“うそとほんとは双生児”
いっていることはうそでも
うそをつくきもちはほんとうなんだ
【絵本レビュー📚】
《うそ》
谷川俊太郎さんの詩を絵本の”ぼく”を
通じて表現し、語りかけてくれます。
特にこのような方に読んで欲しい!
●”うそをつく”を考え直したい方
●子どもの頃の自分と話し合いたい方
●親子で話し合うテーマに!
🎈ゆるっと内容紹介🎈
“ぼくはきっとうそをつくだろう”
“ぼく”の頭の中でぐるぐるまわっている
うそとの向き合い方のお話し。
犬と歩く。蟻を見る。水たまりを見る。
何を見ても頭の中はうそのこと。
“ぼく”はうそと一緒に生きることを決めた
ぼくの表情は、ずっとここにいないよう。
ぼくが嘘について考えている心情を、
言葉としては発さず、
視線や周りの景色から表現されており、
詩へ集中を助けてくれます🏃♂️
絵本BOX🐿のココが気になる❗️
※ ある記事で読んだのですが、谷川さんは「詩は説明しちゃいけないものだ」とおっしゃていたそうです。今回はちょっと難しい哲学のようなお話。ハテナがたくさん浮かぶと思います。私もでした。なので詩を全身で浴びていただければ嬉しいです😌
ぼくは子どもとして描かれています。
あなたは嘘について考えたこと・意識したことはありますか。
大人になってしまった私たちは子どもたちに向かって、嘘についてよく教えます。
なのに、よくわかっていない。
よく向き合っていない。
程の良いぴったりする言葉を当てはめては
見ないことにしている気がします。
難しいんです。大人にだって答えは出せない。
◇◇◇
“ぼく”は繰り返し考える。
鏡の自分、水溜りの自分。
混じり合う。
振り返って、考える。
“あやまってすむようなうそはつかない”
“ぼくはうそといっしょにいきていく”
私も一緒になって考える。
この時間が私に思わせてくれます。
まだ私にも、向き合う子どもがいる、ここに。
◇◇◇
今まで読んだ絵本の中で1番、
時間をかけました。
読めば2分はかからない文字数。
めくる。止まる。めくる。戻る。止まる。
どうしても自分に落ちてこないんです。
言葉を何度見返しても、
絵を何度見返して。
そして、やっと、わかりました。
どうにも割り切れないんです。
そして思うんです。
“どうしてもうそがつけなくなるまで
いつもほんとにあこがれながら
ぼくはなんどもなんどもうそをつくだろう”
◇◇◇
思い出す嘘はいくつありますか。
記憶に残っている嘘は何ですか。
この本を読む前、1つの経験から、
私は嘘と騙すについて考えたことがありました。
人に嘘をつけても
自分には嘘をつけない
これが私が嘘と向き合った結果でした。
あなたはどうでしょうか。
◆◆◆
小学2年生の時にも、
考えたことがあったのを思い出しました。
他クラスの子からジェムストーンをもらいました。綺麗な緑と透明がかった白のマーブル柄でした。
その帰り道、石を壁に当てるゲームをして、
何を思ったか
私はそれを投げ割って、そのまま捨てた。
夜、電話がかかってきました。
その子からジェムストーンを返してと言われました。
わかった。と答えました。
もう、もっていないのに。
家を飛び出し、石を探す。
代わりなるものなんてありませんでした。
グラタンを食べるスプーンは重くなりました。
それ以降、すれ違う度、
ドキドキしながら、
ヒヤヒヤしながら、
隠れるように早歩きをしました。
伝えられないまま。きっとまた思い出す。
◆◆◆
1つの映画を思い出しました。
“さよならくちびる”
バンドを組んだ3人のお話しです。
それぞれ本音で言えないことがあります。
“嘘”をつきます。
もどかしいんです。
吐き出せと言われても、
吐き出しても辛いんです。
覚悟をもって、一緒に生きてきたことだから。
誰に対しての”嘘”でしょうか。
そもそも”嘘”なのでしょうか。
◆◆◆
嘘について、子どもの頃、
考えた方も多いのではないでしょうか。
良い嘘と悪い嘘。
違いは何でしょうか。
2つに割り切れるのでしょうか。
正直なところ、
私の嘘に対する考えはまわりまわって
ふわふわな状態です。
文章もふわふわです。
だから絞める意味も込め、
谷川俊太郎さんの言葉を引用します。
うそとほんと、良いことと悪いこと、
美しいものと醜いもの、
どっちかに割り切れないところに、
生きていることの本当の姿があります。
素直に。
もう一度、
立ち止まってみませんか。
ゆっくりと。
あなたはうそに誠実ですか
うそを突き通す覚悟はありますか
詩だけを読んだ時、私は、
”ぼく”は子どもの想いではなく、
”上手く付き合う”をはじめた大人の葛藤のようにみえました。
でも、やっぱり、ちがうかな。
子どもだから葛藤するのかもしれませんね。
“うそとほんとは双生児”
あなたはどう思いますか?
絵本BOX🐿・私についての紹介はこちら🎈
よかったら読んでね〜