MOMATコレクション 東京国立近代美術館
東京国立近代美術館の常設が展示替えになってましたので次の企画展が始まる前に訪問。晴れた週末でとても気持ち良い天気でした。そして、たまたまですが無料観覧の日でした!
無料観覧日ですが、いつもより少し多いくらいの混み具合。ベビーカーで来てる欧米ファミリーもいたり、トーハクのように今後さらに海外の方も増えるかもですね。
今回も充実のラインナップですが、次の企画展『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアートコレクション』に向けて、いつにも増して気合が入ってる感じがしました。ピカソやベーコンも出てましたし。
今回良かった&意外さを感じたのが、速水御舟の《京の家・奈良の家》。
御舟の作品は山種美術館でしか見たことないのですが、これほど柔らかい作品もあるのですね。左側の《奈良の家》が特に良くて、淡い緑色の空に、真っ白な三角屋根の白壁と黄色の小さな屋根とが合わさって顔っぽくなってます。そして屋根の上には二羽の鳩さん。(瓦のデザインかも?)
1927年の作品なので《炎舞》の2年後で、かつ《名樹散椿》の2年前の作品。3作品とも全く異なる画風で新鮮。
自分が好きな御舟語録を思い出します。
短いサイクルで画風を変え、それぞれの画風を極めていったのは凄い。何度も登り返すのは並大抵の努力ではできないでしょうね。
そして鏑木清方の《初冬の冬》。
今回はこれを見に来ました。
毎回思うのですが、清方の絵って他の日本画と比較してずば抜けて色使いが繊細で、鮮やかさと爽やかさが合わさった感じがするのですよね。なのでずっと見ていられる。
日本橋にあった、鶴藤家の芸者・小菊さんがモデルということですが、《築地明石町》のモデル・江木ませ子氏もそうですが、清方のモデル選びのセンスって抜群ですよね。只の美人でなく、内なる美と芯の強さを持っているような。
その他、特に良かった作品。
いつもの戦争記録画のコーナーでは、伊東深水が海軍の報道員として訪れたインドネシアのスケッチが。約4ヶ月も現地で描き続けたようです。その数400点。
猪熊弦一郎の大作もあり。12000人以上の犠牲者が出たと言われるタイービルマ間を結ぶ鉄道敷設を描いた作品。戦争賛美ではなく反戦を感じる。
最後に二階の外で皇居方面を眺めながら、平和な日々に感謝。但し歴史を忘れちゃいけないなと。
帰りにショップで「名品選 東京国立近代美術館のコレクションより」を購入。厳選された63点が高画質で収録。国内作家は狩野芳崖から奈良美智、海外作家はセザンヌからベーコンまで。
これでいつでも自宅でMOMATコレクション、しようかと思っております。