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なんにもない空の下で、むーやんはすっかり地球が好きになりました。 どちらを向いても花が笑…
夜ふけの台所はふしぎの国。 ひるまはむっつり屋の野菜や果物が、ひそひそ、ざわざわ。 心を…
めぐみ深い太陽の翼も届かない谷底でした。 そこに、紅しじみよりも小さな花がひとりぽっちで…
雨あがりの森に光がかえってきました。 木の葉という木の葉はぬれそぼち、しらじらあけの朝日…
――アキカン―― オレはアキカン。 工場のチームリーダーからつけられた、なさけないあだ名だ…
外は雪ね。 あれから三か月。 ずっと返信しなくてごめんなさい。 あの夜のこと、月子はもう、…
里山のふもとに大きな木がすっくと立って、影を落としています。 晩秋の木は、ほんの二三日まえまで、ひとつの静かな炎のようでした。 そんなうつくしい色づきも、さかりはつかのま。 木の葉は風もないのに、はらはらと散ってゆきます。 ひとたびこがらしが吹こうものなら、いっせいに舞い散って、親木の根もとに折り重なります。それがまた一陣の風に飛ばされたり、輪をなして舞いあがったりしています。 そのようすを高枝から見おろす一枚の葉っぱがありました。 色あせた葉っぱは先のほうから黒ずんで、おま