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創作文章たち

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江益が書いた小説なのかポエムなのかよくわからない文章たち。
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#短編小説

【短編】月が綺麗だったね。

僕は文学が嫌いだから 多くの言葉を知らなくて ごめんねごめんね 美しい言葉なんて 何も知らな…

江益凛
2年前
12

【短編】貴方の不幸せを願ってます。

滲む東京 薄ボケた夜空に 溜息の煙を吐いて 歪んだ街灯 二重線の背中は溶けて 旋風はとうの昔…

江益凛
2年前
3

【短編】芹摘みし

日に焼けて色褪せた波打つ写真 覚えてしまったムービー音 昔昔に綴った秘密の文章 舞い上がっ…

江益凛
2年前
4

【短編】Narcisse

優しい嘘をついてあげるね 私は正直者だから こっそり保存した写真も 真似した趣向も さも昔か…

江益凛
2年前
4

【短編】月下美人

指先で嬲って 呼吸を遮って 橙色の薄闇の中で テグスと操作板は 私の手の中に シャネルの赤を…

江益凛
2年前
6

【短編】Scabiosa

空っぽのガラス瓶に 花を指して 水を注いで いっぱい注いだら 溢れてしまって あ、溢れちゃっ…

江益凛
2年前
4

【短編】いいわけないよ。

しらないうちにわたしのしらないわたしがそこかしこにあるいていてねえねえとかたをたたくとくるりとふりかえりにやあとぶきみにわらうのしらないうちにしらないわたしがわたしのかわりにいきをすってはいてことばをすってはいてわたしのしらないわたしをぜんせかいにはっしんしている 私は 何も 知らない。 きおくのかたすみにおいやったいたいいたいくるしいくるしいそんなものはだれにもばれないようにあっしゅくしてはこにいれてぬのをかけてそこにおいていたのにわたしのしらないだれかがきょうみほんい

【短編】あける。くれる。

あける。 わたしになにもないけど。 くれる。 わたしになにもなくても。 あける。 ゆうきを…

江益凛
3年前
7

【短編】遠い空

拝啓。という書き出しも 正しいかどうか分からないけれど。 お元気ですか。 もう声も匂いも温…

江益凛
3年前
13

【短編小説】こうして僕は小説家を辞めた。#1

もし、この命と引き換えに 『誰もが認める最高傑作』を書けるとしたら 僕は自分の命と作品のど…

江益凛
4年前
10

【短編】旧人類

> いつだったか、 『君の痛みがわかるよ』 とヒトに言われた時に、 『キモチワルイ』と感じた…

江益凛
4年前
8

自粛が終わったら。

> 先生。だれだれさんが、 学校にシャープペンシル持って来てます! 先生。だれだれくんが、…

江益凛
4年前
27

【短編】アイネズ行進曲

衝動。衝動。衝動。 口に含んだ重ったるい水蒸気が 体を包み込む季節。 落ちてくる空に 手…

江益凛
4年前
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