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【今週の週末ワインごはん】#55 赤かぶの葉・茎をたっぷり詰めたジョージア風野菜パイ「ムフロヴァナ」、牛肉とかぶのステーキ、ブロッコリーとあさりと豆のにんにく炒め、トレビスと人参、りんごのサラダをオレンジ泡で

今週は久々に我が家らしい野菜たっぷりワイン仕様ごはん。年末に夫婦揃って体調を崩し、しばらくこういうごはんは作っていなかったのでうれしい。ワインがすすみました。

◆ムフロヴァナ(ジョージア風の赤かぶの葉入りパイ)

前週に直売所で赤かぶ計4個購入。実の部分は早速大好きな赤かぶ漬けを仕込んだが、立派な葉と茎も美味しく食べたい。

仕込みたての赤かぶ。漬けたてはまだ白いが、数日で真っ赤に染まる。食べ頃は仕込んで10日以上経過後。今年の漬け方は冷蔵で2ヶ月以上美味しく食べられるので、来年以降もこの漬け方で行くつもり。

張りがあって美味しそうな茎と葉。白いかぶの葉や茎と比べて太くてやや固く、辛味がある。赤かぶの茎と言えば長野の「すんき」だが、さすがにあの漬け方は首都圏の一般家庭では…。

一個分は菜飯用のふりかけにし(細かく刻んで塩もみし、少々柔らかくしてからごま油でじっくり水分を抜くように炒めて醤油・みりんまたはめんつゆで味付け)、残り3個分の赤かぶの葉・茎と大根の茎少々、さらに余った白いかぶの葉1個分を刻んで玉ねぎと一緒に炒め、ジョージア風の野菜のパイにしてみた。少し前に見たティムラズ・レジャバ大使のこのポストが美味しそうだったから。

手持ちのジョージア料理本によると、「ムフロヴァナ」には本来赤かぶではなくビーツの葉が入るようだ。ビーツの葉や茎はほうれん草に近い成分だそうで、それならばだいたいの味の想像はつく。でも赤かぶで作るとどうなるんだろう…と興味がわき、試してみた。結果、かなり美味しい。香ばしく焼けた皮とフィリングの相性が良く、泡ワインにもぴったりで、すごく身体に良さそうな、身体が喜ぶ感じの味がする。我が家的には定番として十分あり。

参考にしたのはジョージアよりもどちらかと言うとギリシャの野草パイのつくり方。ギリシャにも様々な野菜や野草を入れて焼くパイ料理があり、一時期凝ったので要領はわかる。フィリングは両国共に青味の野菜+玉ねぎまたはリーク葱+チーズ、生地はジョージアでは発酵させた生地、ギリシャは小麦粉を水と油で練った発酵させない生地といくらか違いはあるものの、かなり似た料理だと思う。イタリアや中国にも似たものがある。
最大のポイントはフィリングの葉類と玉ねぎ、チーズのバランス。玉ねぎもチーズも葉類のくせや青味を和らげ、マイルドにしてくれる。赤かぶの葉は少々くせや辛味があるため、玉ねぎを気持ち多めに使った。入れ過ぎると甘みが勝つので、あくまでバランス重視で。
焼く際にバターを使うのもジョージア流(ギリシャではオリーブオイル)。香り良く焼けるので、ぜひバターで。この焼き方はインドの「パコラ」にも似ていると思った。

≪ジョージア風赤かぶ(本来はビーツ)の葉のパイ「ムフロヴァナ」≫レシピ:1枚分
〈パイ皮〉
・薄力粉:90g
・ドライイースト:1g
・ぬるま湯:50~60ccほど(要調整)
・塩:ひとつまみ
・オリーブオイル、打ち粉:各少々
⇒すべての材料を混ぜ合わせ、柔らかめの耳たぶ程度の固さに練ってひとまとめにし、ラップをかけて暖かい場所で90分程発酵させる(1.5倍程度のサイズになるまで)
〈フィリング〉
・赤かぶの葉と茎:細かく刻んで3個分
・白かぶの葉と茎:同様に1個分
・大根の茎:7cm分
※あった分を適当に混ぜて使ったので、赤かぶの葉・茎だけでも、白いかぶの葉・茎だけでもOK。大根の茎は辛味が勝ちすぎるため、単独で使うのには不向きかも。大根葉を入れれば美味しいと思う。
・玉ねぎ:小1/2個分(縦半分に切って薄くスライス)
・チーズのすりおろし:適量(今回は手持ちのペコリーノを大さじ2ほど使用。本来リコッタやフェタチーズだが、パルミジャーノやカッテージでも)
・無塩バター:小さじ2程度
⇒刻んだかぶの葉類は軽く塩もみし、柔らかくしてから玉ねぎと共にオイルで炒める。水分が飛び、かさが減るまでしっかりと。炒め終わったらチーズを加え、塩(チーズの塩分もあるので控えめに)・こしょうで味を調える。ディルやコリアンダーを加えても美味しい。

発酵させた生地を打ち粉をした台にのせ、麺棒でやや大きめの円形にのばし、粗熱のとれたフィリングをのせて包む。肉まんやあんまんを綴じる際の要領で上をつまんでひだをとりつつ留めて行く感じ(この後のばすのできちんと綴じなくてもOK)。これを再度麺棒で、隅々にまで具が均等に行きわたるよう薄く平たくのばす。お好みの厚さ・大きさで。私はより香ばしくしたかったのでできるだけ薄く、直径28cmぐらいにのばした。
バターを敷いたフライパンで両面こんがり焼いて完成。

お肉ともぴったりです

これはかなりアレンジがききそうな一品。次はビーツの茎で試してみたい。

◆牛肉とかぶのステーキ

かぶを焼いて食べるのが好きで、写真を見て一目惚れ。かぶの時期には毎年繰り返しつくっている。元レシピは「きょうの料理」。

◆ブロッコリーとあさり、豆のにんにく炒め

茹でたブロッコリーをアーリオオーリオで炒め、あさりと豆(キドニービーンズと青えんどう。ひよこ豆やレンズ豆でも)を加えた一品。この具でパスタにしようか迷ったが、どうも食べ切れなそうなのでそのまま一品とした。パンによく合って美味しい。ブロッコリーとあさりは相性の良い組み合わせ。アンチョビを入れても。

◆トレビスと人参、りんごのサラダ

ほろ苦いトレビスも見つけるとよく買う野菜。焼いたりパスタに入れたりすることが多いが、サラダが食べたくてりんご・にんじん・くるみと合わせて人参ドレッシング(にんじん・玉ねぎのすりおろし、みりん、醤油、こしょう、オリーブオイル)でよく合えた。この人参ドレッシングがトレビスにぴったりで、おそらくトレビスだけでも十分満足。上に少しだけブルーチーズとフェタチーズを散らした。

本日のワインはカーブドッチの泡。頒布会を通じて赤・白・ロゼはほぼ常備しているが、オレンジが届いたのはたぶん初めて。飲みごたえのあるしっかりタイプで、早飲みにならず良い感じ。

この後少々飲み足りなくて山形で買ったハーフボトルの赤もつい…。
調子に乗りました。ごはんが美味しかったから。

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