【短編】月が綺麗だったね。
僕は文学が嫌いだから
多くの言葉を知らなくて
ごめんねごめんね
美しい言葉なんて
何も知らないから
好きとか嫌いとか
美味しいとか不味いとか
暗いとか明るいとか
そんな言葉でしか
この世界を計れないよ。
今日の真ん丸なお月様を
君も見ていたのなら
今日の月は綺麗だったねって
同じ言葉を言えるのかな。
いくつになっても
何年経っても
僕は僕のまま
ずっと変わりはなくて
でも歳ばかりは重ねてしまって
他人に期待なんかしなくなって
だから人に優しくなって
でも、言葉は
いくつ