いつもの散歩道がまったく違う道に見えたわけ
わたしの小さい頃からの趣味の一つが散歩。
小さい頃、普段行かない道を歩いて、
「こんなとこあるんだ!」というちょっとした発見が好きだったのが主な理由。
特に小学生の頃は見るものが何でも新鮮で、時間があれば友だちと遠くまで歩いてお金のかからない散歩という遊びを楽しんでいた。
今となってはデスクワークの運動不足のためにすることが多い今日この頃。
あまり時間も多く取れないので15分くらいで行ける圏内だと道も限られてくる。
同じ場所を何度も歩くとこれといった発見もなく、味気なく感じてしまうのは仕方のないことなのだろうか。
まあ健康のために家の近くを歩く散歩なんてこんなものだろうと思っていた矢先、ふと寄った図書館で見つけたこの本が散歩にまたひとつの楽しみを与えてくれた。
この本を手に取って開いてみると、道端に咲いている草花の図鑑であるということがわかった。
そういえば散歩をしていると季節ごとに花壇に咲くきれいな花が目に入る。
駅前や歩道にも色んな花が咲いているけど、
「この花の名前って何だろう?」
というときが何度かあった。
不思議なことにどこにでも咲いているような花、そして雑草であってもひとつひとつ名前があるものだ。
本のページを進めると四季ごとに咲く草花の写真と名前、花言葉などが並ぶ。
「あ、この花ってこんな名前なんだ」
ネモフィラは「成功に場所選ばず」という花言葉があるということに好奇心をくすぐられる。
この本を持って散歩したら、いつも歩いていた散歩道がまったく違って見えたのはここだけの話。
いつもなら気づかずに何となく過ぎ去るような道も、その草花を見ることで新たな存在を発見する。
あ、わたしが散歩に求めていたのってこういった何か新しい存在に出会うことだったんだと、ふとその草花を見ながら笑顔になった。
いつもの散歩道が以前にも増して色鮮やかに、そして親しげに感じられた朝のひととき。次の季節には何に出会うのだろう。
そんな期待を寄せながらわたしは今日もこの道を散歩する。