心あらわれる表現との出会い「一日一文英知のことば」の本を手に取ってみた
哲学者・木田元(きだ げん)氏編纂のこの本。
一年三六六日の名文がおさめられています。
なぜこの本を手にしたかというと、新たなテーマがあるといいかなと思って本棚を見ていたから。ふと、この本を再発見したのです。
「先人たちの英知は、明日を生きる心の糧。」
この言葉に感動し、数年前に購入したもののそのままでした。
おさめられているのは、自分ひとりの読書ではとうてい出会うことのない先人や偉人の言葉ばかりです。
しかも、あまりにも有名だったり教訓めいたりした言葉を採らないというこだわりでした。
この「はじめに」を模写しただけでも、心あらわれたのです。
思いがけずに。
非常に一文が長いのに、すーっと心の奥にことばが染み込まれていく感覚。
じつは抜粋しようと思っていたのですが、なにひとつ「必要でない」文章はなかったのです。
社会人になってから、学生という立場がどんなに自由だったか身にしみる方も多いと思います。
「はじめに」の言葉だけで、十分すぎるくらい豊かな気持になれました。
さてこの本、先人の言葉が一年三六六日に配列されています。
日にちと、作者と、選び出された言葉が並びます。
一日一文、一ページ。
解説はありません。
解釈は、自分次第です。
すーっと読み下せない文章ばかり。
古文や漢文など、類推するにも限界がありました。
正直、耳にしたこともない先人の名前も多いです。
自身の無知ぶりにおどろきました。私が知っている先人は、半分に満たないと思うのです。
ですが、索引があります!
アランや福沢諭吉からどんな名言が引用されたのか、ひもとくのもおもしろい時間でした。偉人たちのことばを読む至福をかみしめつつ、月に数篇ご紹介していきたいと思います。
模写するだけでも、大きな学びでした!
先人たちのみつめた心の風景に、一歩でも近づけますように。
(追記)
なぜ本日noteで紹介したかというと、一粒万倍日でえんぎがいいかなと思ったからです(仏滅ですが汗)。あらたなチャレンジに最適かと思いまして。
読み終えるのに10年くらいかかりそうです。
明日7月12日は、仏教哲学者の鈴木大拙氏の言葉が採用されていました。
ぜひご紹介したいと思います!
解釈というのもおこがましく、ただただ自学ノートの延長線上に、細く長く感想をかきつづりたいと思います。一行程度であっても、それは言葉を向き合った証として。
ことばの豊かさを、皆さまとわかちあえると幸いです。