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【読書感想文】ウォール街のランダム・ウォーカー

最近は投資の話題がいろんなメディアで取り上げられていますよね.

私も金融知識がないながらも積み立てNISAを少し初めて1年ぐらい経ちます.

現在のところS&P500やオルカンなどのインデックス投資が無難だといわれていますが,一方で利益を出してお金持ちになりたければ,高配当株や個別株を売買しなければならないなんて話も聞きます.

いろんな情報はあるものの,正解もない世界なのでどうにも一歩踏み出せないなんて方も多いのではないでしょうか.

今回は,自分自身が投資のリテラシーをちょっとでも上げるため,超有名なウォール街のランダム・ウォーカーを読みました.※決して投資を勧める目的はありませんので,あくまで読書感想文として楽しんでもらえればと思います.

長年読み続けられる投資の名著

書店でビジネスや株・投資のエリアを見ていると必ず目に入るこの本は50年も前に書かれたものの人気が根強く,版を重ねるごとに最新のトレンドを盛り込んでアップデートされています.

そして,投資の本質は変わらないという,強い理念を持って書かれているので,少し分厚くて難しいですが,一度は読んでみたいなと思っていました.

今回は,Kindleの音声読み上げも利用しつつ表面的なところだけでも,さらっておきたいと思い,その記録としてnoteでも書いてみようと思います.

まずはじめに,誰もが知りたい投資の鉄則,どうしたら損を少なくして,利益を得るのか?

私自身,この問いに答えがあれば,と思い読んでいきましたが,投資における大枠の方針はすでに誰もが聞いたことある答えでした.

結論:分散投資,長期保有が良い

当たり前すぎて拍子抜けしそうですが,世の中うまい話なんてないんですね.うまい話に騙されてはいけないということもこの本では強く論じられています.

Youtubeなどのメディアを見ていると,いろんな投資術やご意見番のコメントなどがありますが,あくまでそれらはわずかなサンプルサイズから出てきた特有の意見であって,誰もに有効で普遍的な方法ではありません.

しかし,50年読みつがれ改訂を重ねた本が,勧める投資法は何となく信じてみてもよさそうな気がします.実際に,この意見はメディアでも著名人たちが必ず言ってますよね.2024年の現在でも通用するといっていいのではないでしょうか.

砂上の楼閣を信じる人間たち

過去多くの経済学者や投資家などは株価を予測するためにさまざまな挑戦をしてきました.ちょっと難しいのでここでは割愛しますが,いくつかの投資手法や株価を判断するための指標を作っては試し,いくつかの学派が生まれといった形です.

やはり,企業をしっかりと分析することができれば,確実に富を増やせるのだろうと考えてしまいますが,実はそうではありません.

私たち人間は一瞬にして崩れ去る砂上の楼閣を熱狂的に信じてしまうのです.どういうことかというと,実際に成長率が見込めなくとも,この会社は良さそうだという感覚的な側面から高水準の株価を維持している会社が多いということです.

重要なのはその会社の価値だけではなく,その会社を取り巻くストーリーが面白く砂上の楼閣を作り上げることができるのか否かもポイントになるというのです.当然,上手に乗りこなせば多額の利益を得られますが,失敗すれば砂上の楼閣は吹き飛びます.

たいていの場合は相関があるため,企業分析をしっかりとすることは推奨されます.しかし,ストーリーによって駆動する株価があるのもまた事実.そのストーリーは社会活動や群衆心理に密接に関わっており,数学的な分析で予測することがほぼ不可能なのです.

この話を聞くと,私はストーリーが世界を滅ぼすを思い出します.人間はいかにストーリーに影響されいるのかがよくわかります.そしてストーリーは経済と私たち自身の資産に良くも悪くも影響を与えるということになりますね.

分散投資でリスクを減らす

他にも,様々な分析が進められる中,どうしても株式市場を制御する術はありません.個々の企業は置かれた状況を成長戦略も違う中,相互の連動し社会のエコシステムが回っています.

さらに,あれこれ分析しても結局人間の感情によって生み出されたストーリーと群集心理により,砂上の楼閣が生まれてしまってはもはや打ち手がありません.

その結果行き着くのは分散投資によるリスクの低減です.いろんなメディアでも言われているのでここで書くまでもありませんが,要はA社が下がってもB社が上がればいいよねという考え方です.

自分なりのポートフォリオを組めれば良いですが,最近ではS&P500のように比較的良い会社を集めたインデックス投資も人気です.ポートフォリオを組む手間さえも機械的にやってしまうのです.

今でもこの手法が固いといわれているのは,本書の内容とも合致します.リスクヘッジのため分散投資すれば長期的に見ると平均に回帰します.平均が上がっていく市場に投資すれば,自ずと資産が増えていくというわけですね.

リスクヘッジの考え方は基本的に数学なので信用できます.一方で,市場平均がどうなるかは株式市場の問題なので予測不能であることに変わりありません.そのため,日経平均が下落といった事態になると大騒ぎになるわけですね.

最後に

今回は投資の基本的な知識を学ぶためウォール街のランダム・ウォーカーを読んでみました.個人的に面白かったので砂上の楼閣について紹介しましたが,これは本書のごくごく一部にすぎません.

他にもいろんな側面から投資の分析をしています.いろいろあるけど,結局どれもダメだよねという内容もありました.つまり,分散していかにリスクをヘッジするかぐらいしかやれることはないのです.

純粋な科学ではないのに,生活に影響を与えるという何とも複雑な投資ですが,大きな失敗をしないようにしながら,最低限の富を増やしていくのが私にとっての最善策な気がします.

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