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宮沢賢治が綴った銀河鉄道が走る幻想世界をとじ込めて。星々の世界にひたる手作りせっけん #星の世界 ④
文豪・宮沢賢治が『銀河鉄道の夜』に綴った、息をのむほどに美しい星々の世界をほんとうに手に取ってみたくて、唯一無二のせっけんを作りました。
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みなさま、こんにちは!
歴史と読書が好きなミュージアム部プランナー・ささのはです。
みなさまは『銀河鉄道の夜』という物語をご存じでしょうか? きっと多くの方が読んだことはなくとも名前だけは知っていたり、「綺麗な夜空を汽車が走るあれだよね」というイメージを持っているんじゃないかしら?と思います。
そしてそのイメージ、大体合っております! みなさまが想像されている通り『銀河鉄道の夜』は、二人の少年・ジョバンニとカムパネルラが不思議な汽車に乗り、美しい星々の世界を見てまわる物語なのです。
銀河鉄道に乗車した少年たちは雄大な旅路を通して「他者のほんとうのさいわいのために、自分たちが出来ることは何か考える心」を得ます。彼らの思い悩む姿には、生前賢治が説いた「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という思想が強く反映されており、筆者の想いに親しみたい方にオススメしたい物語のひとつです。
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ちなみに、彼らの旅がどのような終わりを迎えたかをご存じの方は、どのくらいいらっしゃいますでしょうか? 実はジョバンニはラスト一歩手前のシーンで、目の前に座っていたはずの親友・カムパネルラを突然見失ってしまいます。そして……。
ジョバンニは眼をひらきました。もとの丘の草の中につかれてねむっていたのでした。胸は何だかおかしく熱り頬にはつめたい涙がながれていました。
まさかの夢オチ……!?
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いいえ、そこは日本が誇る文豪・宮沢賢治! 話の最後はここから更に怒涛の展開へと向かいます!
「ザネリがね、舟の上から烏のあかりを水の流れる方へ押してやろうとしたんだ。そのとき舟がゆれたもんだから水へ落っこったろう。するとカムパネルラがすぐ飛びこんだんだ。そしてザネリを舟の方へ押してよこした。ザネリはカトウにつかまった。けれどもあとカムパネルラが見えないんだ。」
なんと先ほどまでジョバンニが一緒に旅をしていたはずの親友は、友人を助けようと自らの危険を顧みず川へと入り、行方知らずになっていたのです。彼は物語の中ではついに見つかることはなく、みなが彼の生存を諦めきれない中、親友と星々の世界を旅したジョバンニは「カムパネルラはもうあの銀河のはずれにしかいない」とひとり考えるのでした。
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私が初めて『銀河鉄道の夜』を読んだ時、ジョバンニたちが銀河鉄道に乗って巡った夢のように美しい世界に夢中になったことをよく覚えています。そして同時に、カムパネルラの行く末に大変な衝撃を受けまして……。若干ダメージを引きずりながら大人になり、ものづくりをする人になった今、やはり思うのはただひとつ。
星々に彩られたあの幻想世界をテーマに、かけがえのない友人同士の別れをほうふつとさせる儚い商品を作りたい……!
そんな想いからついに選びだしたのが、水に溶けていつかは消えるアイテム「せっけん」。『銀河鉄道の夜』に描かれた息をのむほど美しい情景を、ひとつひとつ丁寧にとじ込めてみました。
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ミュージアム部 泡沫の夢をとじ込めて
宮沢賢治著『銀河鉄道の夜』の情景せっけんの会
月1個 ¥1,800(+10% ¥1,980)
※1個だけ(1ヵ月だけ)の購入も可能です。
※詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご確認ください。
それぞれのシーンをほうふつとさせる、手作りせっけん4種。さっそくラインナップをご紹介します!
〈銀河ステーション×しらしら亘る天の川の香り〉
そしてジョバンニはすぐうしろの天気輪の柱がいつかぼんやりした三角標の形になって、しばらく蛍のように、ぺかぺか消えたりともったりしているのを見ました。それはだんだんはっきりして、とうとうりんとうごかないようになり、濃い鋼青のそらの野原にたちました。いま新らしく灼いたばかりの青い鋼の板のような、そらの野原に、まっすぐにすきっと立ったのです。
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〈銀河ステーション〉は、主人公が不思議な汽車に誘われ目にした天の川や三角標をイメージしたデザインに。ジョバンニが突如迷い込んだ、美しい幻想世界が目の前にぱあっと広がる様を表現しています。
見た目だけでなく、もっと五感で作品世界を味わいたい……、そんな思いから、せっけんにはモチーフにした情景から連想した香りを付けてみました。液状の香料をしっかり量ってせっけん生地に混ぜ込みます!
〈銀河ステーション〉デザインは星々に彩られた世界をイメージして、宇宙のにおいともいわれるベリー系の香りにしてみました。
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〈はくちょう座と鳥を捕る人×ぽくぽくお菓子の香り〉
「鷺を押し葉にするんですか。標本ですか。」
「標本じゃありません。みんなたべるじゃありませんか。」
「おかしいねえ。」カムパネルラが首をかしげました。
「おかしいも不審もありませんや。そら。」その男は立って、網棚から包みをおろして、手ばやくくるくると解きました。
「さあ、ごらんなさい。いまとって来たばかりです。」
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〈はくちょう座と鳥を捕る人〉は、白鳥の停留所と桔梗いろの空から舞いおりる鷺をイメージしたデザインに。ゆったりと翼を広げるはくちょう座と、群れを成す鷺たちの残像をイメージしたパーツで、緩急ある豊かな表情を生み出しました。ジョバンニたちが鳥を捕る人から受け取った「お菓子のように美味しい鳥」をイメージした、嗅ぐだけで思わずほおがゆるむような、甘くやさしい香り付き。
〈さそりの火×すきとおった奇麗な風の香り〉
どうか神さま。私の心をごらん下さい。こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはまことのみんなの幸のために私のからだをおつかい下さい。って云ったというの。そしたらいつか蝎はじぶんのからだがまっ赤なうつくしい火になって燃えてよるのやみを照らしているのを見たって。
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〈さそりの火〉はまことのみんなの幸を祈り、まっ赤な美しい火となって燃える蠍をイメージしたデザインに。ジョバンニが窓から見た音もなく燃える大きな火と、蠍の腕や尾を示す三角標のパーツを、ひとつひとつ丁寧に並べました。桔梗いろの天に吹く「すきとおった奇麗な風の匂い」をイメージした、美しい薔薇を思わせる華やかな香り付きです。
〈サウザンクロス×天上へ行くところの香り〉
「だからそうじゃありませんか。わたくしはあなた方がいまにそのほんとうの神さまの前にわたくしたちとお会いになることを祈ります。」青年はつつましく両手を組みました。女の子もちょうどその通りにしました。みんなほんとうに別れが惜おしそうでその顔いろも少し青ざめて見えました。ジョバンニはあぶなく声をあげて泣き出そうとしました。
「さあもう支度はいいんですか。じきサウザンクロスですから。」
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〈サウザンクロス〉は、たった一人の、神々しい「白いきものの人」が待つ天上をイメージしたデザインに。青やオレンジ色の光をちりばめられた白く輝く十字架と、環のように見える青じろい雲をせっけんの中に表現しました。みんなの声が明るく楽しく響き、さわやかなラッパの音が響く「つめたいそらの遠く」をイメージした、すがすがしく穏やかな香り付きです。
賢治が綴った星々の世界を表現したこちらのせっけん、おすすめポイントは見た目や香りだけではありません! 純植物性油脂から作った石けんをベースに保湿成分グリセリンを加えたやわらかい泡で、みなさまのお肌をしっとり洗い上げます◎
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ジョバンニとカムパネルラがそうしたように、『銀河鉄道の夜』の情景を車窓として楽しんでみたい……。そんな願いから、せっけんを入れるとまるで列車の窓から星空を眺めているように見える特別なデザインの箱を作りました。そのまま飾っても絵になる美しいパッケージは、大切な人への贈り物にもぴったりです。
気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、ジョバンニの乗っている小さな列車が走りつづけていたのでした。ほんとうにジョバンニは、夜の軽便鉄道の、小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、窓から外を見ながら座っていたのです。
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色柄の出方にひとつとして同じもののない『銀河鉄道の夜』のせっけん。
技術確かな日本の工場で、せっけんのデザインを構成するパーツを含めすべて職人の皆さまの手で一点ずつ手作りしています。
ご覧ください、まるでお菓子のように可愛らしいこのパーツを……!
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文豪が夢見た星々の世界を、日本で活躍する職人の技でとじ込めた、世にも美しいせっけん。いつか泡になって儚く消えるその時まで、どうかお手もとでお楽しみください。
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ミュージアム部 泡沫の夢をとじ込めて
宮沢賢治著『銀河鉄道の夜』の情景せっけんの会
月1個 ¥1,800(+10% ¥1,980)
※1個だけ(1ヵ月だけ)の購入も可能です。
※詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご確認ください。
『銀河鉄道の夜』の物語に触れて、星々の世界をもっと知りたくなったみなさま! 星の魅力を楽しみながら学べる施設としてミュージアム部がイチ押ししたいのが、全国5か所(有楽町・押上・池袋・横浜・名古屋)にて展開中の「コニカミノルタプラネタリウム」!
「コニカミノルタプラネタリウム」は、ミュージシャンとのコラボ作品やアロマが香るヒーリング作品など、こころきらめく星空エンタテインメントを上映しているプラネタリウム施設です。
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各プラネタリウムに併設されているショップ・Gallery Planetariaにて、ミュージアム部がお送りする「星の世界」をテーマにした商品(一部)を7月中旬より取り扱い開始します! みなさま、お近くのコニカミノルタプラネタリウムとショップに、是非この機会に足をお運びください♪
※「泡沫の夢をとじ込めて 宮沢賢治著『銀河鉄道の夜』の情景せっけん」は、フェリシモ通販のみでのお取り扱いとなります
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代表施設:コニカミノルタプラネタリアTOKYO
東京都千代田区有楽町 2 丁目 5-1 有楽町マリオン 9 階
開館時間 10:30 から 21:30 まで(チケット窓口、ショップは 20:40 まで)
※最新の情報、上映スケジュールやカフェの営業時間は公式 HP でご確認ください。
※上映時間は季節により変更する場合があります。
※上映プログラム内容は時期によって入れ替わる可能性がございます。
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~製造現場を訪ねて~
息をのむほど美しい世界をとじ込めたい。そんな想いで生まれた『銀河鉄道の夜』の情景せっけん。夢のようなデザインをその技術力と情熱で表現してくださった株式会社リンクラインさんを訪問しました。
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リンクラインは、障がい者の社会的な自立を目指し、働く喜びをともに分かち合うために設立された会社です。機械では真似のできない、思わず「これが石けん?」と口をついて出るようなサプライズ感と、フォトジェニックな可愛らしさがある商品作りが大得意のメーカーです!
自社ブランド「li'ili'i(リィリィ)」®では企画・制作・ラッピング・販売までの全工程を担当しているのだとか……! ひとつひとつの仕事にやりがいと情熱を持ち、楽しみながらものづくりに取り組む様子を拝見し、私も企画をする一人の人間として本当によい刺激を受けました!
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見学させていただいた中で一番印象に残っているのは、パーツをすべて並べ終えたところにマイカ入りの透明ソープを流しこむ過程。
ものによっては流し込むソープが熱すぎて、パーツが耐えられず溶けてしまうこともあるのだとか……! もしもそんな事になったら、今までの努力が水の泡……><
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ただ見ているだけの私も、思わず息を止めてしまうほどの緊張感……。
しかし、さすがの職人さん! 完璧な温度調節と慎重な流し込みにより、パーツはもちろん無事! 丁寧な手仕事を見せてくださいました!
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せっけんがお手もとに届いたら、その職人技をじっくりとご覧ください♪
記事内の作中文章引用元:
①宮沢賢治(1934)『銀河鉄道の夜』青空文庫より
②宮沢賢治(1968?)『農民芸術概論綱要』青空文庫より
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