【読書】人生の教科書/「論語」から
人はどうあるべきか。どういう行動や振る舞いをすべきか。どのような人生を歩むべきか。このようなとりとめもない問いに一つの答えを提示してくれる一冊で、誰もが知る古典。東アジアを席巻する儒教的社会形成の思想的バックボーンとなった論語には、現代社会に生きる我々にも有意義な人生訓が満載。
記事要約
道教が現実への自足を論じる癒しの思想なのに対し、論語は仁義礼智信(5常)を重んじる秩序の思想。
本書は原文日本語訳とともに現代語訳及び解説が付けられており、サクサク読み進められるようになっている。
孔子の教えをそのまま全て鵜呑みにするわけではないが、学びが多い書。
1.本の紹介
本のタイトルは「論語」で、20篇から構成されるオリジナルの編纂者や時代は諸説あり。ちくま学芸文庫出版の土田健次郎訳は2023年刊行、本書の解説で論語の経緯について詳しく説明。
論語は無論、紀元前500年前後の中国(当時春秋戦国)で活躍した思想家孔子の教えをまとめたもの。その孔子は現在の山東省に生まれ、母は巫女、17歳時になくなったため、孤児となる。20歳を過ぎたときには魯の役人として貨物倉庫の出納係、後に牧場管理の仕事をした。その後30歳を過ぎたときには周の都に行って、勉強に打ち込んだとのこと。
訳者は土田健次郎さん。バリバリの儒教研究者で安心して読める。
2.本の概要
論語の各チャプター名は、それぞれ始まりの言葉をそのまま採用したものとのこと。
学而第一(がくじ): 主に孔子の言葉がまとめられている
為政第二(いせい): 親孝行や政治に関する考えが中心。
八佾第三(はちいつ): 礼に関する言葉中心。
里仁第四(りじん): 仁、君子の振る舞い、親孝行など。人生訓が多い
公冶長第五(こうやちょう): 孔子本人による人物評価が主
雍也第六(ようや):
述而第七(じゅつじ)
泰伯第八(たいはく)
子罕第九(しかん)
郷党第十(きょうとう)
先進第十一(せんしん)
顔淵第十二(がんえん)
子路第十三(しろ)
憲問第十四(けんもん)
衛霊公第十五(えいれいこう)
季氏第十六(きし)
陽貨第十七(ようか)
微子第十八(びし)
子張第十九(しちょう)
尭曰第二十(ぎょうえつ)
とりあえず現代を生きる海外住まい日本人サラリーマン40台前半の私の心に響いた名言を以下のとおり抜粋。
3.感想
漢文原文、漢文和訳、日本語訳に説明文という構成になっており、素人的にとっても非常に読みやすい本となっている。
これまで論語の名言集は手にしたことがあったが、論語全てに目を通したことはなかった。全文読むと改めて、現代にも通じる人生哲学&原則が満載。そして論語というと、ちょっと襟を正して読まないといけないような印象にかられるが、実際はそんなことはまったくなく、暇なときに適当に読み流す的な読み方でも十分楽しめる書物になっている。
私は今40歳前半だが、論語の我、四十にして迷わず云々のくだりを読むと、当時の孔子ですら、様々な葛藤があったことが読み取られ、親近感を覚える。ただ今の私はいまだ色々と迷ってばかり。
知らずを知らずと為す、これ知るなりの一文は、無論、小泉元首相が国会?答弁で使用した一文。
最後に一言
なお本記事は、あくまで私がポイントだなと思った部分のみ書き出しまとめているだけです。この概要記事がきっかけとなり、この本に興味を持っていただけたら幸いに思います。
あわせて他の記事もご覧いただけたら幸いに思います。