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医師と結婚するということ
医師と結婚するということを深く考えていなかった私は、そのことの自分の人生への影響の仕方に、結婚してから気付くことも多かった。
それでは、それを知っていたら、考慮出来ていたら、結婚しなかったか、というとそれも違うけれど。
そして、それに気付いたから後悔している、というのもまた違う、と云いたいけれど。
兎に角、私の経験を一つ残してみたいと思う。
デートの時から、夫が慢性的に寝不足で、よくあくびをしていた。正直これまでデート中にあくびをするような人は出会ったことはなかったので、単純にショックだった。
あくびを噛み殺すような姿を見ると、「私と居ても楽しくないのかな、暇なのかな」と思ってしまう。
当時、研修医だった夫は「当直明けで、、ごめんね」などと言ってくれるけど、それだったら当直やオンコール明けじゃなくて、よく眠れた日の翌日に会って欲しいと思ってしまった。
でも何度か会ううちに、本当に忙しくて、それでも日程を調整して私になんとか会おうとしてくれている結果がそれだと気付いた。
それでも、私は一人時間も好きで、楽しめる方だから、結婚しても彼が忙しい時には自分時間を楽しんで、二人で過ごせる時間は短くても大切に過ごせば良いんだ、とそんな風に考えていた。
でも、それはその時の自分の状況だけで、想像し得た未来の生活だった。というのも当時、私は割と都会に住んでいて、交通のアクセスが良く色々な所に繰り出したり、イベントや新しいお店を巡ったり、楽しめることは無限にあった。そう、習い事や美容にも勤しんで、独身OLを謳歌していたあの頃。
まず第一の誤算!
一人時間を楽しもうにも、田舎過ぎて何も無い問題!
結婚してすぐ夫の転勤で地方に引っ越し、コンビニや、たった一つのショッピングモールが唯一の娯楽という感じ。街の方にはアクセスが悪く、気軽に行くには遠すぎる。
そんな場所でも、最初は自分なりに少ないご飯屋さんやカフェを巡ったり、景色を楽しんだり、ドライブしたり、、楽しもうとしたけれど、、何せ、分母数が少な過ぎるもので、すぐに飽きてしまう。
勿論、自宅で読書や映画を観たり、、もあるけれど。
街に住んでいた頃、何気なく出来ていた気分転換の手段が急激に姿を消して、私はなんだか気分が塞いでしまう時もあった。
(けれど、そこは自然のパワーに満ちたとても美しい場所だということは同時に理解していたし、不思議な魅力もあって、その土地を離れた今は時々無性に訪れたくなる。)
そして、第二の、最大の誤算!
それは子供が産まれたら起きた変化。
「夫が忙しい=私の自由時間!」
⬇︎
「夫が忙しい=基本ワンオペ!=私の自由時間いずこ⁈」という方程式に早変わりスペシャル、、
甘かったなぁ。
想像出来ていなかったなぁ。
新生児期、泣き止まない我が子をひたすら抱っこして、小刻みに揺らし続けながら、夕日を見て、9時17時の公務員の旦那さんはそろそろ帰ってきて、子供をお風呂に入れてくれるんだろうかとか、今風の会社に勤めている旦那さんは1年位育休を取ってくれたりするんだろうかとか。
無いものねだりで、無駄に想像だけ膨らませて、自分を更に可哀想モードにさせることをある意味なんだか慰めに使っていた気がする。
結婚生活も長くなり、他の先生方のご家族とお会いする機会も何度かあって、気付いたのだけど、お話した奥様はみんな芯があって、しっかりした感じ。
そっかぁ、医師は外での仕事がただでさえストレスフルで大変なのだから、医師の妻というのは殆ど一人でも家庭内のことを上手く切り盛りして、かつ旦那さんの栄養面、精神面のサポートをしてあげられるような人が向いているんだろうなぁと、どこか他人事に思い至った。
私みたいに、「夫が忙しい=基本ワンオペ!=私の自由時間いずこ⁈」と、わたし、わたし、わたし、、タイプよりも、「夫を支えたい!」タイプの方が確実に向いている。
ふむ、でも私はわたし。
夫が選んだのも、わたし。(後悔しないで)
とりあえず、出来る範囲で頑張ってますけれども、家事、育児スキルは平均以下だと自負しています。
でも絶対に大切にしているのは、夫が外でのストレスを少しでも忘れられるような精神的な支えになることです。そして、そのためにはやっぱり私には自分時間が必要なのです。娘の寝息を聞きながら、noteに自分の結婚生活をつづる今が、結果的に夫の為にもなるでしょう。(ならねばならない。)
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