図書館のレファレンスサービスとガレット・デ・ロワ

画像1 1月に狂ったようにガレット・デ・ロワを買っては食べていた時に、少しは勉強もしようと、ガレット・デ・ロワに関する本を探してみた。図書館のウェブサイトの検索窓に「ガレット・デ・ロワ」と入れて、ヒットしたこの『お菓子の歴史』(マグロンヌ・トゥーサン=サマ 吉田春美訳 河出書房新社)を借りてきた。454ページにわたる大部で、時間がかかったが、堪能した。
画像2 図書館でレファレンスサービスを利用したことがなくて、〇〇についての本が読みたい、などと司書さんに相談したことはなかった。本は自分で調べて(昔は目録カードとかも見たな)それで借りればいい、と思っていた。本のタイトルでなく、内容のキーワードで本を調べたのなんて久しぶりだった。
画像3 ウェブの書誌情報だけ見ても、この本のキーワードのところに「ガレット・デ・ロワ」とは書かれていない。どういう仕組みで、この本は召喚されたのだろう。実際、ガレット・デ・ロワに関する言及はほんの数ページで、古代から現代にいたる、主としてフランスの(でも他国のお菓子に関する言及もある)お菓子の歴史がとうとうと語られる
画像4 あまりに細かいので、次々と出てくるお菓子を一つ覚えては一つ記憶から抜けていく感じではあったが、菓子職人の矜持とか、権力者との関係とか、様々な魅力的な材料とか、細かい細工とか(多数の図版が入っていたのも楽しかった)、著者が楽しみながら調べ書いて行ったことがよく伝わってきた。文化史の本にしてはややばらけすぎかな、とは思ったけれど、図書館のレファレンス機能のおかげで出会えた、いい本だった。

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