自転車を撤去されて気づいたこと
こんにちは。
実は今朝撤去された
自転車を回収しに行きました。
3日間最寄り駅に放置していたら
跡形もなく消え去っていたんです。(笑)
それで焦って調べてみたら
「保管所」というのがどうやら
あるらしく…
交通の便が悪く
家から30分以上かけて
向かいました。
なんせ僕のメインの武器である
自転車はもう手元にはありませんからね…。
それはさすがに長くて暇だと思った僕は
仲のいい家の近くの友達を
誘って二人で歩くことにしました。
付き合わせただけですね。(笑)
保管所につくと、
そこには年の取ったおじさんが二人
座っていました。
ザ住宅街の一角に広い敷地が構えられていて
そこにはたくさんの自転車が停められ
高いフェンスで囲われているのが見えました。
日曜日の昼なのに、
人の気配はなく静まり返った
住宅街に二人のおじさん
がぽつんとたたずんでいたわけです。
彼らは保管所と一般道を隔てる関所のような
建物の中に二人で暇を持て余していました。
僕が来るのを確認すると、
けだるそうに立ち上がり
「撤去自転車ですか?」
というのです。
「そうです。白い自転車です。」
そう答えました。
そして僕はその自転車を
保管してもらった費用として
3000円を払いました。
これを見ていた友達は
「なんで3000円も払うんだよ。
じじいマジでいらねえ。」
などと文句を並べ立てていました。
僕の事なのにそんなに腹を立てなくてもいいのに
と思いながら、ふと思ったのです。
**こういう社会インフラの仕事って
どうなってるんだろう?**
どうなっていくんだろう?
僕はたまたま少子高齢化の本を
たくさん読んでいてそのおじさん二人を見て
もしこの撤去の仕事が人手不足などで
なくなったらどうなるのか不安になりました。
日本はきれいな国で知られていますが、
こういう仕事ありきで保たれているのではないか
と思うわけです。
しかし友達はそんなことは
微塵も思っていないようで
ただ感情のままに言葉を口にしていました。
僕はこの状況を冷静に見て
「知識の大切さ」を感じました。
僕たまたま少子高齢化についての知識を
少し持っていました。
結果として、この「保管所」を見た
感想が不満ではなく不安でした。
不法に放置された自転車を
片付ける人手のない社会。
ゴミ、車、傘。
家ですらも”ゴミ同然”になる時代が
来るとの予想も出ています。
そんなスラム社会の兆しを
垣間見た気がしたのです。
同じものを見ても、
こんなにも捉え方が違うんだなあ、
と少し身震いがしました。
僕よりも思考力、知識、想像力が
優れている人の目にはこの「保管所」は
どう映るんだろう?
そんな人はおじさんに
どんな声をかけるのだろうか?
そんな人は日本をどう見ているのだろうか?
僕にはおじさんに心から
「ありがとうございました」
と言うことしかできませんでした。