HSP気質は特異的。私の幼少期(あなたの夢は何ですか?の回答)【ユーモアエッセイ】
HSS型HSP気質の私。
小学校低学年のころ、自分のことを自分で回答する授業があった。
要は自己紹介や自己アピールの栞みたいなものだ。
名前、生年月日、好きな食べ物、好きな教科などなど。
回答用紙に鉛筆で書いていくだけのことだから、テストでもなく、何も難しいことではない。普通の人なら。
ちなみに用紙は後にクラス全員分が模造紙に印刷され、カラーの厚紙が表紙となっている簡単な冊子に仕上がり、全員に渡される。
私はそれらの『問い』にも何のことを聞いているのか奥深く考える子供だった。
その中に『あなたの夢は何ですか?』という問いがあった。
私は何て書いたら良いかとても悩んだ。
『夢』と聞かれてもわからない。
しばし問文とにらめっこが始まった。
眉根を寄せて、こめかみ辺りを掻きむしるほど悶々と悩まされ、時間切れで空白になりそうになるくらいだった。
さすがに空白は恥ずかしいと幼いながらにも思った。
テストじゃないから。書けないのは恥だと感じていた。
私は『あなたの夢は何ですか?』を、『寝ている時に見る夢は何ですか?』と聞かれているのだと本気で思っていた。
というのも、小さい頃から夢をよく見ていて、それが現実的にあり得るほどリアルだったものだから、『夢』との言葉は私にとって『寝ている時に見る夢』のこと一択だったのだ。
そもそも『あなたの将来の夢はなんですか?』と書いてあったら直ぐに分かった(分からなかったかもしれないけれど)だろうに、
『あなたの夢は何ですか?』は他にも悩んだ生徒がいたかもしれない。
悩んで悩んで、にらめっこし、何の夢を書くべきか冬眠中の『夢』の記憶を溶かすよう引っ張り出していた。
人形に襲われた夢を書くか、目玉焼きの黄身が緑色だった夢を書くか、同じお父さんが2人いる夢を書くかーーしかし、狭い空白にどのように書けば伝わるのか、それも悩んだ。
とうとう時間が迫ってきて、焦ってしまった私は
『私はあまり悪い夢を見ないからよい』とか書いたのを覚えている。
そしてひらがなばかりで書いたような記憶がある。漢字はこの頃から苦手だった。
先生も先生で不思議な回答というか、完全に勘違いしていると分かったはずだから、後からこっそりと教えてくれて書き直しのチャンスをくれても良さそうなのに。意地悪だ。
私のその答えはそのままプリントアウトされ、クラス全員の目に映ってしまった。
私は冊子を読んで、クラスの皆んなが『お花屋さん』とか『消防士』とか書いているのを目にしてはじめて、やっとその問いの意味を理解した。
そして同時に小っ恥ずかしくなった。
両親にも『どういうこと?』と目を丸くされた記憶が残っている。
今思うと、クラスの親御さんたちにも、ちょっとおバカな子?と笑われていたかもしれない。
このように、問いは、ちゃんと分かりやすく書いてくれないと変な方向性で解釈してしまう傾向にあったのがHSS型HSP気質の私の幼少期だった。
しかしこれは稀な例外で、HSPなぞ関係ないただのおバカだったかもしれないけれど、ちょっと他とは違う解釈をするのは常だった。未だに深読みしすぎて答えられないことだってある。
常識は通用しないハイパー・スーパー・ピープル(私の思うHSPの気質)な脳内なのだから、色んなことを複雑化させてしまって答えに躓く時は多々あるのだ。
全ては、個性であると思うと同時に、才能であると思いたい。
最後までお読みいただきありがとうございました💖またきてね💖
ゆるゆるなユーモアエッセイを目指して書き続けます✨