【今週の週末イタリアン】#52 余りがちなカリフラワー、ブロッコリーの葉っぱをオリーブオイルで煮て美味しく「カリフラワーの葉と黒目豆の煮込み」、馬肉のブラチョーレ、菊芋のロースト、余り野菜のミネストローネ
カリフラワーやブロッコリーが好きで、旬の冬には主食のようにもりもり食べる。
カリフラワーは大ぶりにカットして煮て食べるスープ、ブロッコリーはレンチンしたのを粗く刻んでオムレツにし、ケチャップをつけて食べるのがいちばん好きな食べ方で、当然ながら頻繁にこれらの野菜を買うのだけれど、野菜室で場所を取らないよう最初に茎や葉を切り離して保存する。
茎はまだ比較的柔らかく、皮の特に固い部分を除けば花蕾と一緒に使えるが、葉は筋張っていて固く、一緒には使えない。細かく刻んで煮込めば気にならない固さではあるのだが、この葉の部分を主材料にできないか??と調べたところ、イタリアやギリシャ辺りではたっぷりのオリーブオイルで蒸し煮されたりするようだ。そういえば固いケール系の葉野菜もオイルで蒸し煮されるのをよく見るし、私もカリフラワーに水とたっぷりめのオイルを加えて煮るストゥファートをよくつくる。オリーブオイルには野菜を柔らかくする効果があるそうで、この調理法は確かに野菜が美味しく、柔らかく煮えるのだ。
という訳で試してみた。
葉だけだとなんとなく物足りない気がして豆と一緒に煮込んだところ、味わい深くてとても美味しい。キャベツの外葉にちょっと似た感じのカリフラワーやブロッコリーの葉と豆の風味がよく合って、パンにぴったりのおかずになる。もちろんワインにも。
◆カリフラワーとロマネスコの葉(ブロッコリーでも)と黒目豆のオイル煮
見た目は地味だが、私はかなり好きな味。
最初に少量の玉ねぎ(1/8〜1/6個程度)とにんにく半かけを粗みじん切りにして炒め、ここに食べやすい太さ・長さに切ったカリフラワーやブロッコリーの葉を加えて炒め、トマトの缶詰少々(トマト味にしたい訳ではないので少しだけ。大さじ1〜2程度)と、別途茹でておいた黒目豆と茹で汁も適量加えてひたひた程度に調整。やや多めのオリーブオイル(大さじ2〜3は加える。どぼっどぼっ、ぐらい)を加え、塩ひとつまみを振って蓋をし、煮立つまでは中火、煮立ったら弱火で葉が柔らかくなるまで15分程度煮、塩こしょうで調味。味を引き締め、すっきりさせたい時には白ワインビネガーを少量加えても。
オリーブオイルには、一緒に煮ると野菜の繊維を柔らかくする効果があるようだ。塩とオイルで優しい味にまとまり、心和む一品。豆はひよこ豆や金時系のうずら豆、とら豆等でも美味しいと思う。
◆馬肉のブラチョーレ(ハーブ・チーズ巻き煮込み)
我が家は馬肉が好きで、専門店にも食べに行くし馬肉もよく買う。イタリアでも馬肉を食べられていると知り、どんな調理法でどんな味になるのか興味がわいて、すき焼き用の馬肉の残りで試してみた。
ブラチョーレはインボルティーニの南部での言い方だそうで、これはイタリアの靴のかかと、プーリア州の料理。プーリアをはじめとしたイタリア南部の料理は好きで、レシピ本を数冊持っている。
薄切り馬肉にハーブ(イタリアンパセリ、ケイパー)とチーズを巻き込み、スライス玉ねぎと共に焼き付けて赤ワインを注ぎ、アルコールを飛ばしてトマトでじっくり煮込む。
これが馬肉ならではの風味と驚くほどよく合い、まろやかに一体化されて実に美味しい。今回使ったのは赤身だが、少し脂のある部位の方がよりまろやかに、美味しくできるかも。
◆菊芋のロースト、ほっけフライ添え
ほっけのフライ(わりと好き)はスーパーで買って来たもの。馬肉が少量しかなかったので一品足したくて、付け合わせに菊芋をロースト。
洗って水気をふき取った菊芋にオリーブオイルとすりにんにくをまぶし、アルミホイルに並べて塩を少量振り、両面グリルの中火で8分ほど焼いた後、そのホイルに包んで余熱で蒸らすと適度なカリッ&ほくほく感に。
ほくほくと言っても、じゃがいもやさつまいものような芋類というより、にんにくをホイル焼きにしたに似た独特な食感でなかなかに美味しい。オーブンよりもグリルの方が早く焼けるので、私はグリルで焼くことが多い。ハーブや他のスパイスを使ってももちろん美味しい。
◆余り野菜のミネストローネ
冬になると余り野菜を少しずつ入れてよくつくるミネストローネ。感覚としては余り野菜をなんでも入れる豚汁の肉抜き洋風版。あっさりしているので何にでも合うし、たくさん食べられる。薄めの塩味にするため、きつい味の材料は入れないのがコツと言えばコツかも。
必ず入れるのは玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、キャベツ、トマトで、全て1〜1.5cm角ぐらいに切って鍋へ。あとはかぶやかぶの葉、カリフラワー、ロマネスコ、ブロッコリー(茎も入れると美味しい)、パプリカあたりも入れると美味しい。大根や白菜もOK。何らかの茹で豆も推奨。この日はひよこ豆。材料を入れたらひたひた程度の水と缶詰のトマト(生のトマトでももちろん良い)大さじ2程度、あればパルミジャーノの皮、なければオリーブオイル大さじ1程度を加えて蓋をして煮込み、微量の塩で味を整える。
食卓の料理が冷めるのが早くなってきたので、保温プレート作動。温度調整もできるのでとても便利。慣れると手放せなくなります。
なんと明日の夜は関東でも初雪の予報だそうで、皆さんあったかくしてお過ごしください!