アオキ パブリックスペースに多く植えられる理由
青木 (アオキ)
ガリア目、ミズキ科、アオキ属の常緑低木
アオキは、日本国内で最もポピュラーな植栽植物
であり、公園や庭園、植込に多く見られるもの。
そんな樹木のアオキだが、私の周りの人達とこの
アオキについての話題となれど、盛り上がる訳で
はない。
多くの人の持つこの樹に対する評価はあんまりで
『可もなく不可もなく』『その名すら知らない』
『葉の模様があまり好きではない』などの言葉が
返ってくる樹木である。
そんなあんまり人気のないこの樹木が多く植栽を
されている理由についての解説をしてみようかと
思ってまとめた内容が今回の記事の骨子である。
先ずはこの樹木が日本国内のパブリックスペース
の植込などによく見られる理由を考えてみる。
このアオキは、耐陰性がとても高い樹木であって
半日陰から日陰に強く、他の植物が育ちにくい場
でも元気に育つ事が大きな特徴のひとつである。
日当たりの悪い場所に最適なため、庭の隅っこや
半日照の植込などの環境にも広く使われている。
また、アオキは丈夫な上、手入れが少なくて済む
という利点もある。寒さにも暑さにも耐えられる
上に病気にも強い強靭さを持ち、手間のかからぬ
植栽として人気がある。都市部における排気ガス
や大気汚染にも耐えられる点も評価されている。
また、アオキは常緑樹であり、年間を通じて青々
とした葉を保ち、景観を美しく保つ役割を果たし
これも庭園や公園などの視覚的な魅力を提供する
要素の一つとなっている。もちろん、常緑樹ゆえ
落葉などの処理も不要という点も管理する側には
大きな利点のひとつである。
アオキの葉は、食害に合わない事でも知られる。
このアオキの葉や茎の中には、苦味成分と同時に
毒性のある成分:が含まれている。この苦味成分が
強い為に鹿などの植物害獣には見向きもされずに
同様の理由から虫もこの葉には取り憑く事がない。
この苦味成分として、サポニンの一種が含まれて
おり、それがこれら葉を食べる外敵達から食害を
防いでいるものである。また、軽い毒性もある為
捕食者に敬遠される訳である。
また、アオキの葉は触るとわかる通りで革質性の
もので厚くて硬く、また光沢があるため、物理的
にも害虫や動物が食べにくい特徴をもっている。
葉の堅さと光沢ある葉はツルツルと滑ることから
虫にとってはそこに安定して乗っかりにくい為に
のんびりゆっくり食べるのが難しい物理的な要因
を生み出している。
苦い、不味い、毒がある、滑る、固い、不味い、
こんなにたくさんの要素が揃っていればアオキに
固執する捕食者に人気がないのも、成程と納得が
いくものである。人にも人気があまりないのは
ちょっと可哀想ではあるが。
このアオキは春先には暗い紫色の地味で目立たぬ
花を沢山咲かせる。雌雄別株のこの樹木であるが
この手の地味な色の花に共通して言える事として
良い香りはせずに、ハエが好む強い悪臭を放って
受粉媒介者として協力をさせるもの。
花が実を結ぶと、そこには美しい赤い実が成る。
哺乳類には毒を持つこの実は、鳥には無害であり
良い食物となる。遠方まで範囲を拡げる協力者の
鳥にとっては、貴重な食料となる。
この植物の写真は、私が勤務先として出勤する
中之島フェスティバルタワーの13階の半屋外に
あるデッキスペースの中に植ってるアオキを撮影
したものである。
身近にある植物をこんな風に四季を通じて撮影が
出来るのは有難いことである。
和名 青木 (アオキ)
青木葉 (アオキバ)
洋名 ジャパニーズ アウキュバ
(JAPANESE AUCUBA)
学名 アウキュバジャポニカ
(AUCUBA JAPONICA)
分類 ガリア目、ミズキ科、アオキ属
種類 常緑低木
草丈 1〜5m
開花 春
花色 紫
花径 4〜8mm
原産 日本
言葉 若く美しく
変わらぬ愛
永遠の愛
初志貫徹
撮影 中之島フェスティバルタワー
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