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果物と読書と巡る月日。
昨日の夜、春巻きをつくっているときと、全部すっかり食べ終わったときに、2回宅配便が届きました。
玄関に、全部で3つの大きな段ボール箱が…。
はじめのひとつは、ぎっしりみかん。私の故郷四国から。
あとのふたつは、主人の方から。
ひとつは、まだ青い洋ナシがずらり。
もうひとつは、黄色いりんごがごろごろ。
確かに時期は同じなのだけど、なぜか毎年、数日の誤差くらいでいっせいに集まります。
そして、私はせっせとあちこちにおすそわけ。
昨日はちょうど、その前に実家から送られてきていたレモンがたくさんあったので、レモネードも仕込んでいました。
先日行った喫茶店で飲ませてもらったものが、あまりに美味しかったので。
あ、誰か私の好きな人が、レモン大好きだって話してたな、誰だっけな…
レモンをひたすらスライスしながらしばらくわからず考えていたら、あ、村上春樹さんが、『村上さんのところ』のどこかで話してたんだ、と思い出してすっきりしました。
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村上春樹さんといえば、昨日は、短編集『螢・納屋を焼く・その他の短編』の中の、「納屋を焼く」を読みました。
古本で買っていたのを忘れてかけていて、最近読み始めたもの。
意味不明!と言いたくなる話で、それがうれしくなる、という村上ファンの心理。
あと、江國香織さんの短編集『号泣する準備はできていた』も、実に15年ぶりくらいに再読していました。
苦しく、悲しい。
断片的な記憶はあるものの、ほとんど忘れていて。
でも。
いや、あなたは雰囲気を楽しむだけで、この気持ちは絶対にわかりようのないものだったでしよ、と過去の自分に思う。
ちなみに今お風呂で読んでいるのは、これまた『ノルウェイの森』で、同じく15年ぶりくらいの再読。
一度手放した文庫本を、最近再び古本で呼び寄せた。
読んだ当時、強いショックのようなものを受けた記憶があり、なんとなくもう一度読むのを避けていました。
でもやはり時を経て、今年になってじっくり読んでみたいと思った次第です。
主人公が18年前を回想する、という設定。
すっと受け入れられるのも、歳を重ねた今だからこそかも。
そうなると、今無性に読みたくなっているのはこれです。
江國香織さんと辻仁成さんによる、『冷静と情熱のあいだ』。
『ノルウェイの森』が、印象的な赤と緑の上下二巻なのに対し、『冷静と情熱のあいだ』は、青と赤、男女それぞれの目線で描く、二つの同じ物語。
こちらも、同じ時期に読んで、もうその壮大な恋愛物語に、当時の私はなぜかものすごくショックを受けました。
ふたつに共通することはこれ。
小説を読んで、その世界に引き込まれすぎて、読み終わって放心状態になる。
そのあと、あまりに自分の平凡な日常と比べて、落ち込みさえする。
そんな心境になること、私はよくある(過去よくあった)のですが、みなさんはありませんか…?
でも、『冷静と情熱のあいだ』の10年後の約束、というものがあまりに果てしなく思えたのは、二十歳そこそこの私にとっては当然かもしれない。
主人公たちの年齢を追いこした今、再び読むとどういう感想を持つのだろう、というのがとても興味のあることです。
ということで。
最近の読書に関しては、もどってとどまって足踏みしている感じです。
出合いにピン!ときた新しいものはもちろんその衝動に従い、あとはのんびり噛みしめるように読む。
贅沢な読書の時間です。