
私はカレーが苦手だ。
最初に結論から話し始めることがポイントとどこかで聞いたことがある。
私はカレーが苦手だ。
共感してくれる人がいるのだろうか。
味が嫌いでなどいう「全く食べられない」その類の苦手ではない。
ニュアンスとしては、あいつに魅力を感じないといった感じ。
これがフォー(引き合いに出してごめん。)とかであれば、まぁそんなもんかと立ち止まることすらないんだろうけど、私の場合、あのカレー様である。
神保町や吉祥寺といった人気の町では所狭しとカレー屋の隣にカレー屋が並んでいる。
お子様好きな食べ物ランキングは上位常連。つまりは老若男女に人気の食べ物!
でもいくら食べても、吉祥寺で軒を連ねるほどの食べ物か・・・?と理解不能なのである。
苦手とはいったが食べられない訳ではないので、家族で出かけた先でカレーでいっかという流れになったら、静かに食べる。仕方なしに付き合うのである。それでも人がカレーを食べたいという気持ちがわからない。スパイスからカレーを作っちゃう人もいるほど、誰かを魅了する美味しい食べ物のはずなのに、その魅了が分からず、なんならカレーが好きすぎる系の人には飽き飽きすらしてしまう。
カレーの魅力を知りたくて、チャレンジも兼ねてGoogleマップの評価も高く、いつも並んでいるスリランカカレー屋に行ってみた。
カウンター席に通される。店内は決して広くはないが、大賑わいだ。キッチンにはご主人の(おそらく)スリランカ人の男性がせっせとカレーを捌いている。
隣の人は、どうやらリピーター。反対隣の女性二人組は美味しいと言葉を交わしながら、食べている。リピーターもいて、隣の人も美味しいと連呼してるのであれな、全体美味しいはず!
ランチメニューは2つのみ。ベーシックなスリランカカレーを注文。
スリランカカレーはワンプレートにいろんな野菜や具が乗っており、それを自分好みの混ぜ合わせていただく。
10分もせずに届いた。非常に美味しそうである。
見た目は鮮やかで食欲をそそるとまさにこのこと。早速いただく。
一口目をウキウキと口に運ぶ。
うん、きっと、多分、美味しいんだと思う。
ここでさらに気づく。私は辛いものを美味しいと思えず、辛いという感情に終始してしまうことに。ここのスリランカカレーは、私にとっては結構スパイシーだった。
辛いのが苦手だから、カレーが苦手なのかも・・・。
でもでも。辛いのが苦手な人はそこそこ聞くけど、カレーが苦手な人は聞かない。辛いものが苦手人の数だけ、カレー苦手人がいるのならば、もっとその声が聞こえてはいいのではないか。この問題はやはり奥が深い気がする。
ともあれ、いろんな具材を混ぜ合わせているいただくため、味に七変化で時たまハーブの香る部分もあって、非常に「楽しかった」。
美味しいとも思った。でも魅力が分からなかった。
私としては、スリランカの色鮮やかな料理を食すことができて、面白かった。
でも一度の体験で満足したので、また来るかと言われたら、また別のカレーが食べたいかと言われたら、そうは感じることはなかった。
でも好きなカレーが1つだけあることを思い出した。
おばあちゃんのカレーだ。
小学生の頃、長期休み期間はずっと祖父母の家で過ごした。おばあちゃんはよくカレーを作ってくれた。小学生の私と弟のため、大人用の中辛カレーとは別に、小鍋で甘口カレーを作ってくれた。隠し味でバターを入れていることから、さら甘さとコクが追加された、THEお子様カレー。昔ながらのカレー皿に持って食べる、そのカレーは最高にうまかった。おばあちゃんの息子にあたる私の父は「ばあさんの作るカレーは甘いよなぁ」とぼやいていたけど、その甘さがいいんじゃん。私はその甘いカレーが大好きだった。
中学に上がってからは、長期休みを自宅で過ごすことになったため、必然的におばあちゃんのカレーを食べることはなくなってしまった。
あのカレーはまた絶対食べたいな。