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創作文章たち

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江益が書いた小説なのかポエムなのかよくわからない文章たち。
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#短編

【短編】ミヤマノカタバミ

四つ葉のクローバーを見つけたら 幸せになれるよって 笑った君と日が暮れるまで 靴を汚して遊…

江益凛
1年前
6

【短編】nostalgia

斑模様の横断歩道 おいてけぼりなワープロ教室 忍者を走らせた電信柱 洗い過ぎた高架橋 食べ…

江益凛
1年前
3

【短編】おやすみ東京

体操座りが落ち着くから 丸まって、トレーナー被って くるくる回るスカイツリー てっぺんの色…

江益凛
1年前
7

【短編】black calendar

黒文字だらけのカレンダー 青と赤は見ないフリ 等速落下のグライダー 着陸先は霧の中 匂いも…

江益凛
2年前
4

【短編】n回目の初夏

ずり落ちる左肩のリュックに手を伸ばして、拒まれて、馬鹿みたいに落ち込んでそれから、もう、…

江益凛
2年前
3

【短編】溶けたチョコレートみたいな朝焼け

溶けたチョコレートみたいな朝焼けに フーっとため息ふきかけて 冷めたマグカップ こびり付い…

江益凛
2年前
3

【短編】tear s

小さな穴から 薄っぺらいアルペジオ 黄熱灯のせいで 頭が痛くて 転がる灰皿 散らばる抜け殻 毒を吸って 下着のままで 水分量の多い夜は 呼吸が下手になるの こんなにも枯渇してるのに 溺れて死んでしまいそう 星屑舞う穴蔵に 体温は一つだけ 床上15センチの筏 しがみついてはなれない 零れた感情 殺した愛情 破ったノートと 携帯ライター 水分量の多い夜は 鼓動が早くなるの 1歩だって動いていないのに 心の臓がちぎれそう 小さな穴から 薄っぺらいラブソング 「愛してるの

【短編】泡。

届かない あと少しだけ 手を伸ばせれば あなたを。 笑顔で、笑顔で、 泡も吐かずに 堕ちてゆ…

江益凛
3年前
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