今日は、はじめての店へ。
今朝、にゃんこ!と次男が叫んだので外を見ると、庭に三毛猫が。
はじめての顔だね、と二人庭に出て、そのにゃんこと見つめ合う。
芝生には、新しいキノコが一本生えていた。
今日の午前中は、しっとりと雨が降る中、コーヒー飲みながら読書、というのを思い描いていたのたけれど……思いの外早くから陽が照り出して。
しょうがないなぁ、と昨日の夜泥まみれになった兄弟のスパイクを洗って干す。
あれこれ家のことをやろうとしたらあっという間にお昼になってしまうから、もうやめ、と車に乗り込んだ。
今日は、ずっと行きたいな、と思いながら行けていなかったコーヒー屋さんへ。
行く機会がなかった、というのは言い訳のようなもので。(近いし。)
なんだか初めてのお店にひとりで行く気力をしばらく失っていて……というのも、新しさを求めているのではなく、居心地のよい場所を求めているので、なかなかここへ!と思う場所がなかったのです。
新しいものへのエネルギーを持てないの、よくないなぁと思いながらも、でも、自分の今の心に従って、となんだかのらりくらりしていた。
今日はちょっと、パワーがあったみたい。
あれ。
そんな私の期待をひょいっと超えた。
もっと早く来ればよかった。
店内のレイアウトが絶妙なのか、私の座ったカウンター席はとても居心地がよくて、自然とくつろいでいる自分に、ちょっと驚いたほど。
美味しくて、雰囲気もよくて、人もよくて、でもなんだかひとりで落ち着ける席がない、ということもよくあるので。
ハウスブレンド的なコーヒーも美味しかったのだけど、いっしょに頼んだチーズケーキが、ホールで買いたいくらい好みだった。
たぶん、うっとりした顔でフォークを運んでいたと思う。
凝ったカップはあまり好きじゃないのだけど、このコーヒーカップは、第一印象以上になんだか素晴らしく飲み心地がよく、思わずへぇ、と新しい発見をしたような気持ちになった。
近くに置かれた本棚に、雑誌『クウネル』を見つけた。
10年以上前の。
懐かしいなぁ。
江國香織さん姉妹の往復書簡や、高橋みどりさんの伝言レシピ、青みを帯びたような独特な空気を纏った写真たち。
川上弘美さんの短編もよかった。
持っていった本は、出番がなかった。
店内のBGMと、開けた窓の外から聞こえてくる鳥のさえずりが、見事に一体化していた。
1時間もいなかったけれど、しっかり充電されたような気分になって席を立ちました。
お会計をするとき、店主の方に、◯◯で働いてらっしゃいますよね、と声をかけられる。
なんと。
ごめんなさい、つい声かけて、と謝られたけれど、そのおかげで私の満たされた気持ちにちゃんとお礼を言うことができてよかった。
あぁ、だからか。
他のお客さんにはシロップいるか確認していたのに、どうして何も確認なく、私にはコーヒーのみが静かに置かれたのか、ちょっと不思議に思っていた。(本当のところはわからないけど。)
新規開拓も必要だな、と思ったけれど、でも結局いいな、と思う店に出会ったら、何度も行きたくなってしまう。
なかなかここ、という場所には出会えないもの。
近いうちに、また行こう。