毎年3ヶ月は長期休暇?!日本の魅力を伝える観光ガイドの働き方|令和のきらきらガイド×WOW U【インタビュー①:Kirikoさん】
「あなたが私の、日本代表」。
世界中の人々と、日本にいながらにして交流できる「観光ガイド」の仕事。
「日本」のファンを増やすスタートアップ・EXestは、ガイドを憧れの働き方に変えるためのプラットフォームとして、ガイドマッチングサービス「WOW U」を提供しています。
本記事では、WOW Uでも活動する、フリーランスのツアーガイド・Kirikoさんへ、EXest広報担当の森田がインタビュー。ガイドの仕事の魅力や醍醐味をたくさんうかがいました。
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Kirikoさんプロフィール
ガイドって、そもそもどんな仕事なの?
関西を中心に、プライベートガイドとして活躍しているKirikoさん。まずは「そもそもガイドって、どんなお仕事?」という疑問にお答えいただきました。
疑問①:1日の流れはどんな感じ?
ガイドを実施するときは、どのような1日の流れになることが多いのでしょうか。
Kirikoさん「だいたい、1日8時間ほどガイドすることが一般的です。
たとえば大阪なら、1日で大阪城、道頓堀、心斎橋、黒門市場、新世界あたりを回るぐらい……とお伝えすると、大阪観光のご経験のある方はイメージがつくかもしれません。
▼以下のような位置関係にあります!
Kirikoさん「一組のゲストさんに対して、1日だけガイドをして終わることもあれば、2日目以降をご一緒させていただくこともあります。長いと、2週間ほど連続で同じゲストさんにガイドをすることもありますよ」
疑問②:ガイドって、そもそも必要なの?
現在は、スマートフォンで調べれば土地の観光スポットは一通り分かってしまう時代。「ガイドって、そもそも必要なの?」とも思ってしまいます。
Kirikoさん「私が主に担当しているのは、個人旅行者向けのプライベートツアーです。ゲストそれぞれのリクエストに答えながら行く場所を決めるので、オーダーメイドな旅程が組めることが魅力です」
Kirikoさん「スマートフォンで検索しただけだと分からないガイドツアーも提供できるんですよ。
たとえば、これまでにお客さまから受けたリクエストには、以下のようなものがあります。
日本旅行は2回目なので、前回訪れた観光名所は避けたい
定番スポットではなく、外国人観光客にはあまり知られていない隠れたスポットを巡りたい
観光客が行くようなところではなく、地元の人しか知らない名レストランに行きたい
日本のポップカルチャー(アニメ、メイド喫茶など)に触れたい」
確かに、自分が海外旅行をすると考えると、ローカルの人しか知らないような情報に、検索だけで辿り着くのはかなり難しいかもしれません🤔
地元に住んでいる人の案内で「絶対にハズレがない名店」に辿り着けるとしたら、お金を払ってでもガイドを活用したい! と考える人がいるのも頷けます。
疑問③:プランを立てるには、知識が必要なの?
ガイドとしての提案力や知識が求められるとなると、プランの立て方に悩むこともあるのではないでしょうか。Kirikoさんにうかがってみました。
Kirikoさん「私は生まれも育ちも関西なので、地元民としての知識を活かしながらお客様のリクエストにお答えしています。ゲストからも”ローカルガイドさんがいい”とリクエストをいただくことが多いですよ。
でも、悩むことももちろんあります。以前、あるお客さまから”関西地方に限定して、丸2週間のガイドをしてほしい”というリクエストがあったのですが。そのときは、プランの組み立て方にかなり悩みました(笑)。
でも、悩みながら作った渾身のプランを楽しんでもらえて、さらに感謝いただけたときは、すごく達成感がありますね。
それから、メイド喫茶など、自分でも行ったことのない場所に同行させていただくときもあって。これはこれで、自分の世界が広がって楽しいですよ」
ガイドって、◯◯な仕事でしょ?実はそれ、思い込みかも?!
お話をうかがっていくうち、Kirikoさんの意外な一面も明らかに。
実はKirikoさん「プライベートのスケジューリングは友達任せ」で、さらに「人見知り」なのだとか。「ガイド=時間にきっちりしている人」「盛り上げ上手」といったイメージとはかけ離れていますが……。お話をうかがってみました。
ビックリ①:Kirikoさんは、プライベートではガイドを利用しない?!
そんなふうに思われる方も多いのではないでしょうか。Kirikoさんにガイドに向いている人について聞いてみたところ、意外な答えが返ってきました。
Kirikoさん「実は私、プライベートでは友達に段取りを任せきりなんです(笑)。行き当たりばったりで遊ぶほうが好きなんですよね。ガイドをするときは自分のなかで、オン・オフのスイッチを切り替えている感じです。
それから、学生時代の旅行でも、ツアーやガイドは利用したことがないんです!
ツアーに参加するようなお金がなかったので、自分で航空券やホテルを取って、回る先も調べて決めていました」
ビックリ②:「行き当たりばったり」な人のほうが、むしろガイド向き?
さらにいえば、行き当たりばったりで楽しむ=臨機応変に状況へ対応する力は、むしろガイドで活かされることが多いのだとか。
Kirikoさん「皆さんも経験があるかもしれませんが、旅行って、予定通りにスケジュールが進まないことのほうがむしろ多いんですよね。
電車が遅延したり、渋滞に巻き込まれたり、思ったよりも1つのアクティビティが盛り上がったりして、あとの予定に影響が出たり……。そういうことって結構、”あるある”ですよね。
それから、子供や年配の方がいらっしゃる、車椅子を使っているなどの理由から、移動に時間がかかってしまうこともあります」
Kirikoさん「でも、経験を積んできて分かったのは、とにかくその場の対応と、説明がカギだということです。
まずは冷静に、ゲストの方へ予定しているプラン通りに旅程が進まないことと、その理由をお伝えする。
それから、プランをその場で組み立て直して、できる限り満足度が高まるような方法を提案します。
たとえば、行く場所の順番を変えてみたり、タクシーを使ってみたり、似たようなことができる別の場所に行ってみたり……。
説明の仕方次第で、お客さまも納得していただけるし、ツアーの満足度も下がらず、笑顔で時間を過ごしていただけるんです」
柔和な印象のあるKirikoさんでしたが、このときは表情も真剣に。経験豊富なプロとしての側面が光るエピソードでした!
ビックリ③:ガイド=アッパーな「陽キャ」、ではない!?
さらに意外なことに、Kirikoさんはかなりの人見知りなのだとか!
Kirikoさん「ゲストの方の多くが初対面の方なので、初日、お会いする直前は少し緊張しますね。
それに私、場を盛り上げるのも得意じゃないんです。ほかのガイドさんのお仕事ぶりを見ていると、自分にはあそこまでハイテンションなお仕事はできないなあと思ったりすることもあって(笑)。」
やはりガイドのなかでも、どちらかといえばハイテンションなガイドができる人のほうが人気が出るのでしょうか。
Kirikoさん「いいえ、そんなことはないと思いますよ。
私も、元気いっぱい! というようなガイドは目指していませんが、それでも問題なく、お仕事をいただけています。
人それぞれ、得意不得意ってありますよね。ガイドをするときも、他の人のようになろうとはせず、自分にしかない良さを出していければいいのかなあと思っています。
たとえば私は、人の細かな気持ちや体調の変化に気づき、きめ細やかなケアをするのがとても好きなんです。
だから、たとえばご年配のゲストの方で、歩く速度がゆっくりだとしたら、それに合わせて移動距離が少なくなるようなツアーを組んだり、エレベーターなどの移動手段があるかどうか、事前に確認したりしていますね。
ゲストの方に寄り添い、一人ひとりに合わせた細やかなサービスを提供できるのが私の強みなのかな、と思っています」
なんでガイドを始めたの?どうして続けているの?
2019年にガイドとしての仕事をスタートさせるも、2020年からのコロナ渦に見舞われたKirikoさん。長引くコロナ渦でも、生まれた時間を活かして「通訳案内士」の資格を取るなどの活動を続けてきました。
「別の職業に就く選択肢もあったのに、どうしてガイドを続けているの?」
そんな疑問にお答えいただきました。
ガイドになりたいと思っていた、わけじゃない
もともと、タイに留学して観光マネジメントを学んでいたKirikoさん。周囲にもガイドとして活動されている同年代の方はいなかったようですが、Kirikoさんはなぜ、ガイドの道を目指されたのでしょうか。
Kirikoさん「ガイドになりたい! と昔から思っていたわけではないんです。
そもそもタイに留学を決めたのも、タイに旅行したとき、現地で仲良くなった人から”タイに留学に来たら?”と声をかけてもらったことがきっかけで。学部も、”旅行が好きだし、観光にまつわる仕事がしたいから、観光学かな?”程度のものでした」
人との出会いやコミュニケーションがきっかけで、観光について学びを深めることとなったKirikoさん。ガイドという仕事を視野に入れ始めたのは、留学中でした。
Kirikoさん「留学中、インターンとしてリゾートホテルで働くことになったんです。
そのとき、日本からのお客様のツアー手配や、通訳として同行する経験をして。
ゲストの方から”同行してもらえたおかげで、旅行がより楽しめた。ありがとう”と感謝されたのが、すごく嬉しくて。この喜びをまた味わいたいな、と思ったことが、キャリアの原点です」
世界に出てみて気づいた、日本の魅力
旅行が好きなら、日本人向けの海外旅行ガイドというキャリアもあったはず。なぜ、海外からの旅行客に対して日本を紹介するという道を選んだのかを尋ねたところ、こんな回答がありました。
Kirikoさん「4年間をタイで過ごしたことが大きいですね。あの期間で、むしろ日本の魅力に気づいたんです。
魅力というのは、日本文化もそうですが、日本人の人柄も素敵だな、と思っていて。
”個人がハッピーならそれでいい”というよりは、”みんながハッピーになるためには、どうするか”を考える人が多いな、と思うんです。
そういう日本の魅力をもっと伝えられたらいいな、というのが、ガイドを始めた大きな理由の1つです」
世界中の人と深く会話できる、唯一無二なお仕事
Kirikoさんは、ゲストの方と仲良くなり、ガイド終了後にSNSなどで連絡を取り合うようになることも少なくないのだとか。
Kirikoさん「私はやっぱり、コミュニケーションがすごく好きなんです。国籍や文化の違いを超えて、目の前にいる相手と会話をして笑顔になれるというのは、すごく楽しいことだなと思っています。
それから、文化や習慣の違いについて教えてもらったり、旅行情報を交換したりするのも勉強になりますし。
単に"日本のことを教えてあげる"という感じではなく、対等な人間同士として、交流を深められる。そして、ツアーが終わったら”ありがとう”と笑顔で言ってもらえる。
そういう時間を過ごすことが楽しくて、ガイドを続けているのだと思います」
確かに、日本人向けの海外旅行ツアーでは、世界各国のいろいろな場所を訪れることはできても、現地の方との密なやりとりは難しいかもしれません。
日本で、海外からのゲストをガイドするという働きかたは、Kirikoさんの”好き”にピッタリマッチしていたのですね。
ガイドって結局、生活できる仕事なんですか?
ガイドとして働くうえで気になるのが……ズバリ、生活できるのか。ちょっと聞きづらいおカネの話について、詳しくうかがってみました。
質問①:生活できるの?収入のイメージは?
Kirikoさんに収入のイメージをうかがったところ、笑顔でお答えいただきました。
Kirikoさん「案件の紹介もたくさんきますし、専業ガイドでも、生活に困ることはありませんよ! 休暇に旅行を楽しめる程度には、楽しく生活できています(笑)」
でも、Kirikoさんがガイドという職業を気に入っているのは、収入面というより、働き方の側面のほうが大きいのだとか。
Kirikoさん「日本への観光客って、春と秋に集中するんです。過ごしやすい季節ですし、桜や紅葉なども楽しみやすいですからね。
反対に、夏と冬はゲストの数がグッと減ります。
だから私は、春と秋にたくさん働いて、夏と冬は”長期休暇”。年間で3〜4ヶ月ほどお休みを取って、旅行や自分時間を楽しんでいます。
その代わり、繁忙期は土日返上。毎日ほぼ休みなしで働くレベルの、超過密スケジュールになるんですが……。でも、メリハリがあって、私はとても気に入っています」
質問②:仕事はどうやって見つけるの?
フリーランスとして活動するKirikoさん。仕事はどうやって見つけているのかうかがってみました。
Kirikoさん「私は最初の頃、インターネット上のガイド向けプラットフォームでガイド登録をしました。GoWithGuideやshowaroundといったサービスを使いました。
もちろん、WOW Uにも登録しています!
サイト経由でいくつかガイドをするうち、複数人のガイドさんが一緒に働く案件をお任せいただくなどして、ガイドさんとの、横のつながりができてきたんです。
今は、ガイドさん経由でお仕事を紹介いただいたり、旅行会社さんなどから依頼をいただくことがほとんどです。宣伝などはあまりしていません」
質問③:どんなふうにプラットフォームを活用すればいい?
それぞれのサービスやプラットフォームは、どんなふうに使い分ければいいのでしょうか。うかがってみました。
Kirikoさん「基本的に、ほとんどのプラットフォームはツアーガイドと旅行客のマッチングが目的なため、使いやすいサービスを使えばよいと思います。
ただ、価格の付け方はチェックしても良いかもしれません。
ガイド自身が価格設定をできるサービスだと、無料でガイドすることも可能なんです。
”ガイドを始めてみたいけど、いきなり有償のガイドをするのは難しいかも”と思っている人でも、無料なら、気軽にトライできるのではないかなあと思います。
無料ガイドから経験を積んで、自信がついたところで有償のガイドにトライするというステップの踏み方はアリじゃないかなと思います」
ガイドになりたいけど……どんな勉強をしたらいい?
ガイドは、無資格でも実施すること自体は可能です。だからこそ、どんな勉強をすればいいのか迷ってしまいますよね。
そんなふうに悩んでいる方も多いはずです。
一体どの程度まで学びを重ねれば「ガイド」を名乗ってもいいのか、Kirikoさんにうかがってみました。
疑問①:資格をとるべき?
通訳案内士など、ガイドにまつわる資格は、ガイドを始めるために必要不可欠なのでしょうか。
Kirikoさん「私自身、2019年に仕事を始めたときは資格を持っていませんでした。資格を取らなきゃ……と思って一歩が踏み出せないなら、思い切って実際にガイドをしてみるのも一つだと思いますよ!」
疑問②:大学で学ぶべき?
大学などの教育機関で、観光のことを網羅的に学ぶ必要があるのかも、気になるところです。
Kirikoさん「私自身は大学で観光業を学びましたが、観光について大学で学んでいなくても、ガイドになることは可能ですよ。
ただ、私自身は、大学に行って、観光業全般にまつわる知識を学べてよかったなと思っているので、"行っても意味がない"とは全く思いません。
専門用語であったり、航空会社などの知識が身につきました。それから、ガイドという仕事自体を認識したのも大学にいた頃でしたし……。授業は全て英語だったので、語学力も底上げされたかな、と思っています」
疑問③:語学力、やっぱりハイレベルなものが必要?
ガイドを始めたいと思っている方の多くが気になっているであろう、「どの程度の語学力が必要になるのか」。
「TOEICで高得点が取れるとか、海外留学経験があるなどの語学力がなければ、ガイドになるのは難しいのかな……」なんて思っている人も多いのではないでしょうか。
実際のところをKirikoさんにうかがってみました。
Kirikoさん「もちろん、語学力があるのにこしたことはないと思います。観光地の解説には語学力が必要ですし、トラブルが起きたときの説明なんかも、語学力がなければ納得してもらうのは難しいですから。
ただ、語学が得意=ガイドとして満足してもらえるかというと、そうでもありません。
ゲストの方がガイドに対して求めているのは、楽しい旅行にしてもらえるかどうかなんじゃないかな、と思うんですよね。
だから、たんに流暢に説明をできるだけだと、満足度はそこまで上がらないんじゃないかなと。”楽しんでほしい”という気持ちのほうが、本当は大事かも、と思ったりします」
語学力は手段でしかない、ということのようです。語学力を上げようと頑張るあまり一歩を踏み出せないなら、まずはお仕事を始めてみることも、検討してみていいかもしれません☺️
ガイドって、魅力でいっぱいの仕事です!
最後にKirikoさんに、ガイドの魅力についてお話しいただきました。
Kirikoさん「ガイドって、世界中の人と繋がることができる、すごくいいお仕事だと私は思っています。
日本の魅力を直接伝えられるし、相手の国のことも学べる。コミュニケーションを通じて、日本のことも、世界のことも再発見していくような感覚が、私はとても気に入っています。
それから、ツアーをすると、本当にたくさんの方から”ありがとう”と言ってもらえるんです。それに、”私のガイドのおかげで日本が好きになった”と伝えてもらえたり、実際に日本を再訪いただけたりすることもあって。
そういうときは、本当にやりがいを感じます。
ガイドとして働くことの魅力を、多くの方に知ってもらえたら嬉しいなと思っています」
WOW Uで、ガイドの一歩を踏み出して
Kirikoさん、ありがとうございました!
EXestでは現在、WOW Uガイドを募集しています。
そんなふうに思ったあなた、ぜひWOW Uにご登録ください。海外旅行客にとっての「忘れられないあの人」になる体験を、一緒に経験してみませんか。
ガイドの一覧ページもOPENしているため、興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。
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