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茶道の場でよく耳にする「和敬清寂」を英語におきかえると、シンプルですーっと頭に入った気がした

「和敬清寂」この言葉は、茶道を確立した千利休が示した茶道の精神を表します。「わけいせいじゃく」と読みます。四つの漢字はそれぞれ、心のあり方を表しています。

「和」:場を和やかに保つこと
「敬」:お互いに敬意を払い、謙虚であること
「清」:道具も心も清らかに保つこと
「寂」:心を平静に保つこと(寂静の寂)

先日、鈴木大拙著・北川桃雄訳の「禅と日本文化」を読み、この「和敬清寂」に多くのページが割かれていることに気づきました。この本は外国人向けに書かれた英文の書籍を日本語に翻訳したもの。そのためか、かえって私は読みやすく感じました。

鈴木大拙は、茶の湯と禅の密接な関係について、こう述べています。

この精神は、感情上の用語でいえば「和・敬・清・寂」からなる。これら四要素は、茶の湯の首尾をまっとうするために必要であり、いずれもみな、同胞相親しむ、秩序的な生活の本質をなす成分であるが、この生活とは禅寺の生活に他ならない。

「禅と日本文化」より引用

「感情上の用語」という表現がストレートで、強い印象を残します。また、日常と禅との結びつきが強調されたように感じました。

英訳では、次のように表されています。
「和」はharmony、「敬」はrespect、「清」はpurity、「寂」はtranquility。

ちなみに、私は「寂」を「わびさび」の「さび」だと思い込んでいました。求める本質は同じかもしれませんが、ここでは「動じない心」を指しているようです。私も、しんどいときに自分らしさを保てるよう、心のレジリエンスを意識したいと思います。

この四つの心を大切にすると、日常にゆとりが生まれそうですね。しんどいときに、この言葉が何かのよりどころになると良いなと思っています。きっと穏やかで平和な世界に過ごせるだろうと思いました。

追記:昨年訪れた鈴木大拙館は、「寂静」を体現した空間でした。いつか再訪したいと思います。


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