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半径500メートルの撮影旅
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撮影のために遠くへ行くことはあまりない。それこそ日帰りできるような県内のスポットを撮りにいくなんてこともしない。わりと昔からそうで、時間に自由のきいた独身のころでも、カメラを持って行く場所は限られていた。今思えばちょっともったいなかった。
万事がそんな感じで、日常の生活圏を飛び出すことを面倒に思うきらいがある。県北にあるネモフィラと太平洋の景色を撮りに、とか、巨大な人形と練り歩く祭を撮りにとか、やってみたいと思いつつも、それを実行したことは数えるほどしかない。
だから遠方に出向いての撮影はいつも仕事のついでとか、家族旅行の旅先の朝とかになる。
じゃあふだん、自分は何を撮っているのか、と言う話になるわけだが、それはこれまでいくつも写真を上げてきたように、なんの変哲もない散歩写真ということになる。
畑しかなかった実家暮らしの時でさえ、犬の散歩にカメラを持った。今はちょっとだけ街中なので、少し範囲を広げれば街の表情が変わる。朝は人も少ないからけっこう撮影も捗る。
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例の疫病が広がり出したころ、外に出るのは良くないんじゃないかと思ったが、外に出たところで、人がいないのだ。遠くに行くとか何か祭やイベントがなければカメラを持たない、なんてタイプでなくて良かったな、とあの時は思ったものだ。自分の撮影スタイルはほとんど変化しなかった。
そうやって同じところをぐるぐるとしていれば飽きも来るし、代わり映えしない写真ばかりを量産してしまう。しかし不思議なことに、そんな同じことの繰り返しでも、時々はっとする一枚を撮ることができたりする。もちろん主観的に、の話だが。
それはどんな時か。
ある側面としては、外的環境変化のためだろう。
季節が変わる、撮る時間帯が違う、天気が違う、そういうとき、いつも歩き慣れた場所も違って見えたりする。
それから、自身の環境の違いのためでもある。
一人か複数人かの違い。
一人の時と子どもと散歩をしているときも、見えているものが違ってくる。あるいは息子が指差して初めて気づくものもある。
自転車か徒歩かの違い。
速度と目線の高さが違えば、当然見える風景への解釈が変わってくる。
荷物の違い。
カメラとレンズ一台のときと、カメラ二台、レンズ複数本のときでは、やはり気分が変わるように思う。身軽さは歩みを贅沢なものにする。カメラとレンズ二対、それでバッグは持たない、というのでもちょっと違う。
ルートの違い。
いつも歩く場所でもルートが違ってくると見えるものにシャッターを切るかどうかの判断ラインが違ってくるように思う。
機材の違い。
一眼レフか、ライカか、マニュアルかでもシャッターを切る指の重さが違うし、特に新しい機材を手に入れたときの目は、世界を見る意識が違ってくるように感じる。そのカメラやレンズで撮りたいものが変わってくる。
もっと内面的なところもある。
たとえば連休初日と最終日とかでも気分は違うし、
嫌なことがあった翌朝よりは、いいことがあった翌朝の方が目が生き生きとする。
しんみりする映画を観たあととか、好きな音楽を聴いているときなんかは、もろに影響を受けるかもしれない。
そう言う心を変化させる様々な要因が、半径500メートルの見慣れた風景を少し特別なものにしてくれる。いつものあの場所が、知らない場所のように存在している感覚に陥る。いつもそうだとは言わないが、そんなことがあるからこそ、朝の散策を続けていられるのだろう。そうなったとき、いつもの散歩写真は、半径500メートルの撮影旅となるのだ。
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文章を読むとき、人はきちんとその文意を、書いた人が意図した通りに読めていないことがある。それこそ面倒だなあと思いながら読んだりするときや、難解な文章のときだったり。ましてや書き手があまり上手く書けていなかったりすればなおのことそのようなことが起きる。
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と、すればだ、この街だって、完全に計画されたものではないのだから、何度も行き来しても読み落としがあって然るべきだ。あのように見えていたものが、このように見えてくることだってあるはずだ。
半径500メートルの撮影旅は、何度も繰り返し旅する事ができる。どこか遠くの知らない土地に行って撮る一発勝負の楽しさもあるけれど、この手軽で身近な旅路は、自分に街という詩のように複雑で、ときおり論文のように硬質で、童話のようにやわらかい物語を、何度も何度も読ませることを強いるのだ。テストとしての国語は正解があるが、この街という文章には正解がない。だから多分、読む側の自分の調子や気分次第で、見えてくるもの、浮き出てくるものは違う。ここで撮っていけば、腕のあるなしはともかく、モノの見方は変わってくるはず。そうして本当の旅に出た時に、それらの蓄積が、活かされていけば、半径500メートルの旅は本物の旅をより豊かにしてくれるに違いない。
ま、そんなに上手くなっていない自分が言うのもなんだけれど。
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