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🔥「熱い思い」は会社員には難しい

京セラ創業者の稲盛和夫さんが亡くなられた際に、テレビのニュースなどを見ていて「今の人は冷めている人が多いのを心配している」というような、稲盛さんが周囲に漏らしていた話を紹介していたのを見ました。

おそらく、稲盛さんから見たら多くの人は冷めてるようにしか見えないかもしれないですね。

起業家の熱い思い

「熱い思い」というのは、言動に出て初めて他人に分かるものなのですが、言葉や態度ばかり熱くて、実際はさほど行動していないような人もいます。(自分にもそういう所はあります)

そんな中でも、起業家やリーダーには熱い思いは大事だし、それがないと厳しい競争に勝って行けないと思います。
プロ野球の野村監督がID野球、つまり経験や勘ではなく、データに基づいた野球を提唱していた話は有名ですが、あれは野村さん自身が「熱い思い」を持った人だからこそ、活きたのだろうと思います。

熱い思いがなぜ大事なのか

物事は冷静に、論理的に考えて進める方が上手くいくことは確かです。
ただ、論理にも種類があって・・

  1. 過去のデータを分析してこれからのことを考える

  2. これからやることに仮説を立てて立証していく

という少なくとも2つの側面はあると思います。

論理的に考えることが好きな人にの中には、しばしば分析好きな人がいます。1のようなアプローチをする人ですね。
新しいことをやろうと言っている際に「それは今までのデータからは難しい」とか「結果を保証できない」とかいうことを言い出すのは、そういう人です。

AIは世界中のナレッジを集めて分析するのは得意でしょうが、そこから全く新しいものを生み出す力はあるのでしょうか?
もしあるとしたら、それはどういうメカニズムなのでしょうか?

2のようなアプローチは、科学者のアプローチです。
科学者も、もちろん分析はするのですが、それよりも大事なことは、未知のものに対して絶えず探究の眼差しを向けて、それを科学の力で理解・解決しようとする姿勢です。

本当に未体験のものは、想像するしかないのです。

冷静に論理だけで未来を予測してもその通りにならない

例えば経済成長で考えると・・

  1. 1980年代までのデータが右肩上がりの傾向だからと言って、そのまま延長して未来に当てはめたら、今ごろは物凄い経済大国になっていたと思いますが、実際は低迷しています。

  2. 1960年代までのデータがゆるい右肩上がりの傾向だからと言って、そのまま延長して未来に当てはめたら、1970年代から80年代にかけての高度成長は予測できなかったと思います。

つまり、過去のデータを元に論理的に考えたとしても、せいぜい折れ線グラフを延長することぐらいしか出来ないのですね。

悪い予測は誰も見たくない

少子高齢化は、1970年代から指摘されていたそうですね。
それなのに、行政はじめ経済界も、なんの有効な施策も投入できずに、70年代に指摘されていたことがそのまま今、起きてしまっているのです。

過去の分析から今後、悪くなるだろうと言われていることでさえ、人々は何も対策をせずに放置するようなことがあるのです。

だから、分析というのは、あくまで分析に過ぎず、そこから何かいい結果が自動的に生まれてくるものではないのです。

未来を創造するのは探究心と熱い思い

ということで、起業家やリーダーには、科学者のような探究心と、未来を想像して実現する「熱い思い」がなければ、思い描いた未来を実現することは出来ないのです。

それで会社員は・・😅

会社員は、まずはトップに従うから意味があるので、トップが指し示した未来に共感し、同意して、しゃにむに突き進んでいくのが使命です。
だからトップが持つような「熱い思い」とは別の「熱さ」が必要なのかもしれません。

会社員も、冷静客観的、論理性だけで役割をこなしていると、トップの「熱い思い」を十分に受け取れず、取りこぼしてしまうのです。
「働かされてる」とか「能力を提供している」とかいう気持ちだけだと、熱い思いは永遠に理解できません。

  1. 会社員は、トップが描いた未来像に、どこまで共感できるか

  2. トップは、社員が共感でき、夢が持てるビジョンを打ち出せるか

ということが、会社員の未来を決めてしまうのではないでしょうかね。

僕はどう思っているか

僕は、一般的に見たらリタイアするお年頃ですし、もう「熱い思い」とかは、どうでもいいような気はしています。

自分で事業をしていた頃もありましたが、生活と、自分を活かすためにやむなくやっていたようなところがあって、起業家ではなかったですし、世の中を自分の力で良くしたいとか、変えたいとかは、一切、思っていませんでした。

ただ今は「幸せな時間を過ごしたい」と思っているので、そういう時間が過ごせる会社や、職場、人間関係が理想です。
「幸せな時間」とはどういうことかというと、やはり働いたり活動している意味がしっかり感じられることですかね。

誰かに熱い思いがあったら、それに協力できることはしたいし、かといって自分の理想的な時間の過ごし方はしたいという、微妙な立ち位置にいます。
燃えたり、燃え尽きたりしなくていいから、温かい毎日を過ごしたいと考えているところです。

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