昭和レトロな町を歩く・飛騨金山の「筋骨めぐり」
梅雨空の週末、夫と二人で飛騨金山を訪れ、「筋骨めぐり」を楽しんできました。今回は、この「筋骨めぐり」についてご紹介します。
飛騨金山について
まず、飛騨金山についてご紹介します。
飛騨金山(金山町)は、岐阜県下呂市の南部に位置する町で、飛騨地方と美濃地方の境界にあります。
今は静かな町ですが、かつては街道の宿場町として、また鉱山や木材で栄えていました。
「筋骨」って何?
さて、この「筋骨めぐり」に登場する「筋骨」という言葉。何だかわかりますか?
筋骨 “きんこつ” とは、飛騨地方の呼び名で細い路地が迷路のようにからみ合っている公道のこと。筋や骨のようにからみ合う人間の体に例えています。(金山町観光協会のパンフレットより)
昔ながらの入り組んだ細い路地のことを、こちらの言葉で「筋骨」と言います。この金山町には、こうした古い路地(筋骨)が今もたくさん残っています。
そんな「筋骨」を歩いて回るのが、この「筋骨めぐり」なのです。
※こちら↑のサイトを開くと、パンフレット(日本語版・英語版)のPDFがあります。
集合場所とご当地グルメ
スタート地点は、金山町内の国道41号線沿いにある「ドライブイン飛山」です。
おっと出かける前に、ドライブイン内のレストランで「筋骨ランチ」をいただきましょう。うどん付きのガッツリ飯です。
ちなみにメインディッシュは岐阜県のソウルフード「鶏(けい)ちゃん」✨
鶏ちゃんとは、味噌や醤油で味付けした鶏肉のことで、野菜と一緒に焼いていただきます。ご飯はもちろん、ビールにも合いますよ~。
「筋骨めぐり」はたくさん歩きます。ですので、事前に腹ごしらえをしておくことをおすすめします。
ガイドさんと合流
今回は「筋骨めぐり」のガイドさんをお願いしてみました。
食事の後、ドライブイン飛山の建物の横にあるベンチで、ガイドさんを待ちます。(この看板が目印)
ちなみに、ガイド料金は以下の通りです。
・ 1グループ 6名様まで 2,000円→1,000円
・ 7名様以上 おひとり 300円→200円
※ただ今、半額キャンペーン中だそうですよ。 期間は令和3年4月1日(木)~令和3年9月30日(木)
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しばらく待っていると、ガイドさんが来てくださいました。私たちの前に、観光客を一組、ご案内されていたそうで、ガイドから戻って早々、そのまま私たちの案内もしてくださるとのこと…。お忙しくさせちゃって申し訳ありません~💦
ガイドさんの休憩を兼ねて、私たちはベンチに腰掛け、用紙に氏名と住所を記入しました。ここで簡単な説明を受け、事前にガイド料を支払います。
いただいたパンフレットはこちら。
案内地図も兼ねたパンフレット。可愛いイラスト付きで、非常に分かりやいすです。
それでは、いよいよ出発です~。
筋骨を歩く
「筋骨ってどんな道なんだろう?」とワクワクしながら歩いていると、「ここから筋骨に入ります!」と言われ、ガイドさんが突然、大きな通りから細い横道へと入っていかれました。
「えっ?ここですか?」路地と言うより、畑の畝(うね)道みたいなところです。想像していたのと違って、ビックリしました。
ガイドさんがいなければ、入るのを躊躇(ためら)っていたでしょう。さらに進むと住宅が見えてきました。ここから先は、各ご家庭のプライベートゾーンを通るような感じです。
生活臭や人の気配、筋骨に面した家に住む人々の体温までもが、筋骨にあふれ出ていました。
日常の音や匂いが漂う小径。
あぁ、これって私が生まれ育った昭和40年代の空気感だ…。距離感もへったくれもない、オープンな時代。あの頃の懐かしい感覚がよみがえってきました。
筋骨を歩きながら、今回はガイドをお願いして良かった、正解だった…と思いました。
じゃなかったら、絶対に迷子になっていたと思います。
ガイドさんも事前に「長年住み慣れた地元の者でも、まだ通ったことのない筋骨に入ると、出口がどこかわからなくなり、道に迷うんですよ」と仰っていました。
確かに「ここ、本当に通っても良いんですか?」と不安を感じるほどの狭い道です。イメージしていた路地とは、路地のレベルが違っていました。
しかも、グネグネと曲がっているので、単独で歩いていたら、方向が分からなくなっていたでしょう。
ガイドさんはサッサと行かれるので、私たちはガイドさんの後に慌ててついて歩いています。
でも、もしも地図を頼りに自分達だけで歩いていたら、変なところに迷い込み、方向を見失い、間違いなく迷子になっていただろうなぁ…と思いました。
でも、この迷路、癖になりそう…(笑)。
昭和レトロな雰囲気を楽しむ
随所に、懐かしい光景がありました。
3軒連なった家の共有屋根。
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今も使われている共同の井戸ポンプ。
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昔の銭湯の内部。
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蔵の中にあった古いものを並べて売っている「古いもん屋」さんの店内。
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共同の水場。
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かつて飛騨街道だった町並み。
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懐かしい昭和の名残がたくさん残っています。写真を撮るのに良さそうなスポットがいっぱい。歩いていて、とても楽しかったです。
自然に触れる・歴史に触れる
自然や歴史にも触れることができました。
ギフチョウの第一発見場所は、なんと!ここ金山町。鎮守山の頂に続く道の途中で発見されたとのこと。
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鎮守山の頂にある観音堂。すぐ近くに「両面宿儺の碑」がありました。
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伊能忠敬の「飛騨測量はじめ点」
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「これより中山七里」の看板の左横には、「運気を上げる欅(けやき」」の大木が立っていました。隠れたパワースポット。
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司馬遼太郎『街道をゆく・飛騨紀行』に登場する「境橋(さかいばし)」から、馬瀬川の上流を眺めます。司馬遼太郎がここを通った頃とほぼ変わらない風景。
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川釣りを楽しむ人々。今はアユ釣りのシーズン。
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小さな町ですが、いろんなものが盛りだくさんで驚きました。「筋骨めぐり」に参加したことで初めて知ったこともたくさんがあり、とても勉強になりました。
初めて訪れる方へのアドバイス
「筋骨めぐり」のパンフレット(案内地図つき)を見ながら、独自で歩くのもいいですが、初めて訪れるのなら、ガイドをお願いすることをオススメします。
というのも、「えっ?これも筋骨なの?本当に通っていいの?」と一瞬迷う場所がいくつかあったからです。ガイドさんは地元の方なので、道に迷うことなくスムーズに案内してくださいます。時間のロスがありません。
また、ガイドさんの存在のお陰で、「よそ者(侵入者)と思われて咎められるのではないか?」という不安を感じずに済みました。特に、この筋骨めぐりの場合は、家と家の間の細い路地を歩くので、迷いや躊躇や遠慮がたくさん出てくるんですよね。その点、ガイド付きだったので、どんどん入っていけて本当に心強かったです。
更に、ガイドさんから、パンフレットやサイトには載っていない面白い情報や新たな知識などをたっぷり教えてもらえるので、すごくお得です。
その他、舗装されていない道を歩いたり、プチ山登りもあるので、歩きやすい靴で参加されると良いと思います。
もっと詳しく知りたい方へ~「筋骨めぐり」体験記事はこちら~
ここまでご紹介したことについて、もっと詳しく知りたい~!という方は、下の記事をご参照ください。
約2時間のブラ散歩。巨大な迷路に迷い込んだような不思議な感覚を味わいました。とても楽しいひとときでした😄。