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自己破産とデビットカード

たまにはちゃんと生活保護受給者っぽい記事を書こう。

わたしが自己破産手続きをしたのは生活保護の申請をしたのと同時だった。
未払いの光熱費・通信費、消費者金融からの借り入れがあり、手が付けられない状況になっていた。
それまでも決して気楽な状況ではなかったが、コロナでそれまで働いていた店が潰れ仕事がなくなってからは支払いがあっという間に滞り、坂を転がり落ちるように状況は悪化した。
毎日のようにかかってくる督促の電話に神経をすり減らしていたが、かといって事態を打開する方法も思いつかず、もう性風俗に戻ってしまえばいいやと捨て鉢になっていた。

そんなこんなで生活保護を申請し、生保の受給申請をした際に借金があることも伝えてあったので、さっそく自己破産の手続きも開始しようとなった。
ケースワーカーに紹介された弁護士に事情を説明し、自己破産の手続きをお願いした。初回だけ、ケースワーカーが事務所に同行してくれて、次からはひとりで通い、手続きを進めていった。

ちなみに、生活保護受給者の自己破産手続きに費用はかからない。法テラスの立替制度があるからだ。

手続きそのものはもちろん弁護士にお願いするが、返済不能であることを証明するための家計簿をつけて提出したり、借入先の連絡先が載っている書類を揃えたりと、細かな作業はたくさんあった。
ちょうど家を出て保護寮を経由して宿所提供施設にいた時期で、旧居から持ち出した大量の督促状(怖くて触れなかったのだ)と相対するのは、なかなかに勇気のいることだった。
だが手続きを進めることで債権者に連絡が届き、督促や問い合わせの連絡は止まった。これには本当に、本当に安心した。
支払いができなくなりそれについて連絡もせず、債務のすべてを無視していたことは、当然褒められる行いではないが、なにもかもが限界をとうに超えてしまっていたのだと思う。

コツコツと弁護士事務所に通って自己破産の申請をし、半年ほどで申請は受理された。
おかげでわたしは自分の債務を整理し、支払いを免除されて、生活再建に向かうことができた。
自己破産によって今後の人生に様々な制約があるが、現在暮らす上で自己破産した者として困ることはなにもない。
直接的に困ることがあるとすればクレジットカードが作れないことだが、クレジットカードの機能のほとんどはデビットカードで代用できるので、それも大した問題にはなっていない。
人生がクチャクチャにとっ散らかって、身の丈を超えた借り入れをして身動きが取れなくなり、毎日電話の着信に怯えることに比べれば、どうということもないと言える。
今のわたしは生活再建の序盤を過ぎたあたりなので、お金に関してはクレジットカードが使えず、借り入れができず、ブラックリストに名前が載っているくらいがちょうどいいとも言えるかもしれない。

そんなわたしが日々の決済に使っているのがデビットカードだが、これを作ったのは自己破産手続き中だった。
デビットカードが作れるというのをなにで知ったかは忘れてしまったが、ともかく生保受給者でもVISAのついたカードが持てるのはありがたいと思い、導入を決めた。
ちょうど毎月の家賃を振り込む先の指定銀行になっていて、ATM手数料や利用ごとに貯まるポイントなどを鑑みて、三井住友銀行にした。
発行手続きのために窓口に行った際に申込書を書いたが、正直に無職で生活保護受給者であると行員にも伝えた。
その後無事にカードを発行できて、今も特に問題なく使用できている。

デビットカードは自分の口座にある現金から即時引落されるカードで、支払いは一括払いしかできない。分割決済やキャッシング機能はなく、ポイントの貯まり方などもクレジットよりはグレードが落ちるが、それで困るという事態は特に発生しない。
デビットカードで決済するごとに貯まるポイントは、収入申告する必要もないので、電子マネーのひとつとしてありがたく活用している。
デビットカードはインターネット決済にももちろん使用できる。コンサートのチケットや美術館の入場券などの購入、Amazonの買い物にも使える。

ちなみに先月行った美術展も、年末に行ったカウントダウンライブも、チケットの決済はデビットカードで行った。

分割やキャッシングとなると問題は別だが、電子決済が当たり前になっている昨今、生活保護受給者といえど決済用カードを持てないのは不便だし、様々な選択肢が狭まってしまう。
生保受給者はカードの所持を検討してみるといいだろう。
カードの所持について福祉課に許可を求める必要はないが、家計管理について指導されている場合は、一応確認してみるのが無難かもしれない。

自己破産のことは、またそのうち詳しく書くかもしれない。

最後に、借金があって性風俗から抜け出せない、性風俗で働こうと検討しているというひとは、生活保護と自己破産の申請を考えてみてほしい。
わたしにとっては生活保護も自己破産も救いだったから。


駆け足になったけど、今日はこんなところで。

では、また。

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