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【選書】「ミステリーって多すぎて自分に合うのを選べる気がしない」という友達に選書のコツを全力で話してみました〈第二夜〉 -本格か、本格以外か-

~「読んでよかった」のために自分の好みを知ろう
分け合いたい! 底知れぬミステリーの魅力~
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第一夜はこちらから  ↓↓↓

【主な、ではなく2人しかいない登場人物】
 
エイミ・・・本、特に推理小説が好き。40代。友人ミキとの会話や子育てを通して「本1冊をスラスラ読めるのは本好きだけの常識」と気づき、ミキが楽しく読書できる「入口」を考えるように。目標は「脱・頑張って読んだのにイマイチ」

〇友人ミキ・・・大人になり読書に興味を持つが、少し苦手意識あり。ミステリーを読んでみたいと自分で選書するものの「ピンとこない」と苦戦。「読書慣れしていない人が小説1冊読み切る労力」をエイミに訴える

※以下、作家名は敬称略。本のデータは最後に記します

※あくまで私が読んだ本、好きなタイトルから話しています。ミステリーの選書に関してはすべて、ただの本好きの個人的な見解です

※お勧めの作品名も出しますが、あくまで選書のコツ・考え方がテーマです
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(1)読書慣れしてない人ほど「入口の1冊」が大切・・・だからたくさん質問します


 
エイミ 第一夜からのつづきです。ではさっそくミキに、選書に必要な質問をしたいと思います。

ミキ なんかエイミの手元のメモ見ると質問けっこう多そうだね。

エイミ うん。だって読書好きな人はわりとなんでも読めるけど、そうじゃない人は「こうだから読めなかった」っていう理由や、読めたとしても「面白かった」とまではいけなかった理由がいろいろあるはずなんだ。海外ものだったから、話の構成が複雑だったから、暗い展開だったから・・・みたいな。

ミキ それを探るわけだ。
エイミ 「面白そう」だけを積み重ねても難しくて、読みづらい理由を潰すことも大事だからね。

ミキ けど私、読めない理由や読みづらい理由なんてたくさんあるよ。それを全部避けてたら楽しく読める本なんてなくなるんじゃない?

エイミ いや、そうじゃないんだ。まず入口の1冊を探すのね。「面白かった」っていう体験ができれば、次は自分にとって少しハードルが高いものでも読めるようになっていくから。それが読書慣れって言うのかな。

ミキ なるほど・・・読書慣れのための入口探しね。了解、ではいろいろ質問されてみたいと思います! 

(2)脱・選書迷子~ミステリー初心者に最低限したいこれだけの質問


エイミ じゃあいきます。

【1】これまで読んで面白かった本、印象に残っている本はありますか?
子ども時代の思い出でもOKです。特に浮かばなければ、好きな映画やドラマを教えてください

【2】これまで、読んではみたけど途中でやめてしまった本(特にミステリー)があれば教えてください

【3】いま現在、読書にかけられる時間はどのくらいありますか?

【4】国内の作品に限定しますか? 海外の作品(翻訳もの)も読めそうですか?

【5】時代設定は最低限、携帯電話があるあたりからの現代がいいですか?昭和くらいの少し古い時代が舞台でも大丈夫ですか?

【6】次のうち、興味がある謎はなんですか? 複数回答オッケイです。
〈a 驚愕のトリックやどんでん返し/探偵が論理的に事件を解決する謎解き〉
〈b 真相によって感動が広がる人間ドラマ/家族、青春、恋愛ものなど〉
〈c 社会問題や実際に起こり得そうな事件/なかでも企業、歴史、社会情勢など〉
〈d 殺人事件が起こらない、身近で平和的な謎解き
 
【7】記述者や視点が何度か変わるような小説でも読めそうですか?
(A男の話だと思っていたら途中でB子の視点に変わるなど)
 過去と現代が交錯するなど、多少複雑な小説でも問題ありませんか?

【8】後味の良さにこだわりますか?
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エイミ とりあえず以上です。

ミキ じゃあ答えるね。1、ミステリー系でいうならけっこう前だけど好きだったドラマは『時効警察』シリーズ、それと10年くらい前のドラマだけど宮部みゆきの『名もなき毒』だっけ? 杉村三郎シリーズが好きでした。

エイミ ほうほう。途中でやめちゃった本は?
ミキ 2、やめちゃったというか、最後まで読んだけどピンとこなかった本なら何冊かある。それについては後でエイミに聞いてみたいんだ。

エイミ じゃあ後回しで。読書にかけられる時間は?

ミキ 寝る前の15分か、長くても30分くらいかな。そのくらいでも何か読みたいの。あと4は、断然国内の作品がよくて、時代は少しくらい古くても大丈夫。私が子どもの頃は携帯なんてなかったし。

エイミ じゃあ問題は6だね。これがいちばん選書に関わってくるかも。
 
ミキ こう聞くとやっぱり〈b 真相によって感動が広がる人間ドラマ/家族、青春、恋愛ものなど〉に興味をひかれるよね。あと〈d 殺人事件が起こらない、身近で平和的な謎解き〉っていうのも面白そう。cの社会問題とか歴史は、子どもや自分に関わることなら知りたいな。

エイミ じゃあやっぱりミキは人間ドラマ系のミステリーが好きかもしれないね。

ミキ あと7だけど、できれば視点がコロコロ入れ替わらないほうがいいかと・・・。
 
エイミ うん。1人か2人の視点で書かれてるミステリーもあるから、比較的シンプルな構成の話から選ぶのがよさそうだね。最後は8の後味。

ミキ 可能な限りハッピーエンドがいい。ミステリーだからショックな展開もあるんだろうけど、頑張って読んで最後に突き落とされるのは辛いな・・・。ある程度、希望を感じるラストが好きなんだよね。

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(3)ミステリー選書・最初の分かれ道は「本格か、本格以外か」

 
エイミ はい、ありがとうございました! ミキさんはガチガチの本格ではなく社会派系で、そのなかでも家族・恋愛・青春・心理ミステリー、誰も死なない日常の謎、そして短編から中編、会話主体の比較的読みやすいテイスト・・・あたりが好みかなと思います。

ミキ そうなの? なんかズバーンと「あなたに読んでほしいのはコレです!」っていう本とか出てこないのかな。

エイミ 出してもいいけど、すぐにやっちゃ意味ないよね。ミキが、自分の好みについて自分で考えることが大事なんだよ。
ミキ そうでした。
 
エイミ まあここで、ミキが驚愕のトリックや大どんでん返し、探偵が論理的に事件を解決する謎解きに一番興味があるって答えたら、「はいあなたは本格タイプですね」と言って終わりだったんだけどね。
 
ミキ どうして本格ミステリーが好きだってわかると、それで終わりなの?

エイミ 終わりは言い過ぎとしても、かなり選びやすくなる。それはミステリーに手を出すならまず、最初の大きなジャンル分けがあるからなんだよ。つまり「本格か、本格以外か」

ミキ 俺か、俺以外か?
 
エイミ 「本格」って、ミステリーというジャンルのなかでも際立って特別だからね。本格ミステリーは文章で紡がれた論理パズルで、好きな人は「最後にこの謎がどうやって解明されるか!?」というワクワク感でページをめくるんだ。だから極端に言えば、次々と殺人が起こってもパズルのひとつとして割り切って読めるスキルというか、思考というか、慣れが必要なわけ。

ミキ なるほど・・・私たまにエイミと映画観てて「ねぇこの被害者可哀想すぎない?」とか「この人こんなことで人殺す?」とか聞いたりするけど、そういうことにいちいち心が揺さぶられる私は本格に向いてないのかな?

エイミ そうは言わないけど、1回1回ショック受けてると先に進むのが難しいんだよ。本格好きな人は決して冷酷な訳じゃなく、ある程度パズルと割り切って読んでるからね。

ミキ 要するに、私タイプはほかにもっと楽しめるものがあるってことか・・・。

エイミ いや、慣れれば何でも読めるとは思うけど、入口としてはもともとの嗜好と性格に合った選書がいいという話だよ。

ミキ 素朴な疑問だけど、本格ミステリーってたとえば『十角館の殺人』のほかにはどういうものがあるの? 

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(4)ホームズ、ポワロ、金田一・・・本格好きなら選書ルートは比較的シンプル


エイミ 超有名な探偵の名前を出すならシャーロック・ホームズやエルキュール・ポワロ、金田一耕助も本格ミステリーで活躍する名探偵だよね。

ミキ それなら知ってる。 金田一耕助は映画とかドラマで観たことあるし、ポワロも知ってるよ。『オリエント急行殺人事件』でしょ。前にテレビドラマで観た・・・あれ、スグロのほうだったかな?

エイミ それはたぶん勝呂武尊(すぐろ・たける)だね。三谷幸喜のほうの。

ミキ あぁ! でもポワロも知ってる。新しいシリーズの映画も最近あったでしょ。 

エイミ アメリカ映画・・・ケネス・ブラナーのほうだね。小説に戻るけど、本格ミステリーの場合は前提として、探偵役が解決するために得たヒントや手がかりと同じものを読者も手に入れているっていうルールがあるんだ。

ミキ 小説にルールなんてあるんだ。
エイミ 本格ミステリーは論理パズルだって話をしたけど、どんなものでもパズルを楽しむためには一定のルールがあるでしょ?
ミキ あ~なるほど。

エイミ だからたまに、解決編の前に「読者への挑戦状」というのが挟まっている小説もあるんだよ。「親愛なる読者諸君、君たちは既に事件解決のヒントをすべて手に入れている。願わくば探偵〇〇より先に、犯人を導き出してくれたまえ・・・」みたいなね。
 
ミキ 面白そう! エイミは解いたことあるの?
エイミ いっっっかいもない。ミステリー好きだけど頭いいわけじゃないし、逆に騙されやすいからミステリー好きなわけだし。

ミキ つづきをお願いします。

エイミ あと、漫画が原作だけどわかりやすい例では何度もドラマ化されてる金田一少年の事件簿も本格ミステリー。名探偵コナンも、映画はかなりエンタメ化してるけど、謎解き部分は本格だよね。コナンも服部君もちゃんと伏線や手がかりがあって推理してるでしょ。

ミキ 確かに。ちなみにエイミの一番好きな探偵っているの?

エイミ 私は島田荘司の御手洗潔シリーズが好きなんだ。
ミキ みたらい・きよし?

エイミ ミステリー好きならほぼ誰でも知ってるし、この作者に影響を受けた作家はすごく多いけど、一般的にはホームズや金田一ほど有名じゃない、という存在かな。代表作は『占星術殺人事件』とか『異邦の騎士』だね。

ミキ どんなところが好きなの?

エイミ 私は論理的な謎解きと、深みのある人間ドラマが好きなんだけど、このシリーズはどっちも満たしてるの。あとは著者の島田荘司がものすごく博識で、史実としての歴史的背景とか脳科学の知識にも言及してたりして、勉強になるんだよね。
 
ミキ そうなんだ・・・そういえば、名探偵津田はどうなの?
エイミ め・・・名探偵津田?
ミキ 知ってるでしょ? あれは本格ミステリー?
エイミ いや、あれのテーマは笑いだよね。
ミキ けど、謎解きもけっこうちゃんとしてなかった?

エイミ 確かに第一弾はペンションが舞台だったけど、下界と遮断されたいわば「閉ざされた山荘もの」「孤島もの」あたりを踏襲してたし、第二弾は金田一耕助の『悪魔の手毬唄』のオマージュだったね。だからもう、「これは!」って思いました。

ミキ すごい真面目に解説してる・・・(笑)。
エイミ 大好きだし、第三弾を待ってます!
 
ミキ 私が言うのもなんですが、本格ミステリーの話に戻りましょう。

エイミ はい。えぇと、何度も言うけど本格ミステリーの詳しい話は長くなるからまた今度にするけど、とにかく本格が好みなら、本格の作家はたくさんいるし、それぞれの個性や名作・代表作を調べれば読みたいものは見つけやすいし、大はずれになる可能性は低いはずなんだ。
 
ミキ それこそ『十角館の殺人』とかを読めばいいし、気に入ればシリーズも何冊もあるんだもんね。

エイミ そうね、私は綾辻行人なら『霧越邸殺人事件』も好きだけど。
ミキ きりごえてい?
エイミ 閉ざされた吹雪の山荘ものだよ・・・あれも初期の傑作で・・・。

ミキ 話を戻します。書き手の視点がコロコロ入れ替わるとか、過去と現代が交錯する小説が大丈夫かっていう質問あったけど、 私、それも苦手。

エイミ そうだね、本格ものって複雑な構成の小説もけっこうあるから、1日にかける読書時間が15分という人にはとりあえずお勧めしないかも。

ミキ だね、いざ謎解きが始まっても徹夜できない私にはちょっと・・・。
 
エイミ なので、とりあえずミキにはゴリゴリの本格以外をお勧めするんだけど・・・っておい! さっき、ものすごく重要な証言をしてたよね?

ミキ 重要な証言とは?

エイミ 宮部みゆきの『名もなき毒』って言ってたでしょ? ドラマを観て興味を持ったんだよね? なぜ先に言わない? もうひとつ答え出てるよ・・・。
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(5)宮部みゆきが読みたいのに、1冊も買えなかった理由

 
ミキ ついにこの話か・・・。
エイミ なんか浮かないね。宮部みゆきが好きなら宮部みゆきを読めばいい、という答えがもう出てるのに。

ミキ じつはそのことを相談したかったんだ。何年か前に杉村三郎シリーズのドラマを観て「あぁ私、こういう人間ドラマ的なミステリー好きだな」って思ったの。 

エイミ いいじゃない、いいじゃない。

ミキ それで、読書欲が湧いた時期と重なって、書店に行ってみた。
エイミ ワクワク。

ミキ でも・・・杉村三郎シリーズの原作になった『誰か』『名もなき毒』『ペテロの葬列』っていう小説を実際に手に取ってみたら・・・。
エイミ みたら?

ミキ なんか、ずっしりどっしりして、読める気がしなかったんだ
 
エイミ あぁ、そうだったんだね。・・・ちょっと今調べたら、文庫で『誰か Somebody』は469ページ、『名もなき毒』は607ページ、『ペテロの葬列』は上下巻でそれぞれ407ページと462ページ。あまり読書慣れしていない人にとっては確かにどっしり感があるかもしれない。
 
ミキ もしかして今思ったんだけど、シリーズものだから全部読まなきゃっていう気がして、合わせて4冊の重圧を感じたのかもしれないわ、私。

エイミ 根がマジメなんだね(笑)。ただ、確かにシリーズものって全部並んだときの「幅」をみただけで圧を感じるっていうの、わからなくもない。

ミキ とりあえず気軽に1冊を読んでみればよかったんだろうけど、こんなに長~い話を私は読めるのかなって不安になっちゃったんだ。
 
エイミ 読書も経験だからね。手に取ったときに「読める」と思うのは積み重ねてきた経験による感覚が土台だから・・・分厚いとハードルを感じる。

ミキ うん、自分がそれを読み切れるイメージが湧かなかったんだ
 
エイミ そっか、感性に合いそうな話、好きそうな作家がわかったのに、1冊目を手に取ることができなかったという体験談だね。

ミキ ううっ・・・ようやく話すことができました(笑)。

エイミ 大丈夫! 宮部みゆきのほかの作品を選ぼうとは思わなかったの?
ミキ それがたくさんあり過ぎて、どれがいいかわからず・・・。

エイミ そっか、じゃあ次回は宮部みゆきの選び方について話すのはどう?

ミキ 私でもハードルをあまり高く感じずに読める本はあるかな?
エイミ ありますとも!
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(6)「名作」にピンとこなくても「読書に向かない」訳じゃない


 ミキ じつはさっきの話、後日談がありまして・・・。
エイミ 後日談?

ミキ 正確に言うと同じ日の出来事なんだけど、大型書店に行って結局宮部みゆきの本を買えなかった私はその後、別のミステリーを3冊買って帰ったのでした。

エイミ えぇ、何買ったの?

ミキ それが・・・では意を決して言います。湊かなえ『母性』島本理生『ファーストラヴ』東野圭吾『容疑者Xの献身』

エイミ えぇーーーーーっ⁉
ミキ そんなおどろく?

エイミ もしかして第一夜でミキが言ってた、「読んだけどピンとこなかった小説」って・・・これら?
ミキ これら。

エイミ まず、すごい選書だと思う。ふつうで考えたら、どれも面白かったでしょ? って興奮するくらい。・・・でも、ピンとこなかったのね?

ミキ うん。1冊につき2カ月くらいかかって読んだけど、どれもピンとこなかったから、私の読解力が足りないんだなって軽く落ち込んだ。

エイミ いや違う、読解力がない訳じゃない。これはとても特徴的な3冊だし、ある意味で奇跡的な選書。作品の名誉のために言うけど、本当にどれも名作だし、なんならこのうち2冊は直木賞を受賞してる。

ミキ そういえば本の裏表紙にそう書いてあったような・・・。

エイミ うん、賞がすべてではないけどね。でもミキが読んでピンとこなかった理由は、なんとなくわかる気がする。
ミキ 私も今ならわかる気がする。

エイミ どれも作品としては素晴らしいけど・・・
ミキ 読み手である私の感性と好みと
エイミ 現時点での読書スキルに
ミキ 合ってないんだ。

エイミ だから気持ちがうまくのらなかったんだと思うよ。人と人とに相性があるように、書き手がその1冊に込めたテーマと、読み手が受け取りたいものとの相性っていうのがあるからね。

ミキ そっかぁ。でもその時は、宮部みゆきを諦めた後で店内をプラプラしてたら「映像化コーナー」みたいな売り場が目に入って。どれもタイトルは聞いたことがあったし、帯に役者さんの写真があって・・・これなら読めるかもって思えたんだ。

エイミ それも大事な選書のポイントだと思うよ。間違ってない。ただこの3冊、ミキにどこが合ってなかったかを考えると、選書に関して大切なポイントが見えてくるんだ。「後味」と「作風」に関することになりそう。

ミキ 知りたい!

エイミ ミキにそれぞれの感想を聞くことになるから、これはこれで時間がかかるかな・・・その前に私は「宮部みゆきの選び方」をやりたいです。理由は、ファンだから。

ミキ いいね。じつはさ。
エイミ なに?

ミキ まだ気になってることがあるんだけど、私は宮部みゆきの杉村三郎シリーズ・・・とまで的を絞れていたのに、結局どうして読める気がしなかったんだろう?

エイミ あぁ、さっきも言ったように本としての厚みに圧倒されたのもあるだろうけど、逆に「既にドラマで話の結末をほぼほぼ知ってた」っていうのもあるかもね。

ミキ はっ!

エイミ 本好きな人は「原作ではどう書かれてるのかな」っていう興味や確認で「あえて後から小説を読む」ことがあるんだけど、ミキの場合、むしろ「真相を知りたいワクワク感」を感じられなかったのかも。映像作品から原作小説っていう順番は、ときに諸刃の剣でもあるんだ。

ミキ 諸刃の剣・・・そうだったのかも。考えてみれば私、後で選んだ3冊は映画観てないんだ。だから、どんな内容だろうって興味は湧いた。

エイミ なので、第三夜は宮部みゆきの選び方ね。じつは私、ミキに読んでほしい宮部みゆき作品があるんだ。

ミキ  本当⁉ なんだろう・・・『傲慢と善良』もあるし、忙しいわ。

エイミ あと、東野圭吾というテーマも入れなきゃ・・・。これも一晩かかるから、また改めてゆっくり話すことにします。

ミキ つづきます!
 
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【今日のポイント】

・ミステリーの王道「本格」というジャンルを、自分は読みたいかどうかをまず考える

・論理的に謎を解く「本格」が好みなら、作家や作品数は多いのでそこから自分好みのものを探す

・気になる作家の本でも、実際に手に取って「読める」というイメージが湧かないと、読めないことがある

・先に映像作品を観ると原作小説を読む意欲が湧かなくなることがある

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【第三夜予告】
「執筆の時代・ジャンルで考えるとわかりやすい~宮部みゆきの選び方」

第三夜はこちらから↓↓↓

【今夜の本リスト】

『悪魔の手毬唄』(著者 横溝正史/角川文庫/税別705円)
『オリエント急行の殺人』(著者 アガサ・クリスティー/ハヤカワ文庫/税別860円)
※会話では『オリエント急行殺人事件』と話しています。出版物によってタイトルが違い、私の手元にあるものは『オリエント急行の殺人』です
 『改訂完全版 占星術殺人事件』(著者 島田荘司/講談社文庫/税別838円)
『改訂完全版 異邦の騎士』(著者 島田荘司/講談社文庫/税別695円)
『霧越邸殺人事件』(著者 綾辻行人/新潮文庫/税別777円)
『誰か Somebody』(著者 宮部みゆき/文春文庫/税別820円)
『名もなき毒』(著者 宮部みゆき/文春文庫/税別920円)
『ペテロの葬列』上・下巻(著者 宮部みゆき/文春文庫/上巻税別730円、下巻税別760円))
 『母性』(著者 湊かなえ/新潮文庫/税別590円)
『ファーストラヴ』(著者 島本理生/文春文庫/税別710円)
『容疑者Xの献身』(著者 東野圭吾/文春文庫/税別629円)

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本好きは一生退屈しないと思っています


最後まで読んでくださってありがとうございます!



島田荘司の御手洗潔シリーズ、映画化について書いています↓↓↓

A.クリスティ原作、三谷幸喜脚本のテレビドラマ『オリエント急行殺人事件』について書いています↓↓↓


A.クリスティ原作、三谷幸喜脚本のテレビドラマ『黒井戸殺し』(アクロイド殺し)について書いています↓↓↓


『十角館の殺人』ネタバレ感想です↓↓↓


『放課後ミステリクラブ』と子どもの読書について書いています↓↓↓


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