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# 植物図鑑 『有毒編』

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身の回りにある植物の有毒情報を紹介
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ギンネム これを食べ続けた哺乳類に恐ろしいダメージを与える『悪魔の実』

ギンネム これを食べ続けた哺乳類に恐ろしいダメージを与える『悪魔の実』

銀合歓 (ギンネム)

ギンネムは南米産で、メキシコ、ベリーズ、
グアテマラなどを原産とするマメ類の植物。

日本へはスリランカ産が明治時代に初渡来と
なり、その主たる目的として緑化用、飼料用
であった。この時は本格的な拡大へは至らず
だったのだが、第二次世界大戦によって沖縄
の土地は荒れ果ててしまい、戦後のアメリカ
より復興と土壌緑化の為にと、防風や防潮や
赤土の海への流出抑制を目的としてハワイ

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スーサイド ツリー 『自殺ノ木』の名がついた理由

スーサイド ツリー 『自殺ノ木』の名がついた理由

スーサイド ツリー (SUICIDE TREE)

リンドウ目、キョウチクトウ科、ミフクラギ属

この植物は過去にも2回、このブログの場にて
沖縄夾竹桃(オキナワキョウチクトウ)の名前と
目膨木(ミフクラギ)の名前で紹介させて頂いた
常緑低木、猛毒植物である。

ジャスミン系の美しい花を咲かせるこの樹木は
その全ての部位に生理活性毒素と呼ばれる有毒
物質で強心配糖体の一種ケルベリン含んでおり
誤っ

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クワズイモ 『植物の秘密』シリーズ

クワズイモ 『植物の秘密』シリーズ

不食芋 (クワズイモ)

オモダカ目、サトイモ科、クワズイモ属の多年草
で、東南アジアを原産とするもの。ハート型の葉
が特徴的で、観葉植物としても人気がある。

クワズイモの葉は大きく、光沢のある濃い緑色を
しており、ハート形または矢じり形で、長い葉柄
を持ち、葉が大きく広がる様子が存在感もある為
観葉植物としての需要はとても高い。

この植物の『クワズイモ』という名前の由来は
『食べられぬ芋』と

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アオキ パブリックスペースに多く植えられる理由

アオキ パブリックスペースに多く植えられる理由

青木 (アオキ)

ガリア目、ミズキ科、アオキ属の常緑低木

アオキは、日本国内で最もポピュラーな植栽植物
であり、公園や庭園、植込に多く見られるもの。

そんな樹木のアオキだが、私の周りの人達とこの
アオキについての話題となれど、盛り上がる訳で
はない。

多くの人の持つこの樹に対する評価はあんまりで
『可もなく不可もなく』『その名すら知らない』
『葉の模様があまり好きではない』などの言葉が

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ランタナ トリフォリア 房状実をつける珍品発見!

ランタナ トリフォリア 房状実をつける珍品発見!

ランタナ トリフォリア
(LANTANA TRIFOLIA)

主に中南米のネオトロピカル地域の熱帯地域
や亜熱帯地域に自生しており、アメリカ大陸
や西インド諸島がその主な原産地となる。
一部はアフリカのコスタリカ地方の熱帯地域
にも分布している。

シソ目、クマツヅラ科、ランタナ属の低木、
または亜低木となり、樹高は100〜150
cm程に成長。学名にある『トリフォリア』
の名が示すのは、3枚の

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その名に『玩具』とつくけれど…

その名に『玩具』とつくけれど…

玩具南京(オモチャカボチャ)

ナス目、ナス科、ソラナム属の常緑低木

鮮やかなオレンジ色の実が魅力的な植物

名前には『玩具』とつくものだが、実はコレは
有毒植物。ナス科の植物で有毒とされるモノは
どれも毒性はかなりキツイものとなる。勿論、
口にさせしなければその効力は発揮しない。

この毒々しくも可愛らしい小型のカボチャ型の
デザインは、間もなくくるハロウィンシーズンに
ピッタリのものである。

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美しい花を咲かせるが、馬、牛、どちらも喰わぬ毒草

美しい花を咲かせるが、馬、牛、どちらも喰わぬ毒草

馬不喰 (ウマクワズ)
牛不喰 (ウシクワズ)

キンポウゲ目、キンポウゲ科、センニンソウ属
クレマチスに分類されるものである。

私がかつてサバゲーをやっていた頃、フィールド
内には、この美しい真っ白な花が咲いていた。

人に飼われている馬や牛ですらも、この植物には
口を付けず、食べる事をしない事から付いたのが
馬不喰(ウマクワズ)、牛不喰(ウシクワズ)の
名である。

全草に危険な毒が含まれて

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蔓穂

蔓穂

蔓穂 (ツルボ)

キジカクシ目、キジカクシ科、ツルボ属

多年生の球根植物

日本の全土に分布するもので、8〜9月には
薄紫色、薄桃色の総状花序を咲かせてくれる
ものである。蔓穂(ツルボ)の名は古来より
使われたものであり、花茎が長く伸びる様と
花序が穂状に咲く姿の両方からついたもの。

花言葉についている『誰よりも強い味方』は
穂状に立ち並ぶ花と花とが連結して咲いてる
姿に見える事を指してつい

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八重咲三友花

八重咲三友花

八重咲三友花 (ヤエザキサンユウカ)

インド原産のキョウチクトウ科、サンユウカ属
の常緑小低木となる。

この植物の三友花(サンユウカ)の名は中国の
名をそのまま持ってきたものだが、その由来は
不明とされている。

洋名のアダムズ アップルは、禁断の実を意味し
それは以前の記事にて解説した通りである。

白い八重咲花は、一見すると梔子(クチナシ)
にも似るのだが、クチナシに比較すると香り
は殆ど

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日本で一番低い山、そこに咲く暴れん坊

日本で一番低い山、そこに咲く暴れん坊

天保山(テンポウザン)、大阪市港区にある
標高4.53mの山であり、日本で最も低い山
として知られているもの。この山は、人工的
に造られたものであって、元々は1831年
(天保2年)に大阪の港湾工事によって出た
土砂を集めて築かれた築山となる。その元号
をとり『天保山』の名前が付けられた。

歴史的には、江戸時代から明治時代にかけて
大阪港の発展に寄与し、また景勝地としても
親しまれたもので、一時

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蕾を『お包み』状にして守る紫陽花とは?

蕾を『お包み』状にして守る紫陽花とは?

紫陽花(アジサイ)、これらの開花時期は8月
半ば過ぎの今はとっくのとうに終わっている
ものだが、他品種と開花時期を大きくずらし
咲くものがある。それも蕾の全体がベールで
包み込まれているという、他のアジサイでは
見られない珍しい特徴をもっている。

玉紫陽花(タマアジサイ)

その名の由来となるのは、開花前のツボミが
玉状のベールで、固く包み込んでいるその姿
によるもの。他のアジサイが咲き誇る時期

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VERATRUM

VERATRUM

ベラトルム (VERATRUM)

ユリ目、シュロソウ科、シュロソウ属

ちょっと前に、園芸品種販売業者の取扱品種の
ひとつとしてこの植物が紹介されていた。

読み進んでいった後に、結構肝心なことなどは
紹介されていないのだなと思ったのである。

そのひとつ目は、この植物の毒性に関する表記が
一切なかった事で、こちらについてはスイセンや
スズラン、ヒアシンスなども有毒であるものだが
これらも表記は

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サワギキョウ

サワギキョウ

沢桔梗 (サワギキョウ)

キキョウ目、キキョウ科、ミゾカクシ属

多年生植物で、日本、朝鮮、中国を原産とする。

キキョウに分類する植物で、名にもある通りで
水辺にしか自生しないもの。

夏の緑の茂る中、その紫は本家の桔梗のそれより
鮮やかで貫禄がある。

花言葉の『悪意』は、この植物が持つトリカブト
に匹敵する猛毒を表した言葉となる。

和名 沢桔梗 (サワギキョウ)
   丁子菜 (チョウジ

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ADENIUM OBESUM

ADENIUM OBESUM

アデニウム オベスム
(ADENIUM OBESUM)

リンドウ目、キョウチクトウ科、
アデニウム属の多肉植物の常緑低木

学名『アデニウム』は原産のアラビア半島の
都市のアデンから、『オベスム』は多肉植物
の特性の水を蓄える幹形状の『肥大』を表す。

洋名デザートローズが表すは『砂漠の薔薇』
であり、各国名称でも共通の名で呼ばており
広陵とした砂漠地帯を彩るその花の美しさを
象徴している。

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