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言葉となかよくなりたい

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言葉ともっとなかよくなるために、言葉のいいところを探したり、意外な一面を見つけたり、時には嫌な部分を見てしまったり。言葉に関する思いや気づきをとりとめもなく書いていく試み。
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#言葉の力

砂漠の花

「砂漠には、強い風に吹かれて飛んできた草や花の種がいっぱい詰まってるそうです。だから何かのかげんで雨が降ると、その雨雲の下だけ、それは様々な植物が一斉に芽吹き花をつけるそうです。一見、味気ない日常生活の中にも、思いもよらぬ宝物が詰まっているものです」

脚本家の木皿泉の言葉だ。この人(正確には夫婦ユニットなのでこの人たち)は読む人の頭の中に、ぐわっとイメージを生む言葉の名手だなあと改めて思う。

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それしかないわけないでしょう

またしてもヨシタケシンスケさんの絵本の話。面白いんだからしょうがない。

「それしかないわけないでしょう」は、ある女の子が、当たり前・常識と思われてるものごとに対して「それしかないわけないでしょう!」と言いながら、思ってもみなかった可能性を見つけていく話だ。

例えば「はけなくなった長靴は捨てるしかない?」「植木鉢にしちゃえばいいじゃない!」

「かけっこが苦手だから一等賞はあきらめるしかない?」

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好きな詩があるということ

学生の時は国語の授業で習うので、心に残っている詩はいくつかあった。

三好達治の「土」、吉野弘の「I was born」「夕焼け」など。

でも大人になってからは詩に触れ合う機会も減り、子供の頃に習った詩に再会したとしても「懐かしいな」にとどまっていた。

小説はたくさん読むのに、詩を読む機会はほとんどなくなっていた。

そんな時、木皿泉脚本の「セクシーボイスアンドロボ」というドラマで、黒田三郎の

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占いの言葉に縛られる

占いは結構見る方で、sayaの星占いとか石井ゆかりの筋トレなどを定期的に見ている。

本気で信じるというより「ほうほう、そういう感じね」とライトに楽しむエンタメとして。

最近「誕生日占い」が当たるらしいという話を聞いてやってみた。「まあまあ当たってるかなー。でもここは違うなー」とライトに楽しんだ。

その後しばらく経ってから、色々あって普段の自分だとあまり考えないことを考えてることに気づいた時「

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ヘミングウェイの最高傑作

ある夜、酒場でヘミングウェイが飲んでたら「あんた作家だろ?じゃあ単語六つで物語が作れるか賭けをしようじゃないか」と持ちかけられてつくったのが

For sale: baby shoes never worn

(売ります 赤ちゃんの靴 未使用)

と言う物語で、見事賭けに勝ったそうだ。

ヘミングウェイは、後に自分の最高傑作はこれだと言っていたらしい。

もちろんヘミングウェイはすごい(当たり前だ

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