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「新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年」熊倉 潤著


「新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年」熊倉潤


新疆ウイグル自治区の歴史と、中国共産党支配の現実を綴った本。
1949年以前の歴史から始まり、時代ごとにウイグル族が暮らす地域や共産党の政策・統制の実態を追っています。

彼らに起きている事は「ジェノサイド」という言葉で括られる事が多いですが、従来の意味での「ジェノサイド」だけでは語りきれない人権侵害が起きています。
ウイグル族に対する人権侵害の実態をより深く理解するために、まずは新疆地域の歴史を知る事が必要で、中国共産党が取ってきた政策を遡って知る必要があると思いますね。

欧米諸国も多民族ですが、国や社会の根底には政治的な自由、そして国家による介入の少なさがあります。
一方で中国の場合は中華思想があり、共産党一党独裁体制樹立以後はそれに加えて共産主義ゆえの国家による統制・介入、そして自由の喪失が根底にあります。

体制にとって都合が悪い個人や集団は排除され、国家への忠誠のみならず中国共産党、そして共産主義思想への徹底的な忠誠が強制されているというのが中国の現実。ウイグル族など少数派民族にとっては更に厳しい現実である事をこの本を通して知る事が出来ます。


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