?」と一緒に考えてみましょう!


目標が叶う人と叶わない人の違いって?


先日友人や、仕事上で付き合いの深い人など色んな人に、「こんな目標を立てている」「こうして達成した」「全然うまくいかなかった…」という話を伺う機会がありました。

多くの人の話を聞いていくと「うまくいく人」と「うまくいかない人」の違いがだんだん見えてきました。

多くの人の目標設定や達成状況を聞かせていただいて感じるのが、「望みや目標が叶う人」と「叶わない人」が確かに存在するという事実です。

・叶う人:あれよあれよという間に目標に近づき、結果として「それが当たり前」というような顔をしている

・叶わない人:頑張っているのに空回りしていたり、あるいは途中で挫折してしまう

もちろん、「目標を達成できた人が凄い」「叶わなかった人がダメ」という意味ではありません。

それよりも重要なのは、「合っていない目標」を無理やり追うと疲弊するし、向いていない分野だから結果的にうまくいきにくいという構図があります。

■自分の性質に合った目標であれば自然に叶ってしまう

たとえば、ある子どもが「ピアニストになりたい!」と親に言われても、実は本人は実は地道に楽器を練習するのが苦手だったら、その目標は叶う可能性が非常に低いでしょう。

同様に、自分が「〇〇大学に行きたい!」と思っても、どうしても机に長時間向かうのが苦痛で英単語が頭に入ってこないなら、東大や京大のようなトップ校を目指す目標は相当厳しいかもしれません。

こうした極端な例でなくても、自分の性格や特性に本当に合わない目標を無意識に設定してしまうことがあります。

ADHDの人は特に、「周りが当たり前にやっていること」が自分に当たり前にできるとは限らないし、逆に人が苦手なことを自分は得意かもしれない。

ここを押さえずに「とりあえずみんながやるような目標」を立てると、空回りしやすいんですね。


■ADHDの特徴:ゴール設定でありがちな落とし穴

ADHD(注意欠如・多動症)の特性をざっくりまとめると、以下のような傾向があります(人によって度合いは異なります)。

1. 注意散漫になりやすい・集中力が続かない(不注意型)
2. 多動・衝動性が高い(多動型)
3. 興味がコロコロ移り、飽きっぽい
4. 物の管理・時間管理が苦手
5. ワーキングメモリが弱く、タスクを順序立てて処理するのが難しい

こうした要素があると、目標達成において次のような「落とし穴」に陥るケースが多いです。

1.「周りがやっているから」という理由で目標を立てる
• ADHDの人は人並みに合わせるのが苦手な場合が多いのに、目標設定だけは「普通こうするよね」と自分に強制してしまう。
• 結果、モチベーションが湧かずに続かない。

2.ハイパーフォーカスがかかるのは“興味があること”だけ
• いくら「資格を取ろう」と思っても、その分野に全く興味がなければ注意が続かず学習が苦痛になる。
• 一方で自分が大好きな趣味なら時間を忘れて没頭できるが、それを目標化していないと活かせない。

3. 途中で飽きてしまう→「自分は意志が弱い」と誤解する
• ADHD特性で刺激や新鮮さがなくなるとやる気が消えやすい。
• 「続けられない=自分がダメ」と思い込みがちだが、実は“向いてない目標を選んでいるだけ”の可能性大。

■そんなに苦しまなくていい。“ただ向いていないだけ”

このように、目標が達成できないのは「あなたが根本的にダメだから」ではなく、「その目標やプロセスがあなたに合っていないだけ」という見方をすると、とてもラクになるはずです。

• 「あまり走るの好きじゃないのにフルマラソン完走を目指して辛くなっている」 → そもそも走ること自体を楽しめないならその目標は厳しい

• 「お金持ちになりたいと思ってるが、自分にとって稼ぎ続ける過程が苦痛で仕方ない」 → “お金を稼ぐ”というスタイルや方法が自分に合ってないかもしれない

• 「英語の資格試験に合格したいけど英語を勉強しても楽しくない」 → 語学に対する興味が薄い、もしくは学習法が苦痛で合わない

とはいえ、自分が合わないことを無理にやらなくても、似たようなゴールへ向かう“別ルート”があるかもしれません。

たとえば、「走るのは嫌だけど自転車なら好き」という人は、サイクリングのほうが継続しやすいですよね。

同じ有酸素運動でも、手段を変えると楽になることが多いんです。

同じ目標でも手段は色々とある。


自分にピッタリ合った目標って何だろう?


ここで気になるのが、「じゃあ自分にピッタリの目標はどうやって見つけるの?」という疑問です。

大事なのは「あなたが無理なく続けられるもの」「息をするように自然にできること」の延長線上を探すこと。

ADHDの人は特に、「ハマればすごい集中力を発揮する」というハイパーフォーカスがあるので、それを生かせる分野が見つかると自然と目標達成に近づきます。

▼“息をするように当たり前にできること”を洗い出す

「えー、そんなの私にはないよ」
と思う人も多いかもしれませんが、周りから見ると「そこまでできるのすごくない?」と言われるような行動って、意外と自分では気づかないものです。

例:
・人の相談に乗るのが好き → 友人からよく「〇〇さんに話すと気が楽になる」と言われる

・動物が好き→飼っているペットの世話が好きで、動物も見たりするのが好き

・写真を撮るのが好き →友達と旅行に行くとき、上手に写真を撮れるので写真の係を任される

・読書量が多く、内容を覚えやすい → 好きなジャンルに強い知識があり、他人に紹介すると喜ばれる

・ゲーム好きで、攻略を考えるのがたまらなくワクワクする → ゲームでの分析力やコミュニケーション力が優れていて、プレイもうまい。

多くの人は、「趣味」と思っていることを「稼ぐ方法」「夢に繋がる方法」とは結びつけていません。

しかし実際には、得意なこと+それが他人に喜ばれる形でコンテンツ化・仕事化している人は世の中にたくさんいます。

ゲーム実況の配信者も多いですよね

▼「よく褒められること」「好奇心が刺激されること」を手がかりに

ADHDの人は自分の能力を低く見積もりがちで、「これ得意かも?」と感じても「みんなできるんじゃないの?」と自己評価を下げてしまう傾向があるかもしれません。

そこで、素直に「人に褒められたこと」「ありがとうと言われたこと」をリストアップしてみましょう。

例:
• 「書類のデザインめちゃくちゃいいね」
• 「〇〇さんの撮った写真、構図がおしゃれ!」
• 「話を聞いてもらうとホッとする」
• 「企画アイデアがいつもユニークで助かる」

こういったフィードバックがあれば、それは十分にあなたの強みです。そこから目標を考えるのが、自分に合った形で目標を育てる最短ルートといえます。

■ 具体例:向いているものに出会って自然に叶う人々

文章の中にあった例をさらに詳しく取り上げましょう。

自分では「こんなの大したことないよ」と思っていたスキルでも、周囲の目線や社会の需要とマッチすると、思いがけない形で目標や夢が具体化することがあります。

1.  絵やイラスト描くのが好き →イラストレーター
• 普段からスケッチブックにキャラクターや風景をラクガキするのが楽しくて仕方ない人なら、作品をSNSにアップしたり、依頼を受けたりする流れが生まれることもある。

2. 動画撮影や編集が好き → YouTube・映像制作の事業につながる
• 休日に風景を撮影し、BGMやテロップを工夫しているうちに「動画を作るのが楽しくてたまらない」状態になっている人も。 
そこからVlogを投稿したり、知人の結婚式ムービーを頼まれたりして実績を積み、映像制作やYouTubeの道で成果を出す例も珍しくない。

3. 旅好き・プラン立案が好き → 旅行企画&ツアーガイド
• 自分が旅行に行くとき、コスパやルート・見どころを徹底的にリサーチしてみんなに褒められるなら、それは旅行会社に負けない企画力かもしれない。

4. 人の良い所を見つけるのが得意 → キャリアカウンセラーやマッチング支援
• 親しい人の長所や強みを言語化して背中を押す才能があるなら、起業支援や人材紹介に関わる道もありうる。

5. 目利きやセンスで投資する → ビジネスパートナーとのジョイントベンチャー
• さまざまな人の才能を見抜いて支援し、リターンを得る投資スタイルに適性がある人もいる。一般的な投資とは違うやり方で成功する例もある。

結局、「自分では当たり前に思えて、そこまで努力している感覚がないのにスイスイできる」ところこそ、大きな可能性が秘められているんですね。



ADHDだからこその特性を生かしてみる


ADHDの方には「集中力が途切れやすい」「飽きやすい」という弱みがある一方、興味を感じた対象には異常なほど没頭するハイパーフォーカスや、発想の豊かさなどの強みもあります。

「自分に合った目標」はそうした強みを発揮しやすい分野である可能性が高いです。

例:
「仕事ですごく疲れるのに、帰宅後に好きなゲームは平気で6時間やってしまう」
• → ゲーム攻略ブログや動画配信で才能を発揮する人も多い。
• → ゲーム内での企画・運営、コミュニティマネジメントに向いている人もいる。

「片付けは苦手だけど、アイデア出しに関しては天才的に面白い企画をすぐ作れる」
• → 企画職やクリエイティブな仕事を目指すほうが自然。事務作業が苦痛な目標を立てても辛いだけ。

「じっと座っているのが苦手で、外で動き回っているほうが好き」
• → スポーツインストラクター、配達系の仕事、営業職など、体を動かす仕事が向いている可能性大。

もしあなたが「目標を立てても途中で挫折ばかりしている」としたら、もしかすると“自分が得意なこと”の方向を無視しているのかもしれません。

自分の特性(苦手なところ&強み)をしっかり理解し、そこから「苦手を頑張るより、強みを活かして楽しいと思える目標を立てよう」という発想に切り替えてみると一気にラクになります。

■「でも私には大した能力なんかないよ」という声に対して

よく聞くのが、「そんなの大した能力じゃないよ」と自分で自分を否定してしまう人。

たとえば「人と雑談するのが好き」なんて誰にでもできそうとか、「DIYが好きだけどプロにはかなわないし……」など。

その結果、「もっとメジャーな資格を取らなきゃ」「大企業で出世しなきゃ」と自分に合わない方向に走りがちです。

しかし、上にも挙げたように世の中には、「人の良い所を見つけるのが得意 で、キャリアカウンセラーになる」「旅のプランを立てるのが得意で、ツアー企画として事業化」など無数の事例があります。

ADHDの人なら、「自分はやる気がある分野ならものすごくアイデアが浮かぶし続けられる」という強みを持っているかもしれません。

「資格試験が向かない人」は別に無理して資格を取らなくていい。逆に資格がなくても成立する分野(クリエイティブ職や企画・コンサルなど)で成功している人は山ほどいます。

「走るのが嫌いな人」はマラソンで成果を出すのはつらいけど、サイクリングなら楽しめるかもしれないし、水泳だと苦にならないかもしれない。

「組織の中で出世に向いていない」と思うなら、フリーランス的に自分のペースで働く道を模索するのも手です。ADHDの多動性が活きるタイプの仕事もあります。


■ 目標設定を見直す:ADHD流「楽しく続けられるか?チェック」

ここでおすすめしたいのが、「自分のやりたいこと・興味があること」と「世の中や周囲が求めていること」が交わる領域を探すというアプローチです。

特にADHDの場合、

1. 好きor楽しいと思えるか
2. 過程が苦痛ではなく、ワクワクするか
3. 周囲に役立つ形がありそうか(誰かがその成果を喜んでくれるか)

この3つのポイントで「目標」に対してを満たしているかチェックしてみるといいでしょう。

好きじゃないけどお金になりそうな目標は、ADHDの人にとって続けるのが地獄に近いかもしれません。

好きだけど周囲に価値が伝わらないかもと思うなら、どうすれば他人に喜ばれそうかをクリエイティブに考える余地がある。

好き・楽しさを感じる・周囲も喜ぶなら、あなたにピッタリの目標になり得る。

「本当に好きなことや得意なこと」の先に目標を置くと、努力というより自然と没頭してしまう時間が増え、結果的に「気づいたら達成しちゃった」状態に近づくのがADHDの強みなのです。

■叶えたいけど向いてなさそうな目標

とはいえ、「ダイエットしたい」「旅行したい」等といった向いていないかもしれない目標もあるかと思います。

ADHDの方はこれらを目標にしても少し面倒くさいと思ってしまうかもしれません。そうすると先延ばしになってしまい、結局できなかった…。
となってしまう可能性が高いです。

その場合は以下の方法を試してみて下さい。

・友人と一緒にやる、人に見てもらう→自分だけでは続けられないが、誰かがいると強制力が強まり、続けやすくなります。英会話やダイエットなどもパーソナルで付いてもらうと続けやすくなります。

・予め予約してしまう→
予め宿の宿泊予約や飛行機のチケットを取っておくと、強制力が強まり、結果その準備もしやすくなります。

・目標のハードルを下げる→
5キロ走るではなく、5分のジョギングから始めるなど、簡単なものから始めることで、先延ばしをしづらくなります。

・手段を変える→先述しましたが、最初に思いついた手段ではなく、手段を変えることでやりやすくなるかもしれません。
例:ランニングでダイエット→水泳やサイクリング、食事制限でダイエット

手段は色々とあります


まとめ


まとめると、下記のようなポイントになります。

1. 今年の目標が達成できなくても、自分がダメなわけじゃない
• 向いていなかっただけ、あるいは手段が自分に合っていないだけ。

2. “息をするようにできること”“よく褒められること”を振り返ろう
• そこにあなたの強みや自然に続けられる要素が隠れている。
• ADHDなら「興味がある分野へのハイパーフォーカス」を活かせる場所を探すのがカギ。

3. “好き・楽しい・周囲にも価値ある”ならゴールに近づきやすい
• やっていて辛くない、むしろやりたくてウズウズする→継続が苦にならない→結果的に目標に到達する。

4. 自分に合った目標を見つければ必ず叶う
• たまたま今まで掲げてきた目標があなたに合わなかっただけで、あなたがダメなんじゃない。

5.叶えたいけど向いてなさそうな目標
・向いてなさそうな目標は人と一緒に取り組んだり、予め予約したりして強制力を高めたり、ハードルを下げて取り組みやすくする。


目標を設定するなら、「ADHDの私は何に対して興味が尽きないか」「どんな行動をしているときが一番ワクワクするか」を軸に考えるのが近道です。

飽きやすいという弱点は、逆に言えば「退屈なことを延々と続ける必要のある分野は向いてない」と早めに判断できるというメリットでもあります。

そして、その延長線上で「実はこういう形でお金を稼げるかもしれない」「人に喜ばれるかもしれない」という発見をすると、一気にモチベーションが上がるはずです。

最後に


「目標が自分に合っていれば叶う。合わないものは叶いにくい。ただそれだけのこと。」

これは、本当にシンプルな真理です。

ADHDの人は自分のペースや特性を理解し、合ったフィールドで走れば強いことが多い。

もし今の目標がうまくいかないなら、いったん止まって自分を見つめ直す時間を作ってみてください。

必ずと言っていいほど、「あなたが自然とやれて、周りから喜ばれること」があるはずです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今の目標が停滞中だとしても、落ち込む必要はありません。

あなたにぴったりの目標はきっとどこかにあって、そこに気づけば「当たり前」のように叶うものなのです。

ぜひ、自分の性質を受け止め、ADHDならではの強みを活かして、最適なゴールを見つけにいってくださいね

あなたの一年が、そしてこれからの人生が、“心からワクワクできる目標”と共に充実したものになりますように。



下記からLINEを追加していただいた方には有料記事をプレゼント!



MBTIとADHDとの記事も書いています。


仕事術に関する本も好評です!


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集