毎日読書メモ(49)『パブロ・カザルス 鳥の歌』(ジュリアン・ロイド・ウェッバー)
ジュリアン・ロイド・ウェッバー編、池田香代子訳『パブロ・カザルス 鳥の歌』(筑摩書房、のちちくま文庫)。安野光雅の装丁が美しい。1987年にお茶の水につくられた音楽ホール、カザルスホールの自主公演チケットは、この安野光雅が描いたカザルスホールの絵が描かれた絵はがきが、チケットの半券になっていた。
ジュリアン・ロイド・ウェッバーはチェリストで、「オペラ座の怪人」等で有名な作曲家アンドリュー・ロイド・ウェッバーの弟。
わたしが「鳥の歌」という曲を知ったのは、暮しの手帖社から出ている大橋 鎮子『すてきなあなたに』を読んだ時だった。カタルーニャの空を「ピース、ピース」と鳴きながら飛ぶ鳥を、チェロで表現して、JFK(ケネディ大統領)の前で披露したカザルス。この、1961年11月13日のホワイトハウスでのコンサートは、CDになっていて、『すてきなあなたに』を初めて読んでから10年以上たってから、聴くことが出来た。感動した。
カザルスの色々な発言をウェッバーがまとめた『パブロ・カザルス 鳥の歌』を初めて読んだのは1994年、チェリストの友人に勧められた時だった。ずっと本棚の目立つ場所に置いてあったこの本を再読したときの記録が以下。
21年ぶりに読む。ずっと演奏し続けていたい、という天才。それがもっと平和な時代だったら、彼の演奏はもっと美しく幸福なものだったのか。どんな時代でも同じように光り輝いたのか。美しい、カタロニアの大地のことを思い、バッハのことを思い、彼がチェロの奏法を変えたのだ、といったことも考えたりする。(2015年9月)
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