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42歳一独身公務員の旅行記(国内編)

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#エッセイ

42歳一独身公務員の回想記「夕暮れ早稲田南門通り早稲田どらま館」

42歳一独身公務員の回想記「夕暮れ早稲田南門通り早稲田どらま館」

 あの日。ちょうど20年前。22歳の頃。
 僕は3度目の受験でついに志望大学に合格し、三年次編入を果たした。そして大阪から上京した。

 3月25日、入学式の少し前に僕は東京荻窪にあるアパートに入居した。六畳一間で家賃は65000円だった。大学で役者をしたい、あわよくばプロになりたい。そのために就活をせず東京の大学に三年次編入したのだ。
 夢にまで見た東京生活が始まった。僕は青春真っ只中で、希望し

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42歳一独身公務員の旅行記(静岡編)「静岡のヨロコビ」

42歳一独身公務員の旅行記(静岡編)「静岡のヨロコビ」

3月末。今学期が終わり、新学期までの束の間の時間。(僕の職業は教師なのだ)
僕はこの時ばかりは有給休暇を取り、半ば強引に旅行にでかける。強い意志をもってでかける。若かりし頃にはそれで先輩にキレられたこともあった。しかし、一体これは誰の人生なのか。先輩のご機嫌をとる人生なのか。いや、違う。これは僕の人生なのだ。

今年も旅行にでかけた❗️一年に一回会う、30年来の友人K(男、彼も独身)と共に。

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42歳一独身公務員の旅行記(東京編)①「ロスト・イン・トーキョー」

42歳一独身公務員の旅行記(東京編)①「ロスト・イン・トーキョー」

それで僕は東京にいる。東京のど真ん中の、JR新橋駅のSL広場にいる。

友人の田宮(仮名)は俳優をしていて、彼が舞台にでる、というので大阪から東京にやってきたのだ。1泊2日で。で、観劇後に新橋に来たのだ。

田宮は、僕がまだ役者志願だったころ、とある演劇のプロデュース公演で共演したことをきっかけに仲良くなった。
ボクシングを題材とした舞台だった。田宮はお金持ちの両親から超過保護に育てられた、世界最

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42歳一独身公務員の旅行記(京都編)①「四条通りに哀愁の雨が降るのだ」

42歳一独身公務員の旅行記(京都編)①「四条通りに哀愁の雨が降るのだ」

某月某日、日曜日。この日は日曜参観だった。(僕はとある町のとある学校で先生をしているのだが)
午前中に無事参観授業を終え、午後の会議も終え、その後公開授業の指導案作成も一通り終え、ヨロコビの瞬間はやってきた。

「お疲れ様でした!」
挨拶をし、校門をでて僕は駅に向かって疾走を始めた!!
「やった!!終わった!仕事が終わった!!」
そう、僕は束の間仕事から解放されてー 今から京都に小旅行に行くのだ!

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